クニエは、NTTデータの100%子会社の国産コンサルティングファームです。製造業のコンサルティングに強みがあり、NTTデータとの連携プロジェクトをはじめとして、国内製造業に対して生産ラインの効率化、生産管理、原価計算等のサポートを実施しています。新興国支援や観光業支援など、ほかのコンサルティングファームでは珍しい分野にも取り組んでいます。
ここでは、クニエへの転職を検討する際に役立つ、求められるスキルセットや年収例、選考フロー、面接対策のほか、転職に成功した人の人物像などについて解説します。
コンサルティング業界専門の転職エージェントだからこそお伝えできる情報を参考に、挑戦への一歩を踏み出してください。
<目次>
主な仕事内容:クニエ
就労環境:クニエ
年収例:クニエ
選考フロー・面接のポイント:クニエ
求められるスキルセット:クニエ
入社後に実現可能なキャリアパス:クニエ
転職に成功した人の人物像:クニエ
転職でエージェントに相談するメリット:クニエ
転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス:クニエ
企業プロフィール:クニエ
主な仕事内容:クニエ
クニエは、NTTデータの100%子会社です。NTTグループの中で製造業のコンサルティング領域に対応すべく、2009年にNTTデータビジネスコンサルティングとSIer企業であるザカティーコンサルティングが経営統合して誕生しました。
NTTデータ子会社のコンサルティング企業は2つあり、ひとつが「クニエ」、もうひとつが「NTTデータ経営研究所」です。クニエは主に製造業に対するコンサルティングが中心なのに対し、NTTデータ経営研究所は公共分野や金融分野が中心という違いがあります。
クニエが取り扱うのは、工場の生産ライン効率化、生産管理、原価計算など、製造業固有の課題解決が中心で、親会社のNTTデータと連携したプロジェクトも多いのが特徴です。ただ、完全に製造業に特化しているわけではなく、通信やハイテク、金融分野のコンサルティングも行っています。
コンサルティング領域で見た主な仕事内容
クニエはクライアントの課題に対し、解決案を提示するだけでなく、その実行および現場への定着まで一貫したサポートを行っています。コンサルティング領域としては、次のような27の分野のサービスを展開しています。
・経営戦略・事業戦略
全社戦略、組織戦略、財務戦略など、企業運営の根幹に関わる部分をサポートします。
・組織戦略・管理制度
経営戦略を合理的・効率的に実行するために欠かせない仕組み・規定づくり、およびその定着を支援します。
・ファイナンシャルマネジメント
EPM(連結会計・グループ経営管理)やKPI・KGIの策定、予算管理改革、原価計算改革などをサポートします。
・CRM(Customer Relationship Management)
あらゆる顧客接点における戦略立案・テクノロジーの充実を支援し、カスタマーエクスペリエンスの充実と強化を図ります。
・イノベーションアクセラレーター
具体的な事業の企画や課題解決をテーマにクライアントのイノベーション創出を支援し、イノベーションが起こりやすい環境づくりを進めます。
・マーケティング戦略
全体のマーケティング戦略の策定から、個々の戦略の提案・実行、マネジメントの最適化まで、包括的にサポートします。
・デジタルマーケティング
企業内の意識を統合し、あるべき顧客との接点を実現するためのデジタルマーケティング改革を行います。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
クライアント企業に適したデジタル変革実現を遂行します。
・デジタルラボ
ITをはじめとするテクノロジーを活用して新しい価値を生み出し、日本社会・企業の発展に役立てるための研究や提言、実践を行います。
・サービスデザインマネジメント
ビジネスの競争力を強化するために、製品やサービス、ビジネスモデルはもちろん、業務プロセスや組織・企業文化の変革も含めた戦略立案、実現をサポートします。
・SCM / S&OP
サプライチェーン全体の最適化を行うS&OP(セールスアンドオペレーションプランニング)の導入によって、次世代のSCM(サプライチェーン・マネジメント)を推進。グローバル化、変化への対応力向上、意思決定のスピード向上などを考慮して、サプライチェーンの変革を支援します。
・ロジスティクス改革
ロジスティクス(物流管理工程)戦略策定や、ロジスティクスIT導入など、さまざまなアプローチにより、企業に最適なロジスティクスの提案・実行支援を行います。
・調達購買改革
コスト削減はもちろん、最適なサプライヤー戦略の策定と実行、支出の見える化、サプライヤーリスクマネジメントなどを担当し、調達購買の最適化を図ります。
・生産改革
