ANTELOPEの起業動機

2007-03-30 執筆者:小倉 基弘

初回はANTELOPEの起業動機について話をしたいと思います。

何故、職業紹介事業、人材紹介事業を始めたのかは、私自身のキャリアの転機での思いに原因があります。

私にはキャリア上の転機が2回ありました。

1回目は28歳の時。大学卒業後勤務していた証券会社で転職を考えたときです。正確には独立を考えていました。しかし当時は情報が少なく、キャリアに関して相談する相手がほとんどいません。親も同僚も学生時代の友人も転職経験がなく「(転職なんか)止めたほうがいいんじゃないの。。。」程度のアドバイス。

2回目は35歳の時。独立して7年ほど経って、ビジネスが軌道に乗っていた時、もう一度だけ他のビジネスをしてみたいと考えた時期です。

この2回の転機において、自分のようにキャリアにこだわっている人に対して長期的な視点でキャリアデザインのサポートをしてくれるようなサービスはないものかと考えたのがきっかけです。確かに当時も職安や職業紹介会社はあり、私も利用しましたが、そこは求人案件を紹介してくれるだけの場所でした。自分の経験、成果、それによって得たスキル、そして自分のビジョンについて話し合いをして中長期的な視点で機会提供をしてくれるようなものではなかったのです。

もちろん、世の中、私のようにキャリアにこだわりを持っている人だけではなく、とにかくなんでも良いから仕事が欲しい人、別に相談になんか乗ってくれなくていいから手軽に早く情報が欲しい人などいろいろな人がいますから、おそらく当時あった企業はそういう方々のためのものだったのかもしれません。しかし90年代半ば以降、不況のため企業が個人にコミットしなくなり、また同時に個人も企業にコミットしなくなり、少しずつですが(会社ではなく)職業そのものにこだわりを持つ個人が増え始めてきたのです。

私はこういった人たち、ある一定の社会人経験があり、所属した企業でしっかりとした成果をあげ、キャリアにこだわりを持っている人たち、キャリアを通して自己実現をさせたいと願っている人たちにクオリティーの高いサービスを提供したいと考えこのANTELOPEを立ち上げました。

現在、日本の人材エージェントの業界はいろいろな意味で大変質が低い業界です。もちろん私たち自身もまだまだ、高い水準のサービスが提供できているわけではありません。ただ、5年後10年後にはこの業界が尊敬され、優秀な人材が集まるものになるよう、初心を常に忘れず、努力を続けていきたいと考えています。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。