アセットマネジメントの基本情報
アセットマネジメントとは、資産を株式や債券等様々な資産へ投資する投資家に代わって、管理・運用を行う業務一般を指します。金融業界においては、大きく投資信託と投資顧問のビジネスに分かれます。
- <投資信託>
- 投資信託の歴史は、1951年に「証券投資信託法」が公布・施行され、野村・日興・山一証券が、第一回単位型投資信託の募集を開始したのが始まりです。その後様々な法改正と時代背景の中で、バブル崩壊後の1990年代に投資信託は大きく進化しました。外資系企業が投資信託委託業務に進出し、シュローダー投信をはじめ、クレディ・スイス投信、モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信、フィデリティ投信、ゴールドマン・サックス投信、ピクテ投信投資顧問などが免許を取得しました。また、東京三菱投信投資顧問、東京海上アセットマネジメント投信、大和住銀投信投資顧問といった日系企業もこの時期に多く免許を取得しました。そして1998年に日本版「金融ビッグバン」の具体策として「金融システム改革法」が施行され、銀行等による投資信託の窓口販売が解禁となりました。消費者にとっては、金融商品を購入する拠点が増え、投資信託のビジネスは大きく拡大しました。その後、2000年代にも不動産投資信託の解禁(2000年)、株価指数連動型投資信託(ETF)の上場(2001年)、確定拠出年金法の施行(2001年)等様々な面で進化を続けました。2007年、米国でサブプライムローン問題が表面化し、2008年にはリーマン・ブラザーズ証券の破綻(リーマン・ショック)、2009年にはギリシャに端を発した欧州金融危機等の影響で、2007年には約80兆円まで伸びていた契約型公募投資信託の純資産総額(投信資料館データ参照)は52兆円まで減少しました。しかし、その後も厳しい環境の中、2013年7月には74.7兆円まで回復しています。資産運用会社による新商品の開発、販売業者によるサービスの拡充、政府による日本版NISAの拡充等により、業界全体が更なる発展に向けて動いています。
- <投資顧問>
- 投資顧問業の歴史は1986年11月施行の「有価証券にかかる投資顧問業の規則等に関する法律」に遡ります。投資顧問業には、投資の助言のみを行い、投資判断は投資家自身で行う投資助言業務と、投資判断と投資に必要な権限を投資家から委任されている投資一任業務があります。
1990年4月に「改正厚生年金保険法」が施行されるまで、日本の企業年金の資産運用は信託銀行と生命保険会社だけで行われていましたが、この法律により、厚生年金基金の資産運用に対する規制が緩和され、投資顧問会社も参入できるようになりました。1997年の山一證券破綻をはじめとした金融危機を機に、運用規制が完全に撤廃されるようになりました。投資一任会社の契約資産残高は、(日本投資顧問業協会統計資料参照)1997年3月には56兆円程でしたが、順調に残高を伸ばしました。2003年に厚生年金基金の代行返上による影響もありましたが、同年には日本郵政公社法が改正され、郵貯・簡保の資金運用ができるようになったこともあり、2006年3月時点の残高は110兆円まで増加しました。その後2008年の世界金融危機、2012年の年金消失事件、それに伴う厚生年金基金事実上解散という将来的な不安等、様々な出来事が年金資産運用の見直しを迫るものとなりましたが、こうした状況の中でも、2013年6月時点の投資一任契約資産残高は154兆6,578億円まで伸びています。
- <日本における資産運用会社>
- 日本国内における資産運用会社は、下記のように大きく分類されます。(順不同)
- ●国内証券系資産運用会社:
- 野村アセットマネジメント、日興アセットマネジメント、大和住銀投信投資顧問、国際投信顧問、岡三投信、大和証券投資信託委託、等
- ●国内生損保銀行系資産運用会社:
- アセットマネジメントOne、東京海上アセットマネジメント、ニッセイ・アセット・マネジメント、三井住友アセットマネジメント、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント、等
- ●外資系資産運用会社(独立系並びに証券系):
- ブラックロック、ピムコ、フィデリティ投信、アライアンス・バーンスタイン、BNYメロン・アセット・マネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、UBSグローバル・アセット・マネジメント、アムンディ・ジャパン、等
- ●外資生損保系資産運用会社:
- アクサ・インベストメント・マネージャーズ、イーストスプリング・インベストメンツ、パインブリッジ・インベストメンツ、ピクテ投信投資顧問、プルデンシャル・インベストメント・マネジメント、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン、等
資産運用会社各社は、債券、内外株式、為替をはじめ、不動産、プライベートエクイティ、インフラ投資、ヘッジファンドなどのオルタナティブ(代替投資)、その他マルチ・アセットなど、幅広い資産クラスを投資対象とし、運用サービスを展開しています。投資信託ビジネスにおいては、個人投資家向けの投資信託の販売会社である国内証券会社をはじめ、銀行、ゆうちょ銀行・郵便局等の金融機関へ幅広い商品を提供しています。また、投資顧問業務では、公的・私的年金や政府・中央銀行などの公的資金、事業法人、銀行、生保等の機関投資家に対して、資産運用サービスを提供しています。以上のようなビジネスの性質上、外資系では投資信託ビジネスをRetail (Business)、投資顧問ビジネスをInstitutional(Business)と位置付けています。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |