チームで仕事をする重要性

2011-10-31 執筆者:小倉 基弘

人材エージェント業界の95%は10名以下の小規模事業所です。一人オフィスの事業所も相当数あり、この仕事が個人でも行えることを示しています。また、規模の問題だけではなく、給与制度が一般的にインセンティブ部分の比率が高い等の問題があり、この業界は組織に属していたとしても個人主義的な動きをする方が多いと思われます。

ただ個人で動いているよりも本質的にチーム、組織としてビジネスを行っていく方が、そのクライアントの方々(私たちの場合は個人と企業)に対してより良い情報、サービスを提供でき、かつそこで働く人々にとってもビジネスパーソンとして成長する機会が多くなるのではないかと考えています。

チーム、組織として活動するメリットは以下のようなものがあります。

・個々のメンバーが取得したクライアント情報・キャンディデイト情報を共有することによって提供するサービス、アドバイスの質を高めることができる。

・個々のメンバーの経験、知識、考えを融合することによって新しいサービスを考え出し、業務を効率化してレスポンスを早くすることができる。

・個々のメンバーがクライアントから良い評価を得ることによって、それが積み重なり組織として市場において広範囲に良いイメージを形成しマーケティング上のメリットを得られる。

・文書化されたクライアント情報、テンプレート化された自社アピールのツール等共同で作成、使用することにより効率的なマーケティングを行うことができる。

・コンサルタント、アシスタント、マーケッター、IT、マネジメントと業務分担することによって効率的にサービスを提供できるようになる。

・日々の業務の中で他のメンバーが持っている専門知識、スキルを学ぶことができる。

・業務上の難しい問題(ex.トラブル、重要なプレゼン)が発生した時にサポートを得ることができる。

・チームメンバー、新入社員をサポートすることによって自分自身の知識、スキルを高めることができる。

・お互いを尊重する精神を持ち、かつ高い目標を持った人々が集まることによって日々充実感を持って仕事に取組むことができる。

・チーム内でコミュニケーションを取ることによって日々のモチベーションを保つことができる。

・一時的な体調不良時、また休暇を取得する時も業務が滞らない。

参入障壁が低い業界であるがために、いろいろな形態の人材エージェントが存在することは良いことなのかもしれませんが、クオリティーと信頼性の高いサービスを多くの方に提供できるようになるにはある一定規模以上の組織が必要なのではないかと考えています。

「成果をあげて社会に貢献する機会が豊富に存在するのは組織だけ」とはドラッカーの言葉ですが、組織のメリットを認識しつつ、アンテロープも社会に貢献できうるある一定以上の組織に成長させていきたいと願っています。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。