不況下で企業が求める人材

2009-10-22 執筆者:加藤 浩

最近、よく「株価が上向いてきましたが、転職市場は回復してきましたか?」ということを聞かれます。

ここに誤解があるのは「日経平均株価の上昇=雇用の回復」ではないということです。一般的にも株価は先行指標ですが、雇用は遅行指標です。体感として、半年くらいのズレがあるでしょうか。

しかし、そう考えると、日経平均が底値をつけたのが今年の3月。そろそろ雇用も回復してくるのでは、と考えることもできます。

もちろん業界によりますが、実際に求人のニーズは少しずつ回復してきました。ただ、企業が求める人材はまだまだ限られた層です。

具体的にいうと「仕事をとってこられる人材」と「競合他社にいる即戦力人材」です。年齢別に大雑把に分けると、前者がベテラン層、後者が若手~中堅層に該当します。

逆に言うと、こういう人材であれば仮に募集ポジションがなくても企業は欲しがります。例えば、コンサルティングファームで「仕事をとってこられる人材」であれば、こういった経済環境下でも引く手あまたです。

「こんな景気なのだから、今は転職すべきではない」という意見も根強くあります。しかし、ご自身が上記のような人材で、かつ新たなフィールドで力を試したいと考えているならば、今は絶好の機会です。

この先1~2年で企業が求める人材層は「経験は多少なくてもポテンシャルの高い人材」に徐々にシフトしていくと思われます。要は景気動向にかかわらず、自身のスキル・志向性を見極めながら、動くべきタイミングを計っていくのが何より重要だということです。

もちろん、ジョブマーケットは刻々と変化していて外部からは見えない部分が多いので、我々のようなエージェントに早めに御相談をいただくのもひとつの手です。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。