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- 戦略コンサルタントへの転職を解説! 仕事内容や面接のポイントは?
戦略コンサルタントは、成長できる環境とやりがい、高い年収の三拍子がそろった人気職種です。ただ、それだけ希望者も多く、簡単になれるものではありません。
ここでは、戦略コンサルタントの仕事の概要、必要なスキルや経験、キャリアパス、代表的なコンサルティングファームをご紹介します。また、想定年収や採用面接で重視される項目、戦略コンサルタントの転職のポイントなどについて見ていきましょう。
<目次>
戦略コンサルティングとは?
代表的な戦略系コンサルティングファーム
戦略コンサルタントの仕事内容
戦略コンサルタントの年収は?
戦略コンサルタントに求められるスキル・経験
戦略コンサルタントの採用選考・おすすめの面接対策
戦略コンサルタントに向いている人
未経験から戦略コンサルタントに転職は可能?
転職エージェントに相談するメリット
戦略コンサルタントへの転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス
戦略コンサルティングとは?
戦略コンサルティングとは、顧客企業や組織の経営層に対して、企業が直面する経営課題を解決するためのアドバイスや提案を行う仕事です。全社戦略の立案はもちろん、企業の経営戦略に直結するM&A戦略やグループ経営戦略の策定・支援から、新規市場参入戦略、新製品開発戦略、会計戦略、人事戦略、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略、特定の分野の問題解決まで、幅広いプロジェクトを担当します。
近年の傾向として、企業全体の経営方針を扱うようなプロジェクトは減少傾向にあり、代わりに、ファイナンスやテクノロジー、マーケティング、ITなど、特定の分野で深い知見が求められる案件が増えています。
代表的な戦略系コンサルティングファーム
コンサルティングを請け負うコンサルティングファームは、扱う領域によって「戦略系」「総合系」「財務系」など、いくつかのグループに分けられます。
このうち、顧客の経営課題を解決する経営戦略の立案・支援を専門とするのが、戦略系コンサルティングファームです。続いては、代表的な戦略系コンサルティングファームをご紹介します。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
世界が認めるグローバル戦略ファームのトップブランドがマッキンゼー・アンド・カンパニーです。1926年に、シカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼーによって設立され、マービン・バウワーの参画によって飛躍的に成長しました。2021年1月時点で世界65カ国、130都市に拠点を構えています。
客観的データにもとづくファクトベースのコンサルティングによって、自動車、ハイテク、金融、医薬品などの上場企業をはじめ、政府機関へもコンサルティングサービスを提供しています。
1971年に設立された日本支社も、各国のグローバル拠点と密な連携をとって運営されています。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
ボストン コンサルティング グループ(BCG)は2021年現在、世界50カ国、90都市に拠点を展開し、約2万1000人のスタッフを擁するグローバル戦略ファームです。1963年に、ブルース・ヘンダーソンらによって設立され、3年後の1966年にはBCGの世界で2番目のオフィスとして、日本オフィスが設立されました。
各海外拠点は、その土地に長期的に根づく企業であることを目指しており、スタッフ・パートナーともに現地採用の社員が多く所属。コンサルティングの現場では、「多様性からの連帯」との理念を掲げ、独自の視点を持つプロフェッショナルが、連帯してプロジェクトに取り組んでいます。
日本国内における経営コンサルティング企業の中では、企業規模、担当プロジェクト数、OB・OGの社会での活躍度のどれをとっても、ほかのファームを凌駕しています。
べイン・アンド・カンパニー
