外資系と日系

2009-11-06 執筆者:小倉 基弘

以前外資系投資銀行で働かれており、現在、は日系の大手MAアドバイザリーファームで働かれている方からのお話です。

確かに良く聞くフレーズですが、外資系(特に米系)投資銀行では密度の濃い仕事をして成長できる、というのですが、では具体的に日系とは何が違うのでしょうか。

その方はご自身の経験から
・外資系(特に米系)は一人一人が収益責任、それに対する説明責任を重く担っている。つまり自分が担当している分野、商品、クライアントで例えば他の競争相手によってM&A、資金調達が行われたような記事が出た場合、またある一定期間での収益が低かった場合、社内で強烈な突き上げに遭います。
「何故取れなかったのか」
「どのような提案をクライアントにしていたのか」
「受注する為に他に出来ることはなかったのか」
「今から提案することはできなかったのか」
「今後のフォローはどうするのか」
「この穴埋めはどうするのか」
場合によっては、少しでも参入の余地があれば、プロジェクトチームが組まれ、24時間のうちに新しい提案書を作成することもあるそうです。
・日系は同様の記事が出た場合、その情報は社内に一斉メールで回覧されるのですが、その後にその企業担当者から「この1年2回ほど訪問したが、先方の担当者になかなか会えなかったし、この前電話で話したときはそんなこと言っていなかった。」というような内容のメールが廻ってきて、以上、おしまい。

さらに外資系は上記に加え、常にリストラのリスクと隣り合わせになっており、職務上、手抜きが出来ない雰囲気があり、一方、日系は雇用が守られている分、ぬるい雰囲気が漂っています。

その方もその日系ファームはとても文化が良く居心地も良いのだが、自分の能力が以前に比べてストレッチ出来ていないことに不安になるそうです。

どちらを選択するのか、難しい問題です。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。