震災後における転職市場動向と今後の見通し

2011-03-30 執筆者:加藤 浩

今回の東日本大震災で、当然ながら転職市場にも影響が出てきています。

一部の外資系企業では、外国人従業員を首都圏から一時退避させているとの報道をご覧になった方もいらっしゃると思います。新卒採用の動向を見ても選考スケジュールを数ヶ月ずらすところも数多く出てきています。

ただ、コンサルティングファームに関していえば、採用活動を一時的に延期することはあっても、採用活動をストップした、採用計画人数を減らした、というような話は今のところ、ほとんど聞かれません。

具体的に言うと、震災のあった3/11から1~2週間は、設定されていた面接も一旦中止、延期されました。しかし、先週あたりからは面接、筆記試験などが既に再開されています。実際、このタイミングで内定を獲得した方々も数多くいらっしゃいます。

各社へヒアリングした限りでは、震災による真の影響が今後どのように及ぼされるのか、正直まだ分からない、動向を見ながら見極めている、というのが実状のようです。そして、現時点では採用活動も引き続き、これまでと同じペースで継続しています。
 
おそらく、一部のコンサルファームなどで影響が出るところはありますが中長期的には採用意欲の強い今のペースが続くと思います。リーマン・ショックのように世界規模で経済的な大打撃があるわけではないですし、ここ1年くらいでコンサルファームが多く受注している日本企業の海外進出案件、事業再生案件なども、むしろ増加していくと見込まれるからです。必然的に、コンサルタントに求められる人材像、スキルなどは徐々に変わっていくのでしょうが。

もちろん、本当に大切なことは、市場動向を客観的に分析することではなく、我々日本人が真の意味で今回の震災から日本を復興させ、経済も成長させ、皆に平穏で幸せな生活を取り戻す努力を主体的に継続していくことだと思います。それによって、今後の見通しなどいかようにでもなるものですし、我々も微力ながら、そのお手伝いができるよう今後も全力で取り組んでまいります。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。