PropTech領域に興味のある方へ

2022-10-18 執筆者:渡邉 一也

皆さんは「PropTech」という言葉をご存じでしょうか?

2000年代に入って急速に金融業界を革新したFintechという言葉に代表されるように、あらゆる業界でイノベーションが進む時代になったと言えます。その中でテクノロジー、スタートアップによる大きな変革に晒されていない数少ない領域が不動産業界でしたが、近年になってPropTechという言葉が浸透し、その巨大市場が動き始めました。

PropTechとは、土地や建物といったPropertyを対象としたイノベーションを指します。これまでは不動産テックやRealTechとも呼ばれて不動産事業者向けのサービスを提供するといったイメージが強かったのですが、そこから進んで『全ての生活者を起点にしてPropertyの領域を最適化・再定義するもので、不動産を含む財産全般の取り組みを指し、不動産、建設、金融などのリアル市場を対象とするもので、100兆円規模の巨大市場を生む』と言われています。

日本のPropTech領域においても、早くから不動産、物件情報をインターネット上でやり取りできるサービスや資産、物件の在庫を持つ実需、実際の不動産取引への浸透を図った企業事例はあります。

住宅・不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」などの企画・運営を行うLIFULLや、AIやITなどテクノロジーを活用しWebなどマルチチャネルで多彩な住宅ローン商品の貸出・取次業務を行っているARUHI、AIクラウド&コンサルティング事業、不動産テック事業を運営するSREホールディングス、AIを活用した中古不動産の総合プラットフォームを開発・運営するGA technologies、あらゆるスペースを簡単に貸し借りできるプラットフォームを運営するSPACEMARKETなどがその一例と言えます。

また、不動産投資において個人投資家にも少額から参加できるような仕組みとしてクラウドファンディングサービスがあります。不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて投資家から資金を募り、集めた資金を元に事業者が不動産を購入し、運用期間中の賃料収入や売却益を分配金として投資家に戻すという仕組みです。ロードスターキャピタル、クリアル、ファンディーノをはじめとした新たなプレーヤーが続々と参画しており、急速なマーケット拡大にともない、今後益々のサービスが拡大していくはずです。

上記に挙げたサービス事例はイノベーションのほんの一部でしかありません。今後、PropTech領域においてどのような新サービスが登場し、また既存のサービス事業者がどのようにビジネスチャンスを見出していくかは楽しみでもあります。一方で、開発・分譲・賃貸・管理・仲介・投資といったあらゆる不動産事業においてPropTechが一層浸透していく中で、皆さんはそのイノベーションにどのように携わっていきたいと考えるでしょうか? もし、皆さんが今後のキャリアを考える上でPropTechに携わっていきたいと考える場合、どういった可能性があるのか我々も一緒に模索いたします。検討してみたいという方は、Antelopeにご相談ください。

渡邉 一也 / Kazuya Watanabe
【経歴】
成蹊大学法学部卒。地域金融機関にて法人や個人顧客を担当。与信業務・受信業務を通じて10年にわたり地域の発展に寄与。その後、大手邦銀にて10年間、住宅ローンコンサルタントとして個人顧客ならびに業者向けセールスを行う。20年以上に渡り顧客に金融商品を提供しながら信頼関係の構築に注力してきた経験を、人財というもっとも重要なリソースをクライアントに提供することに注ぐべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
銀行の金融市場部門、資産運用会社(アセットマネジメント)、不動産金融領域を中心に担当。金融業界でのキャリアをベースとしたネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。
NIKKEI HR AGENT AWARDS 2019金融部門 受賞