べイン・アンド・カンパニーは、米国・ボストンに本社を置く国際的トップマネジメントファームです。徹底した結果主義で「目に見える成果」を実現させることで、経営コンサルティング業界に新たなグローバルスタンダードを構築するというミッションを掲げ、1973年に創業されました。
2021年時点で、世界37カ国、59拠点で約8000人のスタッフが働いています。また、企業専門の口コミサイトであるGlassdoorが、働きやすい企業トップ50位を従業員の投票によりランクづけした「Best Places to Work 2021」の「働きやすい企業」において、1位を獲得しています。
東京オフィスにもグローバルメンバーが多く所属するほか、トランスファー制度による海外勤務や海外プロジェクトへの参加の機会も多いファームです。
なお、そのほかの戦略系コンサルティングファームの概要については、下記のページをご参照ください。
戦略コンサルタントの仕事内容
戦略コンサルタントは、基本的にチームでプロジェクトにあたります。
仕事の大まかな流れは、まずクライアントである企業経営者や社員、利害関係者、各分野の専門家などへのヒアリングを通じて、企業の課題を把握。必要に応じて調査やシミュレーションなども行い、仮説を立て、クライアントに解決方法を提案します。
以前は、クライアントへの提案でプロジェクト終了となるケースがほとんどでしたが、最近は、提案した戦略をクライアントが実践できるよう、現場での実践・検証・サポートまで行うことが多くなっています。
職位ごとの仕事の違い
戦略系コンサルティングファームで働くコンサルタントは、ファームごとに設定された職位(役職)があり、どの職位に就いているかによってチーム内で担当する仕事がほぼ決まっています。
職位別の仕事内容は、およそ次のとおりです。
・アナリスト/ビジネスアナリスト/アソシエイト
ファームによって呼称は異なりますが、アナリスト/ビジネスアナリスト/アソシエイトと呼ばれるような、いわゆるジュニアポジションは、経験年数0~3年程度のコンサルタントが割り振られるポジションで、新卒や未経験で入社した場合、ほとんどがここからのスタートとなります。先輩コンサルタントに同行してのインタビュー、他社事例の調査、アンケートの実施・分析、ミーティング議事録の作成など、マネージャーの指示に沿った情報の収集・分析・資料作成が主な仕事です。
・コンサルタント
コンサルタントは、経験年数3~5年程度のコンサルタントが就くことが多いポジションです。アナリストから昇格するのが基本ですが、海外MBAの取得者や事業会社などで管理部門の経験が長いと、このポジションからスタートになる場合もあります。
マネージャーの指揮のもと、プロジェクト進行に必要な業務全般を行う実働部隊で、みずからの判断にもとづいて情報の収集・分析・提言を行うのが仕事です。チームミーティングを牽引し、マネージャーとも積極的にディスカッションしつつ、仮説を修正していきます。
・マネージャー
マネージャーは、経験年数5~10年程度で就任することが多く、プロジェクト全体の取りまとめ・進行管理を担うポジションです。プロジェクト全体の進捗管理、各メンバーへの仕事の割り振り、顧客との折衝、予算管理、メンバーとのディスカッションを通じた仮説の修正などが主な仕事になります。
・パートナー/プリンシパル
パートナーやプリンシパルは、コンサルティングファームにおける最上位の役職であり、プロジェクトの最終的責任者です。主な仕事は、新規プロジェクトの獲得とファームの運営、人材の採用・教育・評価などで、細かなプロジェクト進行に直接関わることはあまりありません。
プロジェクトチームは、プロジェクトの規模や内容、期間にもよりますが、パートナーの下にマネージャー、その下にコンサルタントとアナリストがつき、全体で4~6人程度の編成になる場合が多いようです。
コンサルタントとアナリストは、複数配置されるプロジェクトもあります。
戦略コンサルタントが活躍するプロジェクト例
戦略コンサルタントが活躍するプロジェクトとしては、例えば下記のようなものがあります。
・グローバル成長のためのM&A戦略
・新薬の売上を最大化するマーケティング戦略
・スキンケアブランドの中南米戦略
・航空業界のオペレーション改革
・政府との協働による経済成長戦略の策定
戦略コンサルタントの年収は?
