自らの強みの資質で勝負する

2011-07-27 執筆者:山本 恵亮

ご転職を希望されている人々と日頃お会いさせて頂いていますと、「私の経験とスキルであれば、どの様な会社に転職できますか?」「私の職歴では投資銀行に転職できますか?投資ファンドに転職できますか?」というご質問を頻繁に頂きます。

求人職種の応募要件には「○○の経験/スキルは必須」などと記載されており、我々キャリアコンサルタントも、「○○に転職する為には△△のスキルが必要です」とお話しすることは、思い返してみれば良くあります。

確かに中途採用は、事業を行うにあたって必要な技能を持つ人材を探すことが目的ですので、まずは経験やスキルなど技能面に着目することは重要です。また、希望する仕事に就くために、必要な技能を修得する努力は必要な事です。
ただ、日頃から投資銀行をはじめ金融の人々にお会いしていて気づくことは、ご入社後に活躍し昇進していく方々と、パフォーマンスを発揮出来ずに短期間で退職をされる方々がおられるということです。

いずれの方々も厳しい選考を通過してご入社された人々であり、十分な技能をお持ちの優秀な方であるはずなのですが、その違いの原因は何処にあるのでしょうか?

多くの人々を見ていて感じることは、技能面は極めて優れている方が多いのですが、それらとは別に、各自の持っている資質面での強み(性格の特徴:例えば「細かい作業が好き」「物事の本質を探りたがる」等)が、その仕事で高いパフォーマンスを発揮出来る資質と合致している方は卓越した実績を出し、不一致とまではいかないものの一番の強みでは無いという方は、思うようなパフォーマンスを上げにくいということではないかと思います。

また、面接で技能面は問題が無いにも関わらず不合格となってしまう時の理由で、当該業務や組織へのフィット感が無いとお聞きすることもよくありますが、突き詰めれば資質面の不一致と判断されたという事ではないかと思います。

従いまして、ご転職やキャリアプランをご検討される時には、技能面のみをベースに将来のキャリアお考えになるだけではなく、同時に、ご自分の資質面での強みを知り、それを活かせる分野が何処にあるのか、ということもお考えになると良いのではないかと思います。

きっと皆様それぞれ、他の誰にも負けない独自の強みを持っておられると思います。我々もそういった側面から皆様の事を考え、そして、皆様が卓越した活躍ができる職を見出すご支援をさせて頂くことができれば望外の喜びです。

取締役山本 恵亮 / Keisuke Yamamoto
【経歴】
同志社大学商学部卒。大手人材サービス会社にて金融とIT業界を担当後、渡米。在米のコンサルティング会社で、人材採用支援、人事コンサルティング、そして新規事業の立ち上げを事業開発マネージャーとして推進し、北米での事業拡大に貢献。2004年4月アンテロープ参画、翌年同社取締役。PEファンド(バイアウト)を中心に、VC、M&A、コンサル、投資先企業の経営人材、また組織立ち上げ期におけるコアメンバー採用の支援も強み。1級キャリアコンサルティング技能士。

【担当領域/実績】
専門はPEファンド(バイアウト)、VC、エンゲージメントなど投資ファンド、投資先の経営人材など。20年のエージェント経験で培われた層の厚いネットワークを有し、業界トップから新鋭企業まで数百名に及ぶ転職を支援してきた。水面下で流通する求人案件の提案から、選考対策、希望職種の明確化も含め丁寧な支援を行っている。