Antelope Summary Report

[Antelope Monthly Report No.21]不動産ファイナンス業界はいつ回復するのか

2009.08.28

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Antelope Monthly Report
No.21  2009年8月28日(金)
アンテロープキャリアコンサルティング
http://www.antelope.co.jp/
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各位


 Antelope Monthly Reportでは、金融版とコンサルティングファーム版とを

交互に、月1回のペースで魅力的なポジション、ジョブマーケットなどの情報

をレポートしています。今号は金融版です。



[INDEX]

 【1】Main topics ~ 不動産ファイナンス業界はいつ回復するのか

【2】Close up Information ~ 継続募集中!不動産金融のポジション



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 【1】Main topics ~ 不動産ファイナンス業界はいつ回復するのか
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《1》 不動産ファイナンス業界の発展

 リーマンショックから早いもので、もうすぐ1年が経とうとしていますが、

景気回復にはまだまだ道半ばですね。

株価などでは回復の兆しも見えますが、金融業界、特に不動産ファイナンス

業界は09年に入り 未だ厳しい状況で、人も物件もお金も動きが少なく膠着

状態が続いているようです。
 
 そもそも、国内における不動産証券化、不動産と金融の融合と発展は90年

代初頭のバブル崩壊による不良債権処理に端を発しています。

当時の都市銀行・長信銀は不良債権処理を加速させる為、バルクセールを実

施しました。それをビジネスチャンスと捉え、外資系ファンドが中心に不良

債権を積極的に買い取り、多額の利益を得ました。またこれらに倣い、国内

系の不動産投資顧問会社が多数立ち上がり、業界も急成長を遂げました。



《2》不況の今はビジネスチャンスでは無いのか?

 では何故、100年に一度と言われる経済危機の今、本来ビジネスチャンス

であるにも関わらず、当時のようなビジネスが成立しないのでしょうか。

一つの要因は既存の不動産投資プレーヤーが動くに動けない状況であること

かと思います。 これまでの過剰な不動産融資が不動産投資ブームを生み、

地価及び物件価格が実態経済以上に上昇しました。

しかし、実態経済はそれ程良いわけではなかったので、当初想定利回りは大

幅に低下。アセットを売却したくても売却見込み価格の大幅な下落により進

まず、経営環境が悪化しているので新規投資は見合わせているのが現状です。

 それでは傷んでいないファンドの新規参入やディストレス・NPLファンドは

ビジネスチャンスなのでは? と良く問い合わせを受けるのですが、実態はど

うでしょう。既に国内で投資を行っているディストレスファンドは上記と同

様、既存物件の毀損がハードアセット以上に著しく、さらに厳しいところも

多いようです。

 新規参入はどうでしょうか。確かに、既存のファンドでディストレスファ

ンドチームを立ち上げた、外資ヘッジファンドが参入した等のお話もしばし

ば伺います。先日 国内にオフィスを構えたばかりのファームに現在のリク

ルートニーズを聞いたところ、エクイティ及びノンリコースローンの調達な

どファイナンス担当者、それもメガバンクとコネクションが強い経験者を採

用したいとのことでした。該当する候補者の方に問い合わせをしましたが、

皆さん銀行の担当者とリレーションは確かにあるが、会社が代わって同様に

取引をしてもらう程、甘くはないとのコメントでした。リスクに敏感な国内

銀行は新規ファンドには中々目が向かないことも参入障壁になっている様で

す。

 ディストレスファンドはどうでしょう。先日お会いしたNPLソーシング担当

の方は 良い案件が全く無いと嘆いていらっしゃいました。前回のバブル崩壊

時では 不良債権処理は待ったなしでしたが、その後の金融再編メガバンクの

誕生で、銀行の体力が格段についているので、無理な処理・市場価格より大

幅に低いバルクセールは中々出さないとのことです。

 また、サブプライム・CDSなどの影響の大きい外資ファンドがマーケットに

安値で物件を放出するかというと エクイティ投資家、レンダーの立場もあり

バーゲンセールという訳にはいかない様です。



《3》今後の展望と現在の転職市場

 では、今後の不動産ファイナンス業界はどうなっていくのでしょうか?

これまで急速に発展してきた、不動産の売却益を狙ったオポチュニティーフ

ァンドから、不動産投資の特徴である安定した利回りを重視したコアファン

ドやREITの見直しが回復のキーワードにあるかと思います。

J-REITはスポンサー企業が運営した私募ファンドの出口先として上場が

相次ぎましたが、利益相反・REITの一般投資家が不利となる取引が散見し、

市場の信頼は揺らぎました。しかし、この秋にも政府の資金繰り支援を目的

とした官民合同のファンド設立を打ち出しREIT業界を守る姿勢を明確にしま

した。7月には東証REIT指数も1000の大台を回復。また REITは中央・地方の

金融法人も多く保有しており、株価の安定が金融機関の健全化にもつながる

はずです。

そして今月に入り国内の中古不動産の取引が拡大しているとのことです。

一般投資家及び個人需要は住宅ローン減税など調達も容易となり購入に踏み

切っているようです。

世界のREIT市場も急回復しており、日米欧の時価総額は36兆円と最低であっ

た2月末の23兆円から55%も増加しました。J-RIETにおいてはスポンサーの

破たんにより先行きが心配されていた先も新たなスポンサーが名乗りを上げ

ており、今後 再編も期待されております。


 不動産ファイナンスの転職市場においては、まだまだ厳しい状況が続いて

いますが、アドバイザリーファームなどで一部、求人を再開しています。

不動産ファンドなどでのフロント業務については、もうしばらく時間がかか

りそうです。





(長谷川牧人)
 



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 【2】Close up Information ~ 継続募集中!不動産金融のポジション
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 不動産証券化・ノンリコース・鑑定関連にて、現在募集中のポジションを

ご紹介します。


■ 外資系大手財務アドバイザリーファーム 国際不動産評価サービス担当
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詳細は・・
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他、金融プロフェッショナルポジションをご希望の方は・・
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