戦略コンサルタントの報酬体系や新任コンサルタントの年収額は、ここ数年大きな変化はなく、想定年収600万~1500万円程度を提示しているファームが多くなっています。
実際の求人情報から、戦略コンサルタントの年収例をいくつかご紹介しましょう。
■戦略コンサルタントの年収例
企業名 | 仕事内容 | 想定年収 |
---|---|---|
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド | 経営コンサルタント | 700万~1500万円 |
ZSアソシエイツ | コンサルタント | 600万~1500万円 |
米国系経営コンサルティングファーム | 経営戦略コンサルタント | 700万~1500万円 |
マーケティングを中心とする経営コンサルティングファーム | マーケティング戦略コンサルタント/経営コンサルタント | 600万~1200万円 |
戦略コンサルタントに求められるスキル・経験
戦略コンサルタントになるためには、どのようなスキルや経験が求められるのでしょうか。通常のコンサルタント以上に必要なスキルや、あると歓迎されるキャリア・経験について見ていきましょう。
論理的思考力
経営者層が抱える問題を解決するコンサルタントに求められるのは、何はなくとも論理的思考力です。
特に、戦略コンサルタントは、他分野のコンサルタントに比べてその傾向が強くなっています。そのため入社試験では、論理的思考力の有無や、論理的思考が可能な素養が備わっているかどうかが合否判断の最大のポイントとなります。
論理的思考力を測るために、戦略系コンサルティングファームの面接ではケースインタビューが行われるのが一般的です。例えば「ある大手ファッションブランドの売上を増やすためには、どのような戦略が有効か」などのビジネステーマを設定し、1時間程かけて面接官とディスカッションを行います。そのやりとりの中で、戦略コンサルタントとしての適性が評価されます。
特定分野に特化した経験
未経験者が戦略コンサルタントへ転職する場合は、前職の経験やキャリアはあまり重視されません。経験不問でポテンシャル採用を行うファームが多いためで「ファームの基準にかなう学歴がある」「業界トップクラスの企業での勤務経験がある」「ファームによっては一定レベルの英語力がある」といった条件を満たしていれば、あとは面接の結果で判断するファームがほとんどです。
ただし近年は、全体戦略に代わって特定分野の専門的知見が求められるプロジェクトが増えていることもあり、ベーススキルとしての論理的思考力を備えた上で、ファイナンスやテクノロジーなど、特定分野に明るい人材が高く評価される傾向があります。
戦略コンサルタントの採用選考・おすすめの面接対策
戦略コンサルタントの採用選考は、書類選考とSPI総合検査のような筆記試験から始まり、数回のケースインタビュー、パートナー面接へと進んでいくのが一般的です。
前述のとおり、重要なのはケースインタビューなので、採用選考に臨む際に重点を置く配分は、筆記試験対策に1割~2割、ケースインタビュー対策に8割~9割程度がおすすめです。
ケースインタビューでは、答えを出すことに一生懸命になりがちですが、見られているのはあくまでコンサルタントとしての適性です。論理的思考が可能な素養があるか、ビジネスフレームワークが活用できるかといった点はもちろん、顧客を気遣った物言いや振る舞いができるかといったことも評価されますので、その点を含めて対策しておく必要があります。
戦略コンサルタントに向いている人
戦略コンサルタントに向いているのは、簡単にいえば、いろいろな事象やニュースへのアンテナの感度が高く想像力のある人です。
戦略コンサルタントは顧客への提案が主な仕事となるため、正論を主張するだけでなく、クライアントの立場に立った発言ができるかが重要になります。
例えば、前述の「ある大手ファッションブランドの売上を増やすためには、どのような戦略が有効か」という課題があったとして、店舗数×1店舗あたりの売上は…と机上で計算することは誰でもできるでしょう。しかし「この提案をクライアントがどう感じるか」まで考えて提案できる人は少ないのです。だからこそ、相手の立場に立つことができる想像力のある人は、戦略コンサルタント向きだといえます。
また、幅広い企業課題に対応するためには、普段からさまざまな情報を集め、それぞれの課題について自分なりの仮説を立てておくことが欠かせません。そのため、戦略コンサルタントのパートナー面接では「10年後の自動車業界はどうなっているか」など、漠然としたビジネスの話題をテーマに、独自の意見を持った上で、そのテーマについて深い会話ができるかどうかを測る傾向があります。この面接は、普段から各方面にアンテナを張って情報を収集し、それぞれのテーマについて自分なりの意見をまとめる癖をつけておかなければ乗り越えられません。
総括すると「自分が消費者の立場だったら、どうやって商品を選ぶか?」「もしこの企業にアドバイスするなら、どういう提案をするか?」などを想定して考えることができる人。そして、さまざまな分野にアンテナを張り、将来的に世界やビジネス業界に影響のありそうなテーマなどについて、独自の仮説を立てることを普段から苦もなく行える人。それらを楽しめる人は、戦略コンサルタントに向いているといえます。
反対に、そこに苦痛を感じる人は、たとえ採用されたとしても、戦略コンサルタントを長期間続けていくのは難しいかもしれません。
未経験から戦略コンサルタントに転職は可能?