納入形式から生産体系、調達先を含めたバリューチェーン全体を俯瞰した生産改革を、IoTやAIなどの新技術を活用して遂行します。
・PLM(Product Lifecycle Management)
各国向けに最適化された、製品の製造を可能にする製品ライフサイクル管理の提案・実行をサポートします。
・組織・人材ソリューション
組織・人材戦略のデザインや業務設計、ITインフラストラクチャーの構築などをシームレスに実行し、組織や人材の課題を解決します。
・ビジネス・トランスフォーメーション
労働生産性を向上させるために、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した業務改革支援サービスなどの導入を行い、企業のイノベーション力を高めています。
・エンタープライズ・ソリューション
ERP(基幹システム)導入、情報システムの構築など、企業の情報システムの変革を後押しし、グローバル展開支援を行います。
・ITマネジメント
CIO(Chief Information Officer)の活動を全面的に支援するIT戦略立案や、ITガバナンス構築サービス、組織変革、働き方改革推進サービスなどを提供しています。
・セキュリティマネジメント
CISO(Chief Information Security Officer)を支援し、サイバーセキュリティの強化や情報漏洩対策、情報セキュリティガバナンスの確立に取り組んでいます。
・インシデントリスクマネジメント
人的なアプローチと機械的なアプローチにより、企業活動におけるインシデント発生の抑制とクライシス化の防止を、ワンストップサービスで支援します。
・インフラストラクチャー&テクニカルサービス
ITインフラストラクチャーが抱える課題に対して、さまざまなソリューションを提供。企業に必要なIT環境・サービスの運用や、管理に必要な要素の最適化を図ります。
・地方創生/観光誘客
日本各地の観光に関する、さまざまな課題の解決を進めています。
・地方創生/農業再生
農業界の所得向上、生産性の向上、廃棄の減少など、日本各地の農業に関する課題解決を図ります。
・地方創生/都市経営
全国のさまざまな都市や地域の課題、ニーズに対してコンサルティングを行い、都市を維持・発展させていきます。
・地方創生/企業再生
中堅中小企業を中心に、企業が置かれている状況に合わせて、事業再生のサポートを行います。
・途上国ビジネス支援
途上国の課題と技術のマッチングを行い、途上国の課題解決を通じて、企業価値の向上に貢献しています。
コンサルティングサービスの対象業界
製造業界を中心に、下記のような幅広い業界の企業にコンサルティングサービスを提供しています。
・ハイテク
・組立製造業
・自動車・自動車部品
・プロセス
・消費財
・小売・流通
・通信・メディア
・サービス・公益
・ヘルスケア
・金融
・公共
就労環境:クニエ
クニエは採用数は比較的少ないですが、日系の企業らしく、人を育てることに力を入れている企業です。求職者の人間性が自社に適正かどうかを慎重に見極めた上で採用し、しっかりとコンサルタントとして育成する方針をとっています。
長く働いてくれる可能性を持った人材を採用する傾向があり、離職率が低いのも特徴です。
勤務時間・働き方
基本の勤務時間は9~18時で、裁量労働制を導入しています。社員の男女比率は7:3、離職率は10%未満、育休・産休復帰率は100%で、仕事を続けやすい環境といえます。
人事制度・スキルアップ研修制度
コンサルティング未経験者には新入社員と同等の研修が行われ、コンサルタントの基本スキルを学ぶことができます。キャリアのステージごとに行われるトレーニングや、マネージャー昇格時に「部下を育てる」スキルを磨くトレーニングなどが用意されており、海外研修に参加する機会もあります。
福利厚生
各種社会保険が完備されており、完全週休2日制、祝祭日、リフレッシュ休暇、各種有給休暇、年末年始休暇、創立記念日の休暇などがあります。
年収例:クニエ
クニエの年収は、職種と求められるスキル、経験に応じて決まりますので、目安となる金額は公表されていません。中途採用を募集している職種としては、例えば次のようなものがあります。
・新規事業コンサルタント(ビジネスデザイナー)
・新規事業コンサルタント(デジタルストラテジスト)
・セールス&マーケティングコンサルタント
・インダストリーコンサルタント(小売・流通業)
・インダストリーコンサルタント(公共・公益)
選考フロー・面接のポイント:クニエ
クニエの選考には、筆記試験に加え3回程度の面接があり、部署によっては与えられた課題に対して解決策を提案するケース面接があります。
