CSとCF

2008-09-30 執筆者:小倉 基弘

当社のコアバリューであるCandidate First(CF)について再度、お話をさせていただきます。

事業を運営していく上で、Customer Satisfaction(CS)はあらゆる面での基礎になります。CSは経営上とても大切な概念であり、行動基準になります。しかし、今までアンテロープ内でCFコアバリューであるという話をする時、CFがこのCSと同義、もしくは混同して使用されていたように感じています。

Candidateに対して、相手の意向を汲み、丁寧、かつ親切に接することは私たちにとっても大変重要なことです。これは上記で言うCSの基本になります。

・Candidateへの一次対応を区別なく丁寧に行う。

・長期的な視点でコンサルティングを行い、今が転職のタイミングではないと感じられた場合に現職に留まるようにアドバイスをする。

・Candidateが複数社で内定を獲得した場合、客観的に見て当社経由で内定を得た企業より魅力的な企業の内定が他社ルートで取得されている場合にはそちらを優先するようアドバイスをする。

・Candidateが自己ルート、及び他社ルートである企業を受けており、客観的に見てそのポジションがCandidateにとって良いものであると判断された場合、当社から提供でき得るその企業のポジション情報、企業情報があればそれを提供しサポートする。

等、これらの行為はCSとして私たちのビジネスでは必要不可欠の基礎になる一方、CFそのものとは区分しておかなければいけないと考えています。

CFはこれらCSを前提として、その上位概念として成り立つ行動基準であるべきです。

Candidateに強くコミットし、長期的な視点でのアドバイス、業界・企業の深い情報提供、強い(企業との)リレーションの提供を行い最終的にキャリア上のバリューアップを実現させることになります。そしてそれは同時にアンテロープのパフォーマンスの向上とも軌を一にしていなければならないのです。

今まではCSもCFと同義に考えていましたが、CSはあくまでもCandidateとの信頼関係を構築する礎であり、CFのスタート地点なのです。

例えば、上記のようなCSでCandidateと強い信頼関係を構築し、その段階ではサポートできなかった場合でも3年後、5年後、長期的にお付合いをさせていただくことによってその方の志向性を理解し、最終的にキャリア上のステップアップをお手伝いする。

例えば他ルート(自己応募、他社応募)にてアプライしても面接にも至らないような場面で、その企業との信頼関係が構築されている当社経由でアプライすることによって、面接が実現し、最終的に内定を獲得する。

Candidateだけでは為しえないバリューアップが実現した時が、真のCandidate Firstが成立した時なのです。そして、その時にこそアンテロープの存在意義が認識されるのです。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。