コンサルティングファームでの面接対策を紹介
コンサルタントへの転職を希望する際、選考プロセスで他の業界と違う独自のポイントが「面接対策」です。
一般的な企業と同様に「なぜコンサルタントになりたいのか、なぜこのファームなのか」といった志望動機関連の質問があるのはもちろんですが、戦略系コンサルティングファームにおいてはディスカッション形式で行われる独特の「ケースインタビュー」という面接が行われます。ここでは、コンサルティングファームで採用面接を受けるうえでの対策について紹介していきます。
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通常企業の面接で聞かれるのと同様の質問はもちろんある
まず、先述している通りコンサルタントへの転職活動においても、なぜコンサルタントを目指したいのか、なぜこのコンサルティングファームを選ぶのか、などの志望動機から、自身についての強み・弱み、転職後にどのようなポジションを望むのか、どのようなアクションプランを用意しているか、という一般的な企業での面接で聞かれることも当然質問されます。
特に志望動機については、なぜコンサル業界なのか、なぜこのファームに応募したのか、入社後に何をしたいのか、また何ができるのかを明確に回答できるようしておく必要があります。
下記の「志望動機書の書き方」でもまとめていますが、同様の質問を面接時にされることも多いので、しっかりと回答できるよう準備しましょう。
リンク:コンサルタントへの転職|志望動機の書き方・ポイント、例文・NG例も紹介
コンサルティングファームの面接で見られるポイントは主に3点
面接時の質疑応答に関して、コンサルティングファーム側が重きをおいて見るポイントとして「コミュニケーション能力」、「論理的思考」、「ポテンシャル」の3点がチェックされます。
もちろん、これまでの経歴やスキルなども重要ですが、その3つのポイントについて説明します。
コミュニケーション能力
まずはコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力は、コンサルタントに求められるスキルの中でも、もっとも重要なもののひとつと言えるスキルですが、一般的な「初対面の人とも臆せず会話ができる」ことや「得手不得手なくどのようなタイプの人とも会話ができ、自分の意見を伝えることができる」ようなコミュニケーションスキルはもちろん、「会話から相手の考えや、意図・要望を正確に見抜き、くみ取れるかどうか」という能力も求められます。
面接においても、面接官がどのような意図でこの質問をしているのか、正確に捉えながら自身の意見を伝えることが必要です。
論理的思考
次にあげられるのは「論理的思考」、すなわちロジカルシンキングの素養があるか否かという点です。
上記のコミュニケーション能力に通ずる部分もありますが、質問に対して的外れな回答を長々と続けてしまったり、結論の見えない受け答えやエピソードを語っていては、コンサルタントとしての適性がないと判断されてしまいます。
受け答えに際しては「結論から述べる」、その後「理由を述べる」「具体例を伝える」という点は最低限意識すべきです。
コンサルタントとして、必要とされる「コミュニケーション能力」と「論理的思考」については、下記の「コンサルタントに必要なスキル」の記事でも深掘りして紹介しています。
リンク:コンサルタントに必要なスキルとは
ポテンシャル
上記2点のスキルが高ければ、自身が今までコンサルティング業務にかかわったことのない方であっても、ポテンシャルが高いという評価を受けることがあります。
専門的な知識やスキルがなくとも、コミュニケーション能力と論理的思考が高い次元にあり、過去の学歴・職歴から読み解けるバックグラウンドからポテンシャルの高さが伝わり、採用に至るというケースも決して少なくはありません。
コンサルティングファーム独特の面接「ケースインタビュー」とは
ケースインタビューとは、主に戦略系コンサルティングファームの選考過程で行われる、特定のビジネスシチュエーションを想定したディスカッション形式の面接です。
もちろん先述のように、コンサルティングファームの面接でも、志望動機や自分の強み弱みをどのように認識しているかといった通常の面接同様の質問もありますが、ここではケースインタビューにフォーカスしてご説明します。
コンサルティングファームでは、情報や時間が制限された中で、専門分野ではない業種やビジネス領域の複雑な問題に対して、合理的で実践的な回答を導くことが求められます。
しかし当然ながら、そうした職務に対する適性や能力は、その方の“学歴”や“職務経歴”からだけでは判断できません。そこで実際にディスカッションの場を設け、コンサルタントとしての素養を評価することが必要となるのです。「ケースインタビュー」は現実に行われるコンサルティング・プロジェクトの縮図であり、面接官はここで候補者の多くの資質をチェックすることになります。
