Stay Hungry. Stay Foolish.

2011-12-31 執筆者:小倉 基弘

今年(2011年)56歳で亡くなったスティーブ・ジョブズが05年6月に行ったスタンフォード大学卒業式でのスピーチについて、多くの方がBlog等でコメントをされていますが、このスピーチは私たちアンテロープの経営理念である「自己実現のための機会提供を行い人々の人生を充実させる」ということについて、多くの示唆に富んだ内容が含まれていますので私自身の心に刻み込むために自分なりにまとめてみます。

(スピーチの抜粋は右記よりhttp://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html)

スピーチでは以下の3つの重要な人生訓を卒業生に贈っています。

connecting the dots

love and loss

death

connecting the dotsについて

You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

今行っていること、習得していることが将来どのように役にたつのか、将来どのように発展してゆくのかということは誰にもわからないものです。学生時代に勉強していた時、また社会人になって懸命に働いていた時、また現在も。そのため、その(将来役に立たないかもしれないという)不安から全力をつくさない人と、その時々の機会に懸命に何かに取組み結果を出していく人とは将来、とてつもない差がつくことになります。自分自身が今までに得た知識、スキル、経験をつなぎ合わせて点を線、そして面にすることによって新たな成果をあげることができるようになります。釈迦の言葉に因果倶時というものがあります。原因と結果は必ず一致する。現在の一瞬一瞬何をするか(原因)、それが将来の自分(結果)を決めていくということは事実であり、しっかりと胸に刻み込まなければいけない。ジョブズのこのスピーチの後にiPhone、iPadが発売されているが、まさにconnecting the dotsの成果なのでしょう。

love and lossについて

I'm pretty sure none of this would have happened if I hadn't been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life hits you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle.

最悪の事態が起こっても信念を失わずに信じた仕事を行っていくことは大切です。そうしてその最悪の事態が、実は後から思い返せば最高の機会であったことがわかるのです。私たちの仕事はプロフェッシナル向けのキャリアデザインサポートですが、私自身仕事をしていく上でも、また日々キャリアデザインについてアドバイスをする時もジョブズの「偉大なことをやり抜くただ一つの方法は仕事を愛すること」「好きなことが見つからないなら立ち止まらずに探し続けること」という言葉は、シンプルですが非常に有益な意味を持ちます。今後、いろいろな厳しい事態が発生するかもしれませんが、どんな時も自分を信じてこのプロフェッシナル向けエージェント業務を多くの人のキャリア構築に真に役に立つサービスにしていきます。

Deathについて

Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything — all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

今日が人生最後の日であると考えて生きることは、最高のパフォーマンスを発揮するための一つの重要なツールなのです。人間は死に直面した時には本当に重要なことだけを行う。膵臓がんであると診断されたことによってジョブズは真にこの意味を理解したのかもしれません。このスピーチは05年6月に行われています。その後07年6月にiPhoneが発売され、10年4月にiPadが発売されています。APPLEの株価は01年にiPodが発売されてから今年までで約50倍にもなっています。ジョブズは日々「死」を意識して貴重な時間を使っていたのだと思う。私もこの教訓を自分の人生に活かしていきます。

最後のThe Whole Earth Catalogの言葉は上記を総括した言葉なのでしょう。

Stay Hungry.

人生は一度しかないのだから貪欲に成長しなさい。何かを生み出して社会を変えてみなさい。

Stay Foolish.

そのためには常識に囚われず、周りの人から非難されても信じていることをやり続けなさい。

今日は2011年最後の日です。未来はどうなるかわかりませんが、今行っている一瞬一瞬が未来に繋がると信じて一日、一時間、一分、一秒を大事に生きていきたいと思います。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。