戦略コンサルタントのアナリスト/アソシエイト採用については、未経験からの転職がほとんどです。年齢的にマネージャークラスにあたる32歳~34歳に達していなければ、前職の職種やキャリアはあまり関係なく、論理的思考力とポテンシャル重視で採用が行われています。実際のところ、欧米のMBA取得者でなければ、社会人として5~6年の経験を積んだ28~30歳前後で転職する人が多いようです。
転職者のバックグラウンドはさまざまで、例えばアンテロープからご紹介したBCGへの内定者を見ても、総合商社、会計事務所、総合系コンサルティングファーム、外資系金融、メーカーでの研究開発職など、さまざまな企業の出身者がそろっています。過去の仕事内容も特に限定されず、フロントオフィスのみならず、ミドルオフィスやバックオフィスで仕事をしていた人も珍しくありません。
ただ、前職の仕事内容はあまり問題にされない一方、学歴やどんな企業に勤めていたかについては重視される傾向があります。これは、プロジェクトが始まると、チームメンバーのバックグラウンドがクライアントに開示されるためです。採用にあたっては「ファームのブランドにかなう人材か」という観点から、学歴・職歴について、ファームごとに独自の選考基準を設けていることがほとんどです。
転職エージェントに相談するメリット
戦略コンサルタントへの転職にはほぼ必ず課せられる、ケースインタビュー対策は必須といえます。
しかし、基本的な論理的思考の手法やフレームワークは、教科書などから学べても、実際に使いこなす練習はひとりでは難しいですし、話し方や振る舞い、相手への気遣いができているかどうかは、自分ではなかなかわかりません。実際に、転職希望者10人中8、9人は、ここでつまずいてしまいます。
その点、転職エージェントを利用すれば、無料で自身の志向やバックグラウンドに合わせて転職先の紹介を受けることができますし、筆記試験や面接対策も受けられますので、万全の体制で採用試験に臨めます。
ぜひ、アンテロープキャリアコンサルティングの転職支援サービスをご利用ください。
戦略コンサルタントへの転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス
加藤 浩 / Hiroshi Kato
戦略コンサルタントを目指すには、コンサルティング料としてクライアントが支払う多額の報酬に見合った結果が出せる実力と意思が必要です。
以前は「(自分が)成長できそうだから」など、MBAを取得するのと同じ感覚で戦略コンサルティングを希望する人が多くいました。しかし、専門的な知見が求められるプロジェクトが増加した今、転職希望者には「戦略系コンサルティングファームに入って何がしたいのか」といった明確な意思が、より強く求められます。
戦略コンサルタントを目指す人は、ぜひ「成長したい」から一歩進めて「デジタル分野の◯◯をしてみたい」など、具体的なイメージを持ち、目的を定めた転職活動を行ってください。
監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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