Candidate First 再考

2007-12-30 執筆者:小倉 基弘

弊社では4半期ごと(3月、6月、9月、12月)にメンバー全員で短期、中期、長期のビジョンを共有するためにビジョンミーティングというものを行っています。

今回も12月21日(金)に07年度、第4四半期のビジョンミーティングを行いました。今回は来年度のビジョン以外に、本年度、各メンバーが体験した弊社のコアバリューである、Candidate Firstについて具体的な事例を話してもらいました。これは常日頃、社内で「Candidate First」というフレーズを私以下、各メンバーが口にはしていますが、本質的にどういうことが「Candidate First」なのかを共有し、再確認し、考えを深めてもらうことが目的だったのです。

どのような事例があがったかについては、以下のものがその一部です。

・キャンディデイトに新たな気づきを与える:

キャリアミーティングを通じ、本人の志向性、性格を確認し、コーチングにより当初希望していた職種以外に本人に相応しいポジションを提案し、最終的には前向きに受け入れてもらい、アプライ、内定、受諾となった。

・長期的なサポート:

当初よりすぐに転職活動に入るわけではない、というキャンディデイトに対しても長期的なスタンスでアドバイスを継続し、初回面談から3年後に紹介案件にて内定を獲得、受諾された。

・臨場感のある内部情報の提供:

キャンディデイトがよりリアルな内部情報を欲したため、そのポジションに以前弊社よりご紹介し、現在そこで働いている方にお願いし、内部情報のヒアリングの場を提供した。

・弊社経由でない場合でのサポート:

キャンディデイトが他社ルートで、ある企業のポジションを受けており、キャリアミーティングを通じて話を聞く限り、そのポジションについては弊社が他に提供できるポジションより本人にとって最適なものであると判断されたため、そのポジションの面接情報、企業の内部情報を提供し少しでも良い結果がでるようサポートをした。

・現職に留まるよう提言する:

比較的多くある事例ではあるが、キャンディデイトの経験、スキル、志向性、現在の状況を確認すると今が転職のタイミングではないと考えられることが良くあり、その場合は長期的な視点でその方のために現職に留まるようアドバイスをする。

・背中を押さない:

弊社経由でご紹介した案件で内定を獲得された場合でも、その案件以上に本人の長期的なキャリアデザインにとって良い案件で内定を獲得されている場合、それが自己ルートであろうと他社ルートであろうと、できる限り客観的に判断し、本人とって良い案件であると考えられるポジションで受諾するよう勧める。

もちろん以前お話したように、私たちはすべての方々にサービスを提供できているわけではないのですが、私たちが対応できうるキャンディデイトの方々には極力「Candidate First」を貫き、長期的な信頼関係を築いていくことにプライオリティーを置いていくべきなのです。

現状ではまだ「Candidate First」とはこれだ、というものが把握できているわけではありませんが、これからも上記のような事例をメンバーと共有し、私たちにとって何が「Candidate First」なのかを常に考えを深めていきたいと思います。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。