女36歳からでもキャリアは作れる

先日、04年の3月に弊社のご紹介で就職が決まられた方から連絡をいただきました。

ご自身のキャリアについての本を出版されるとのことです。

「女36歳からでもキャリアは作れる」という題名です。表題に「キャリア」がついていたので職業柄、興味を持って拝読させていただきましたが、キャリア本というよりは波乱万丈の人生の物語でした。

その方と初めてお会いしたのは03年11月頃だったと思います。

翌年に転職が決まられて、その後今に至るまで年に1～2回ほどメールでコミュニケーションを続けさせていただきました。毎回、しっかりとご返信をいただき、その時々のお仕事の様子も細かくご報告いただきました。昨年いただいたメールではご自身が綴られているブログのアドレスを教えていただき、そちらも拝読させていただきましたが、読むにつれて、私がそれまでその方をイメージしていたのとは違うお人柄が見えてくるようになりました。

あたりまえかもしれませんが、1時間程度の面接やその後の電話、メール等でコミュニケーションをとっているだけではその方のほんの一部分しかわかることができないということが嫌と言うほど理解できた瞬間でした。今回の本では更にその方の人生そのものが詳細に語られており、その思いがさらに強くなりました。

その本を読んで感じたのは、転職をするという行為は一人の人間が人生の中で多くのことを経験し、観て、聞いて、感じて、いろいろな思いを胸に抱き、旅のように永い道のりの途上で、何かの縁で私たちのところに立ち寄り、これからどのような方向に行ったら良いのか、道を聞いているようなものかもしれない、ということです。

聞く方とすると、誰に聞くかによっては大変重要な分水嶺になりそうです。

聞かれる方とすると、出来る限り良い方角に向かっている道を教えてあげたいと願いますが、今その実力があるかは自信がありません。しっかりと個人を理解した上で職業上の機会提供ができるのが理想なのかもしれませんが、それが一層難しく感じられます。ただ、私たちは努力を継続して少しでも良い方角が示せるようになることが必要です。

ご縁をいただいて5年の月日が経ちましたが、改めてこの仕事が繊細で重要なものであると認識させられました。

また同時に、自分自身が一人の人生の中で小さいながらも大切な機会提供者として介在できていることを有難く思っています。