仕事を通しての自己実現

2007-07-26 執筆者:小倉 基弘

1995年から2000年のどこかの時点で、日本の知識階級の職業に対する意識は大きな境界線を越えて変化をしてしまったのではないでしょうか。

戦後、長期にわたって経済成長が持続した結果、日本人は自己の成長と所属する会社の成長を同一のものと考えるようになり、現に多くの人たちが意識をしていたかは別にして「自己のキャリアは最初に所属した企業の中で定年退職するまで構築していく」、ということに疑問を持っていなかったと思われます。

ところが上記の境界線を越えた時点から日本人は会社ではなく職務そのものにこだわり、企業が提供する機会を通して自己実現を図っていく、という考えが主流を占めるようになってきたのです。

会社という概念は徐々に薄まってきているように思われます。

つまり「○○株式会社の私」ではなく「○○ができる能力を持った私」に変化しているのです。

現状の日本社会は先人たちの多大な努力により、ただ生きていくためだけに働くという社会から、人間の最上級の欲求である「自己実現」を求めて生きていける社会になっているのです。一方で多くの知識労働者が1日8時間以上、週に5日以上、年間200日以上を仕事に費やしているという事実もあります。

私たちはこの人生の多くの部分をしめる仕事を通し、自分の能力を高め、それによって社会に貢献することによって自己実現を達成することができるのではないでしょうか。

アンテロープとしても、この状況を認識しており、かつ向上心を持って自己実現を求めている個人に対し、質の高いサポートを提供していきたいと考えています。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。