転職をすべきでないタイミング

2009-10-26 執筆者:小倉 基弘

多くの方の転職相談をしていると、時々、「この方は今転職のタイミングではないな。」と感じることがあります。

転職にも当然、いいタイミングと悪いタイミングがあるのですが、悪いタイミングは共通した幾つかの状態があり、それを克服することが良い転職に繋がるようです。

転職すべきではない時期は、その組織にコンプライアンス上問題があるか、破綻した場合を除いたとして以下のようなものです。

①所属している組織でパフォーマンスが発揮できていない。
②組織内で評価されていない。
③組織内での人間関係がうまくいっていない。
④短期的にも長期的にもキャリアビジョンがはっきりしていない。
⑤組織へのコミットメントが3年以内。

 ①、②、③はこの時点で転職をしても、相当の確率で次の組織でも同じことが起きる可能性が高いのです。①、②、③を現状の組織で克服することが自分の成長にもなり、次の組織での活躍にも繋がります。
 ④の状態ではそもそも転職そのものが無駄な行為になります。
⑤は組織へのコミットメントが短かければ、真の意味でのパフォーマンスはあがっておらず、組織内での評価も得られていないものです。転職活動をしていても企業側からは、面と向かっては言われないものの、組織にコミットしない人材だと評価されているものです。

転職によって自己を成長させてゆきたいのであれば、その時点での自己認識も重要になります。自己評価が甘い状態のままでは、現状逃避の転職になり、良い結果は得られないでしょう。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。