経営企画ポジションはポストコンサルの王道キャリアのひとつ
コンサルタントがファームを卒業した後、ポストコンサルタントとして進む王道キャリアのひとつが、様々な企業の「経営企画」ポジションです。経営者の右腕として戦略を打ち出すだけでなく、当事者として事業をドライブできるため、将来「経営プロフェッショナル」を目指す方には適した転職先といえるでしょう。
ただし、経営企画を志望するビジネスパーソンは多く、高度なビジネススキルを持つコンサルタントであっても転職できるのは一握りといわれるほど。そこで、これから経営企画職を目指す方のために、転職活動前に知っておきたいポイントについてまとめました。なお、現在募集中の経営企画ポジションについては経営企画関連の転職・求人特集をご参照ください。
経営企画ポジションへの転職事情
●経営企画とは
コンサルティングをしているうちに「提案で終わるのでなく、自らの手で事業をドライブしたい」という気持ちになるとはよく聞かれる話です。練りに練った仮説が営業の現場で実証され、会社に大きな利益をもたらした時には「自分が会社を動かした」と実感できます。マネジメントの喜びをダイレクトに味わえることから、経営企画を目指すビジネスパーソンは少なくありません。
●主な仕事内容
経営企画の仕事は幅広く、企業や配属される部署によって仕事内容は変わります。トップマネジメントの補佐、特命事項対応、業務監査などの業務に携わることもありますが、基本的な業務は「戦略の策定」です。
戦略の策定は基本的に(1)経営目標の設定(2)経営環境分析(3)戦略の構成(4)経営企画の立案、というプロセスを経て行われます。経営企画のポジションにおいて、これら一連の業務に長じたポストコンサルタントが求められるのは自然な流れといえるでしょう。
●経営企画の求人ニーズ
中小やベンチャーなどの比較的小規模な企業では、社長自ら経営戦略の策定を行うということも少なくありません。ただし、規模がある程度大きな会社では、社長の一存によって意思決定をするのは難しくなります。経営者としての責任が重くなるのはもちろん、戦略と現場との距離が広がってしまうことによってズレが生じる可能性があるためです。
そこで、トップマネジメント層と比べて柔軟な経営戦略を打ち出せ、また企業戦略を現場レベルに落とし込める経営企画ポジションが重視されるようになります。「企業経営の舵取り役」ともいえる経営企画は、特に新規事業の立ち上げや海外進出などで業務拡大を目指している企業でニーズが高まる傾向があります。経営の最前線で活躍したい方にこそ、検討していただきたい職種です。
経営企画ポジションに求められるスキル
経営企画の業務は多岐にわたるため、他の職業と比べて求められるスキル・経験も豊富です。転職する際、特に重視されている能力をピックアップしました。
●論理的思考力
企業のブレーンである経営企画職は、経済状況やデータの分析を正確に行い、論理的な思考によって答えを導き出せる方でなければ勤まりません。よって、経営戦略コンサルタントのように一貫した論理思考によって経営全体を見通していた人は、高く評価されるケースが多いようです。また論理的思考は文書を作成するときにも必須の能力です。経営企画では業務上、報告書や企画書などの書類を書くことが多いため、企業によっては文書作成経験を重視するところもあります。
●企画・立案力
企画・立案力が重視される理由のひとつに、ビジネスのグローバル化が挙げられます。日系企業の海外進出はもちろん、外資系企業の市場参入が盛んに行われている今、古い価値観に縛られず、新たな観点から企画・立案できる人材が求められています。現状に満足せず、常に組織の発展・改善意識を持ち、その実現に向けて邁進できる方は経営企画職に向いていると思われます。
●財務会計の知識、スキル
経営企画を立てた後は、それを現実の数字に落とし込む必要があります。そのため、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)、キャッシュフローなどの財務会計知識を有している方は高く評価されるようです。実際、経営数字に強い経理財務職からの転職も少なくありません。
●プロジェクト・マネジメント経験
経営企画では新規事業立ち上げと関係することが多いため、プロジェクト・マネジメントを経験した方は転職で有利になる可能性があります。新規事業立ち上げを考えていない企業であっても、ゼロから企画を出して実行するという業務フローは同じです。コンサルタントや経理財務職の経験がない方でも、プロジェクト・マネジメント経験が評価されてポテンシャル採用となるケースもあります。
●コミュニケーション能力
経営企画職は企業における舵取り役といいましたが、社員が望まない方向へ舵を切れば当然反発を生んでしまいます。すぐれた戦略でも現場に落とし込めなければ効果は望めません。簡単には納得してくれない部門責任者などに対しても、根気よく交渉にあたるコミュニケーション能力が求められます。
経営企画ポジションの転職市場
英語を社内公用語にすると発表する国内企業が続々と現れているように、現在ビジネスのグローバル化は急ピッチで進んでいます。今後もTPP協定などを背景に国際競争がますます激化するであろうことから、企業の規模を問わず「海外進出」が重要視されています。海外での新規事業立ち上げ経験や、外国でのマネジメント経験がある方は高く評価される可能性があります。
なお、現在募集中の具体的な求人ポジションは「経営企画関連の転職・中途採用求人特集」でご案内しておりますので、あわせてご覧ください。
●大企業に転職する場合
経営企画として転職する先が大企業である場合、前述のスキルの中でも特にコミュニケーション能力が重要視されます。大企業での経営企画は、広大なビジネスフィールドにまたがる複数の部門を巻き込みながら、戦略を現場レベルに落とし込む必要があります。関わる人数は中小企業やベンチャーの比ではなく、場合によっては外国人社員と交渉するケースもあるでしょう。求人要件としてビジネスレベルの英語力を必須条件にしているところが多いので、現職で英語を使用していない場合はTOEICスコアなどで英語力を証明する必要があります。
●中小またはベンチャーに転職する場合
基本的に少数精鋭の経営企画部門ですが、中小またはベンチャーではさらに募集人数が少なくなります。規模の小さい会社では社長が経営企画を兼任しているケースも多いため、経営企画職は多くて2~3人程度です。
大企業の場合、データ分析やトップマネジメントの補佐など、特定業務に専従することもありますが、中小やベンチャーでは何でもこなせるマルチな人材が求められる傾向があります。ポストコンサルタントは企画から実行まで一通り経験していることが多いため、マッチしやすいようです。
未来の社長候補としても
企業活動の根幹に関わる経営企画は、大企業からベンチャーまで幅広い需要があります。ビジネススキルを鍛えられる環境であることから、近年は後継者不足に悩む中小企業が「未来の社長候補」として経営企画職を募集するケースも増えているようです。
企業の規模を問わず共通しているのは「当事者として経営に携われること」。コンサルティングファームから事業会社へ転職をすると、これまでのように第三者としてではなく、自らの手で戦略を実行できるようになります。周囲の環境が大きく変わるため、はじめは戸惑うかもしれませんが、経営のプロフェッショナルを目指すにはまたとない場といえるでしょう。
経営企画への転職
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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