PEファンドの最新状況

2011-09-28 執筆者:加藤 浩

日々、転職を希望される方々とお会いしていて、依然、PEファンドは根強い人気があります。今回は、このPEファンドの求人状況について、お伝え致します。

一言であらわすと、例年になく厳しい状況になっています。
ただ、そういった中でも、しっかり独自色を持った元気のあるファンドは、積極的に採用を行っています。

独自色とは、例えば「(文字通り)独自のしっかりした理念を持っている」、「アジア進出に特に強みがある」、「この業界には特に強い」などの特徴です。逆に言うと、自身の強みが活きるファンドがあれば、採用してもらえる可能性があるということです。
もちろん、メガファンドは別として、日本にあるファンドは、社員が数名からどんなに多くても数十名という規模ですから、全くの未経験者をポテンシャル採用することは稀です。一から育てるという余裕がないからです。

求人の大枠の傾向としては、いわゆる戦略コンサルファーム出身者よりも投資銀行などでのM&A経験者で、特にその中でも事業がしっかり見られる、事業にコミットできるタイプの方が求められてきているようです。戦略コンサルの方でももちろん可能性があるのですが、リーマンショック後は企業価値を上げるスキルがより高度化してきているので、若くてもかなり経験がないと難しくなってきています。ただし、これはあくまで「大枠」の話で、ファンドによっては事業会社出身であることを優先して、事業会社経験+αの方を求めているところもあります。やはり、投資先は事業会社であることが多いので、その現場が分かっていないと、先方からも信頼を得ることは難しいという考えに基づいてのものです。このあたりは、時期、そしてファンドによって大きく変わってくるところです。

ところで、PEファンドを希望される方々に志望理由をお聞きすると、例えば「経営をマネージしたい」「投資がしたい」といった理由を挙げる方々がいらっしゃいます。
経営に関わりたいのであれば、経営コンサルティング会社や事業会社の経営企画といった選択肢もありますよ、という話をすると、初めてそういった方向性も検討されるという方もいらっしゃいます。これは転職全般に言えることですが、最初からここに行きたい、ということを決めつけず、キャリアコンサルタントとじっくりご自身に合った方向性を見つけていっていただけると良いと思います。

加藤 浩 / Hiroshi Kato
【経歴】
上智大学法学部卒。大手メディア企業にてアジアを中心とした海外営業に10年間従事。その後、コンサルティング会社で人事領域をフロントラインで広くカバーする中、数々の優秀な人材と接触。プロフェッショナルのキャリア構築をこの手で支援したいとの強い思いから、2007年にアンテロープへ参画。

【担当領域/実績】
専門はPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、戦略系・総合系・再生系コンサルティングファーム。PEファンド等、マネージングディレクタークラスと独自のネットワークがない限り応募をすることすら難しい業界にも、豊富なパイプラインを持つ。情報提供はもちろん、コンサルファームのケース面接対策はじめ、キャンディデートを文字通りハンズオンで支援することにより、これまで経営トップから若手人材まで数百名の方々の転職を成功に導いてきた。