面接における独自性の発揮

2010-03-10 執筆者:山本 恵亮

転職マーケットが回復の兆しを見せており、今年に入ってからも少しずつ求人の引き合いが増えております。日本株の資産運用業務など引き続き厳しい分野もありますが、外資系戦略ファームや金融機関などでは、優秀な人材を積極的に探している会社が多数あります。
ただ、採用ニーズは強まっているのですが、順調に採用出来ているのかというと必ずしもそうではない企業も多いように感じます。

クライアント企業を訪問していても、採用意欲は強いのだが、予定の採用人数を満たせていないというお話を良くお聞きします。あるPEでは、「一流国立大学卒、MBA、外資大手金融にて実績ある人材」という経歴の応募者はスキルセットが合致しており優秀なことはわかるのだが、オファーの可否を判断する段階となると社内で合意出来ない、と仰っていました。背景には、同水準の人々が複数おり、その中の誰かを採用する明確な理由がみつからない、ということがあるそうです。

この様にスキルセットでは募集スペックを満たしているが、同様の人々が多数いる中では、希望の仕事でオファーを獲得する為には、どの様に対処すれば良いのでしょうか?
他の応募者と差別化する為に、一生懸命に過去の実績や経歴を相手にアピールしていたら、逆に他の応募者の人々と同じ類の話をしていて、自ら多数の応募者の中に埋没していった・・・という逆の効果を生んでは残念な限りです。しかも、こういったことは自分では気づかずに繰り返しがちなことです。

「他者との類似点ではなく、自分の独自性を如何に相手に伝えるか」、ということをしっかりと考えて、自分ならではの売り口上を工夫していくことが大切なのは、皆さん理解されておられると思いますが、具体的に言葉にするのは中々難しいものです。
キャリアコンサルタントとしては、こういった局面においても、それぞれの方々と対話する中で、ご自身の独自性に気づくお手伝いが出来ることが大切なのだと思っております。

取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービス会社にて金融とIT業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人材採用支援、人事コンサルティング、そして新規事業の立ち上げを事業開発マネージャーとして推進し、北米での事業拡大に貢献。2004年4月アンテロープ参画、翌年同社取締役。PEファンド(バイアウト)を中心に、VC、M&A、コンサル、投資先企業の経営人材、また組織立ち上げ期におけるコアメンバー採用の支援も強み。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウト)、VC、エンゲージメントなど投資ファンド、投資先の経営人材など。20年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップから新鋭企業まで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、選考対策、希望職種の明確化も含め丁寧な支援を行っている。