オンライン面接の落とし穴

2021-09-15 執筆者:加藤 浩

中途採用の現場でも、いまや当たり前となったオンライン面接。しかし、社内会議をする時のように無防備に臨んでしまい、様々な落とし穴にはまってしまう方々が本当に多いです。対面の面接では伝わっていた細かいニュアンスが伝わりにくくなった分、より配慮していく必要があります。

配慮すべき点は大きく3つ。1)映り方、2)音声、3)熱量です。

1)映り方

・画面の中心に顔がくるようにします。これが当たり前のようで結構できていない方がいらして、画面の端に顔があるとか、顔の上半分だけが映っているとか、よくあります。参考になるのはテレビで観るタレントさんで、番組にリモート出演していても、映り方にはかなり配慮していますよね。
・背景にも気を配ります。自宅の部屋が映ってしまうことも多いわけですが、整理整頓されていなければそれだけで「いい加減なタイプなのかな」と思われたりもします。バーチャル背景を使うのはもちろんOKです。
・当然ながら面接においては服装にも気を配ります。昨今の情勢から余程硬い会社の面接でなければネクタイまでする必要はないですが、そこは採用面接。やはりジャケットくらいは羽織りたいところです。

2)音声

・音声が途切れるのは、オンライン面接においてもっとも忌避すべきことです。通信環境によってやむを得ない場合があるとはいえ、面接官の評価にプラスになることは絶対にないです。自宅の通信環境が悪いのは仕方ないと諦めず、ネットカフェや時間貸しの個人向けオフィススペースを使うなど、環境を積極的に整える策を取るべきです。
・できればヘッドセットやマイク付イヤホンを使った方が良いです。マイクと口の距離まで配慮します(距離があると意外とマイクが音声を拾わないことも多い)。

3)熱量

・これが実はもっとも気づきにくい落とし穴なのですが、オンラインだと画面越しなのでつい「単なる言葉のキャッチボール」になってしまう方が多いです。淡々と志望動機を語ってもやはり相手には響きにくいもので、オンラインだからこそ自身の情熱が届くように、意識のギアを2段階くらい上げて話すべきです。
・面接が初対面になることがほとんどですし、見知らぬ人と画面越しで話すのに慣れている方はあまりいないと思いますが、壁を取り払うスイッチを入れて臨むと良いです。その点、我々のようなエージェントとのキャリアミーティングは、よい練習にもなると思います。

上記はよく考えれば当たり前のことばかりなのですが、感覚的には9割以上の方が何らかの落とし穴にはまってしまっています。逆にいえば、これらを気を付けるだけで一気にライバル候補者に差をつけることができるので、ぜひ実践してみてください。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。