パフォーマンス

2008-07-31 執筆者:小倉 基弘

前回、アンテロープのコアバリューについて説明し、コアバリューが大きく以下の2つの軸で構成され、

・Candidate First

・Professionalism

さらにProfessionalismが以下の3つの項目から構成されていることをお話しました。

・他者への尊重

・パフォーマンス

・規律

今回はそのなかで、パフォーマンスについてお話をしたいと思います。

「道徳なき経済は犯罪である。経済なき道徳は寝言である」とは二宮尊徳の言葉です。

私なりに解釈させていただくと、前段は「道徳がない」ということは経済に限らず、それが「道徳なき政治」であろうと「道徳なき生活」であろうと人間にとって許されるものではありません。明白です。

後段については意見が分かれるかもしれませんが、企業という組織体で働く私たちにとっては重要なことです。

企業においては利益を計上できない組織は、社会的には無責任な組織になります。利益をあげられない組織は、社会に還元する税金も納められず、雇用もできず、充分な給与も支払うことができません。

個人の経済活動においても、それが道徳的行為であろうと、緻密に練られた計画であろうと、念入りに検討されたプロジェクトであろうと、長時間の労働であろうと、正に経済性のない、パフォーマンスのない活動は「寝言」に過ぎないのです。

ここにおいて私たちは3つの人種に分類されます。

第一の分類は「道徳」も「経済」も追求しない人。これは問題外です。

第二の分類は「道徳」もしくは「経済」どちらかに偏って追及する人。「道徳」に偏るのであれば公共機関に従事するべきでしょう。「経済」に偏るのであれば、一時的には「稼げる」かもしれませんが、社会に害をもたらす可能性があり、長期的には社会から排除されることになるでしょう。

第三の分類は「道徳」も「経済」も同時に追求する人です。

Professionalは社会貢献と経済性追求を同時に達成できる人材です。外部条件がどんなに悪くても、この二律性が重なり合う部分を高い水準でクリアしていけるのです。もちろん考え抜かれた手法、工夫と地道な努力の積み重ねによって。

私たちはこの第三に分類される人材になれるよう努力を長期的に継続していかなければなりません。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。