ぎりぎりの情報

2009-12-10 執筆者:小倉 基弘

先日、外資系ファンドの日本代表と日系ファンドの代表の方とのミーティングをセッティングさせていただきました。

当然、お互い、業界の情報を多数お持ちです。
「どこのファンドからどこのファンドに誰々が転職した」
「○○のポートフォリオの状態はこんな感じ」
「今あそこのファンドは○○のソーシング案件にかかりきり」

さすがに業界内部情報にはお二人とも詳しく、私にとっては良い勉強になりました。

そして帰り際に、
「実は今、○○についてexclusiveで交渉しているのでが、興味ありますか?」と一言、相手に打診されたのです。
○○は有名な企業で確かに内容から推測するとバイアウト案件になりそうな状態です。未上場企業でしたのでいわゆるインサイダー取引の心配はありませんが、少しドキッとする瞬間です。

以前、同じような状況で、その時はあるファンドの投資先マネジメントをご紹介していましたが、ファンドの役員の方がそのマネジメント候補の方に向かって、「実は○○には既に買収提案が□□から入っているんですよ。」とおっしゃったのです。
□□は超優良企業で、そこが買収するなら○○の株価は急騰するであろうと思われました。
最終的に買収は実現しませんでしたが、こういった情報は非常にぎりぎりの内容を含んだものが多いことを感じます。
ファンド各社も大手金融機関同様に社内に細かいルールを築かないと知らぬ間にリスクにさらされてしまうのかもしれません。

代表取締役小倉 基弘 / Motohiro Ogura
【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。

【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。