I am the master of my fate.

古い映画（2009年公開）ですが、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領、また就任時期の1995年に行われたラグビーW杯で南アフリカ共和国が優勝した事をベースとして描かれている「インビクタス」という作品を観ました。

ネルソン・マンデラ氏は1962年43歳の時に政治犯として逮捕され、以後1990年2月に釈放されるまで28年弱刑務所に収容されていました。釈放された時は既に70歳を越えていたそうです。そしてその後、1994年から1999年まで南アフリカ共和国の第8代大統領となっています。

映画はラグビーW杯をストーリーの軸として話を進めていますが、私が50歳を越えてきたからもしれませんが、永きにわたって不遇の時を過ごしながらも、希望を捨てず、多くの人があきらめるであろう年齢になっても偉業を達成する人、マンデラの生き方そのものに心を動かされました。

表題の

I am the master of my fate.

と、それに続く

I am the captain of my soul.

というのは、映画の題名にも使われているウィルアム・アーネスト・ヘンリーが書いた詩「INVICTUS」の最後の2文です。獄中生活を送っていたマンデラの心の支えとなっていたそうです。

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ

物理的に拘束されていようと状況がどのように苛酷であろうと「運命は自分自身が決めるものであること」「人間は持てる以上の力を発揮できること」をマンデラはこの詩からインスピレーションを得て、身を持って模範を示しています。

人は合理的もしくは理屈で証明できるようなことによって偉大な成果をあげるのではなく、他者の偉大な成果からインスピレーションを得て更に偉大な成果を上げるものだと思います。

私もマンデラの上げた偉大な成果、またマンデラがインスピレーションを得た詩から何かを学びたいと思います。

以下に全文を掲載します。

INVICTUS - William Ernest Henley

Out of the night that covers me,

Black as the Pit from pole to pole,

I thank whatever gods may be

For my unconquerable soul.

In the fell clutch of circumstance

I have not winced nor cried aloud.

Under the bludgeonings of chance

My head is bloody, but unbowed.

Beyond this place of wrath and tears

Looms but the Horror of the shade,

And yet the menace of the years

Finds, and shall find, me unafraid.

It matters not how strait the gate,

How charged with punishments the scroll.

I am the master of my fate:

I am the captain of my soul.

インビクタス　ウィリアム・アーネスト・ヘンリー

私を覆う漆黒の夜

鉄格子にひそむ奈落の闇

私はあらゆる神に感謝する

我が魂が征服されぬことを

無惨な状況においてさえ

私はひるみも叫びもしなかった

運命に打ちのめされ

血を流しても

決して屈服はしない

激しい怒りと涙の彼方に

恐ろしい死が浮かび上がる

だが、長きにわたる脅しを受けてなお

私は何ひとつ恐れはしない

門がいかに狭かろうと

いかなる罰に苦しめられようと

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