戦略コンサルティングファームの求人要件

2010-08-09 執筆者:加藤 浩

今年に入り、戦略コンサルティングファームの採用が昨年に比べて積極化しています。受験者という点では、昨年は金融危機直後ということもあり金融出身者が目立ったのですが、今年は様々な業界の方がこの戦略ファームにチャレンジをされています。

各ファームの求人要件を見ると、「コンサル経験不問」「3年以上程度の社会人経験がある方」など、昔から変わらぬ文言が踊っています。しかし、実際には各ファームごとに隠れた求人要件があり、この要件もここ数年で少しずつ変わってきています。

具体的な求人要件はここでは割愛しますが、例えばいくつかのトップファームではMBAを重視しなくなってきています。理由は、MBA卒で初めてコンサルタントという職業に就いたものの、新卒からコンサルをしている方々と伍していけず、うまく着地できない方が意外と多いこと。また、日本人のMBAホルダーの質が徐々に下がってきていると感じ、それならばより若い人材を自社で育成しようと考えるファームもあります。

また、分かりやすい求人要件として、確実にニーズが上がってきているのが「ビジネス英語力」です。外資系コンサルティングファームであれば当たり前では、と思う方も多いかもしれませんが、例えば5年前などでは意外に英語ができないコンサルタントも多くいました。しかし、海外企業をクライアントとするケースはもちろん、日本企業に対するコンサルティングでも海外マーケットと切り離して考えられるケースは稀です。

このように見てくると、今、戦略コンサルファームに入りたいと思うのであれば、これまで通りの要件である論理的思考力などを含めた問題解決能力に加え、英語力もしっかり身につけ、MBAを前提とせずにで出来る限り早くファームの門戸を叩いてみることをお勧めします。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。