意思決定者との信頼関係の提供

2012-05-16 執筆者:小倉 基弘

年末に04年よりお付き合いをさせていただいている、あるファンドの投資チームヘッドの方とランチを取りました。
その時にした会話です。
「今年、秋口に一人フロントの投資担当者を採用したけれども、その後、業務も順調に増えてきているのでもう一人取ろうと思っています」
実は弊社もそのファンドが秋口に採用活動をされていた時にお一人Aさんという方をご紹介させていただき、最終選考まで残りましたが次点でNGになってしまった、という経緯がありました。
そこで、「当時、次点でNGになったAさんはいかがですか?Aさんはまだ活動をされていますよ」とお話したところ、「えっ、そうなんですか?Aさんはその時入社したBさんとは甲乙つけ難かったのですが、その時点では採用枠が一人分しか無かった為、やむなくNGを出したんですよ」。

実際の採用業務ではすべてがデジタル的に明確に表現できる理由があって合格、不合格になっているのではなくて、上記のようになかには本当は評価が高かったのに何かしらの理由(比較、予算、フィーリング、その時点での社内構成等)があって結論が出ている場合があります。
私たちがその内容、経緯を採用の意思決定者から聞き出して把握できれば、何かしら次善の策を打てるかもしれません。
この場合のように、一度NGとなった人材を再度、採用プロセスに乗せることもできるのです。

まさに「アナログ」なのかもしれませんが、プロフェッショナル向けエージェントとして集合サイト、大手エージェントができないこと、やらないことを実行することが私たちの責務でもあり、一人の真剣にキャリアアップを考えている個人に対して貴重な機会を提供する為に私たちに何ができるかを常に考え実践してゆくことが大切だと考えています。

上記はそういったサービスの一例です。
こういったことが可能になるのは私たちが日々地道に構築している採用意思決定者との信頼のリレーションなのです。

Aさんはその後、再度採用プロセスに乗り内定を獲得されました。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。