戦略コンサルティングファームで求められる人材

2011-09-08 執筆者:加藤 浩

ファームによっては競争倍率が100倍を超える戦略コンサル。学歴や職務経歴も超一流の方々が数多く受けに来られる中、一体、ファーム側はどう人材を見極めているのか。そして、受けに行く側として、どう差別化すればよいのかについて、お話したいと思います。

まず、世間でもよく言われているケースの対応力。論理的思考力、発想力などを含めた問題解決力は確かに必須ですし、戦略ファームの面接を突破していくには、大前提のスキルです。

しかし、誤解があるのは、ケースができれば受かる、という認識。これは確実に間違いです。

よくある失敗パターンは、ケースの「解答」を出すことに一生懸命で極端に言えば、自分の世界に入ってしまうパターンです。あくまで面接ですので、面接官とのコミュニケーションが何より大事なのであって、ケースは二の次なのです。要は終わった時、面接官に「この人、デキるな」という印象が残っていれば良いわけです。

では、他にどういうポイントを抑えればよいのか。一言で言えば、「コミュニケーション能力」です。

ここでもよく誤解されるのは「コミュニケーション能力」を、ただ話を上手くできる力、と捉えてしまう方がまだまだ多いことです。もちろん、これは間違いで、教科書的に言えば、相手に理解・納得させ、相手を行動にまで導く力、です。面接において必要とされるのは、具体的には次のようなスキルです。

・どのような話題を振られても、深いコメントができる知識・洞察力
・相手を不快にさせない(気持ちよくさせる)対人力

上記のスキルを持つには、普段から様々なニュース、自身の専門分野等に常にアンテナを立て、自分なりの見解を考え、持っていなくてはなりませんし、相手を気持ちよくさせるコミュニケーションをするには、間の取り方、声のトーン、見た目はもちろん、特にコンサルファームでは、常に付加価値のあるコメント(できれば、相手よりほんの少しでいいので、知的レベルが高く洞察力のあるコメントを意識)ができなくてはなりません。

では、このようなスキルをどのように身につければよいのか。これも一言で言うと「(非常に高い)成長意欲」を持つことです。

やはり、この成長意欲がないと、好奇心を保ち続けることや、自身の考えを高めていこうとすることができませんし、そもそも、次々に課題が与えられ、成長し続けることを求められる戦略ファームで仕事を楽しみながら続けていくことが難しくなります。

逆に成長意欲が人一倍高いと感じる方は、是非、戦略ファームをご自身のキャリアの選択肢として考えてみてください。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。