尊敬できるか

2008-05-28 執筆者:小倉 基弘

マスマーケット向けビジネスとは違い、私たちはマーケットをセグメントして、マーケットを選びながらビジネスを行っています。

私たちは顧客(キャンディデイト、クライアント)の成長に大きく貢献することで、私たち自身が成長し、やりがいを実感しています。

そのためにも、抽象的な表現ですが、優秀なキャンディデイト、卓越したクライアントに対してサービスを提供し続けていきたいと望んでいます。以前もお話しましたが、以下のようなキャンディデイト、クライアントにサービスを提供することには価値を見出していません。

・ポリシーの無い転職を繰り返している人。

・所属している(いた)組織で充分なパフォーマンスを発揮していない人。

・所属している(いた)組織に対するネガティブ事由により転職を考えている人。

・求人情報のみの取得をエージェントに求めている人。

・エージェントとの信頼関係を構築しようとしない人。

・目先のことにこだわり、中長期のキャリアビジョンを構築しようとしない人。

・業績が良く、成長していようとも就業環境が悪く人が定着しない企業。

・個人の成長のための機会提供をしない企業。

・個人の成長よりも企業の成長を優先的に考えている企業。

・所属していても誇りを持てない企業。

そして、以上を含めて敢えてわかりやすい一言で顧客の基準を表現すると、
顧客が「尊敬できるのか」ということです。

私たちが今サービスを提供しようとしている顧客は「尊敬できるのか」ということです。

学歴が良く、優良な企業に所属している方でも不誠実なキャンディデイトは尊敬できません。でも「経歴がいいからどこかに決まるだろう」という気持ちで仕事をしてしまったらどうなるのでしょうか。

メディアによく登場していて、急成長している企業でも、職場環境が悪く、人が定着しない企業であれば尊敬に値しません。でも「沢山人をとってくれるから紹介しよう」という安易な気持ちで仕事をしてしまったらどうなるのでしょうか。

このようなスタンスで職務を行っても、私たちにとって何の成長にもなりません。このような姿勢で仕事を行っていれば私たち自身が卑屈になるだけです。

尊敬できるキャンディデイト、誠実で、努力を怠らず、しっかりと企業にコミットしてパフォーマンスを発揮している人に対してであれば、出来る限り、相手の期待以上のサービス、情報を提供しようと努力をするでしょう。

尊敬できるクライアント、無名でも高いクオリティーのサービスを提供しており、社員が誇りを持って働いているような企業に対してであれば、同様に出来る限り優秀な人材をご紹介すべく努力をするはずです。

尊敬できる顧客に、期待を超えるサービスを提供しようと努力する時、私たちは大きく成長できるのです。

本当の顧客は誰なのかを常に考えて仕事をしていくことは大切です。

もちろん私たち自身が尊敬されるに値する仕事をしているか、日々、自省し、努力していくことがこの前提にあることは言うまでもありません。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。