面接でもっとも見られているのは、多くのコンサルティングファームと同様に論理的思考力の素養や課題解決力、コミュニケーション能力といったものです。コンサルティング関連書籍を読んだり、普段からテーマに対して自分の意見をまとめる習慣をつけたりするなど、コンサルタントに必要な能力を鍛えておくことがポイントになります。
求められるスキルセット:クニエ
求職者に求められるのは、一定以上のランクの大学を卒業した学歴と、金融やITベンダー、事業会社の経営企画部など、コンサルティングと相性のいい業務経験があること、そして論理的思考力やコミュニケーション能力など、コンサルタントに必須のスキルを持っていることの3つです。
製造業のコンサルティングが中心のファームなので、製造業の業務経験者、例えばメーカーで生産管理をしていたといった経験もアドバンテージとなり、理想的な候補者と判断される傾向があります。
なお、英語力は必須ではありません。ただクニエは、日本企業の優れた製造技術を海外に浸透させるという日系ファームには珍しい取り組みを行っており、そのような海外プロジェクトに参加すれば、高い英語力が必要になります。ただ、入社後に勉強するというスタンスでも大丈夫です。
入社後に実現可能なキャリアパス:クニエ
クニエのコンサルタント職は、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、ディレクター、マネージングディレクターの6つの職位に分かれています。各職位で求められる能力や人材像は定義されており、それに見合うパフォーマンスを発揮すればステップアップする仕組みです。
クニエでは、シニアマネージャーぐらいのポストに就くと自分のチームメンバーを募って独自ユニットを立ち上げることが奨励されています。新興国支援や観光業支援など、ほかのコンサルティングファームでは珍しいテーマのセクションがあるのはこのためで、コンサルタントが自身のやりたいテーマを追いかけやすい環境となっています。
転職に成功した人の人物像:クニエ
クニエは、NTTデータと連携したプロジェクトが多いため、どんどん外に営業していこうという雰囲気は強くないようです。1人のスターを育てるよりは、チームとして結果を出すことを重視する社風で、社員もマイルドな印象を抱かせる人が多いです。その雰囲気との合致は応募者にも求められているのか、転職に成功した人の人物像は、協調性に長けている傾向があります。
転職でエージェントに相談するメリット:クニエ
クニエは国産コンサルティングファームであり、社風や特徴は外資の総合コンサルティングファームとはかなり違っています。しかし、一般的な企業紹介を見ているだけでは、それらの違いはなかなか見えてきません。
その点、転職エージェントを利用すれば、各企業のポジションごとの細かな情報が得られるほか、社風や文化といったソフト面の情報も得られます。
転職エージェントのコンサルタントは、求職者の将来ビジョンや希望を聞いた上で、最適な企業、最適なポジションを紹介します。アンテロープキャリアコンサルティングでは、専任のコンサルタントが最適な求人案件を紹介するだけではなく、職務経歴書作成のアドバイスや面接のアドバイス、最新のマーケット情報、企業の詳細情報などをお伝えしています。
転職支援サービスのご登録、相談は無料ですので、ぜひご利用ください。
転職希望者にキャリアコンサルタントからアドバイス:クニエ
クニエは、国内の大手製造企業のコンサルティング案件が多いため、国内の製造業にコミットしたいと思っている人、日本企業のために働きたい人にはぴったりのファームです。
また、ある程度経験を積めば自身のチームを立ち上げることもできる環境ですから、コンサルタントとして自分の専門分野を作りたい人、新しいことにチャレンジしたい人にもおすすめです。
監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
企業プロフィール:クニエ
社名 |
株式会社クニエ |
所在地 |
東京都千代田区大手町2-3-2 大手町プレイスイーストタワー |
従業員数 |
900人 |
設立 |
2009年7月1日 |
特徴 |
クニエは、国内の大手製造業の課題解決をメインとする国産コンサルティングファーム。製造業のコンサルティングが中心で、通信やIT分野のコンサルティングを手掛けるチームもある。シニアマネージャークラスになると、自身が興味のある分野で新チームを立ち上げることが奨励されているため、地方再生や新興国支援、観光業支援など、多彩なプロジェクトが生まれているのが特徴。
採用の間口は広く、2~3年以上の実務経験と応募する職種相応のスキルがある人なら、コンサルティング未経験者でも採用の可能性は十分ある。クライアントは国内の製造業者が中心なので、日本企業にコミットしたい人におすすめのファーム。 |
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