コンサルティングファームの面接|ケースインタビュー事例紹介
ケースインタビューのテーマは、大きく分けると「ビジネスケース・ディスカッション」「市場規模、販売数等の論理的推察ディスカッション」という2つに集約されるといえます。
以下に、それぞれの事例を紹介していきます。
1.ビジネスケース・ディスカッション
提示されたビジネスケース、ビジネスイシューに関して、面接官とディスカッションを行います。
面接官の質問に対して、あなたの考えを伝え、その考えに対して面接官が様々な角度から論理性を確認するための質問をかぶせます。ビジネスケースの提示方法としては、口頭で簡略に説明を受ける場合と、数枚の資料を提示され10分程度でその資料を読み込む場合などがあります。
質問例
Q ある自動車用バッテリーのメーカーがマーケットシェアを低下させており、利益率も悪化している。この企業はどのようなアクションを行うべきか?(A.T.カーニーでのケースインタビュー事例)
Q クライアントである欧州の菓子メーカーが米国市場に高級商品ラインで参入しようとしている。このクライアントはそれを実行すべきか?(A.T.カーニーでのケースインタビュー事例)
Q ある投資家集団が4万人収容のコンサート会場を建設しようとしている。どのような要因について検討を行うことが必要か?(A.T.カーニーでのケースインタビュー事例)
Q あなたは、あなたが現在通っている大学の学長に昇進したところです。あなたが直面しているもっとも大きな挑戦は何だと思いますか?(ベイン・アンド・カンパニーでのケースインタビュー事例)
Q ピザ・チェーンの売上を大幅にUPさせるにはどうすれば良いか?
2.市場規模、販売数等の論理的推察ディスカッション
いわゆる「フェルミ推定」に近い、論理的思考を試されるディスカッションです。「日本に電柱は何本ある?」といった一見突飛な質問に対し、常識的に誰でも知っている具体的な事実から推論を組み立てて答えを導いていきます。出てきた答えの正確性というよりは、どのような角度から質問を分解するか、そこからどう仮説を構築しているかといった部分が見られます。
質問例
Q 大手家電メーカーが革新的なスマートフォンの発売を控えています。適正な価格を決定するにあたって、どう取り組みますか? どんな情報が欲しいと思いますか?(サイモン・クチャー&パートナースでのケースインタビュー事例)
Q 日本国内で年間に発行されるクレジットカードの枚数は?
Q 日本におけるネクタイの市場規模は?
Q 航空機エンジンのグローバルの市場規模は?
Q 日本のスノーボード人口は?
Q 都内にあるコンビニの数をどうやって数えるか5通り出してください。
ケースインタビュー対策|押さえておくべきポイントと心構え
戦略コンサルティングファームでの面接、ケースインタビューにおいての押さえておくべきポイント、心構えは以下5点です。
・思考のプロセスや合理性が評価されます。正解が求められる問題ではありませんので、リラックスし、自分の言葉で考えを伝えてください。
・考察を進めるための前提条件に不明な点があれば、面接官に質問してください。
・長い沈黙は避けた方がベターです。コミュニケーション力も評価の対象となっています。
・物知り度を評価する問題ではありません。難しい言葉で話すよりも、ビジネス一般用語で平易でわかりやすい言葉で話す人が好まれます。
・物怖せず発言してください。一方で、反論されてもムキにならず、建設的なディスカッションにすることを心がけましょう。
リンク:戦略コンサルファームのケース対策はやるべきか?
コンサルティングファームの最終面接|逆質問で押さえておきたいポイント
面接の最後には、企業側から「何か質問はありますか?」と逆質問をされることが多いです。そこで、逆質問の際に聞いておくべき事例と聞かないでおくべき事例、ポイントについて紹介します。
押さえておくべきポイントは2点
まずはじめに、逆質問でどのような質問をすべきか、押さえておくべきポイントを2点紹介します。
1つ目のポイントは「公開されていない情報で自分の意思決定に必要なこと」を質問することです。
面接を受けているファームを引き続き志望するのかどうかを決める上で必要な情報ではあるものの、事前のリサーチや面接での会話では分からないことを質問するようにしましょう。
そもそも自分のためになりますし、加えて目的を持った質問というのは、面接相手に自分がその仕事に就くことを真剣に考えているという印象も与えます。
2つ目のポイントは「面接担当者の個人的な考えや気持ち」についてです。
面接担当者がその会社での仕事をどう思っているのか、何をやりがいに感じているのか、といったような考えや気持ちなどを質問することもおすすめです。
目的としては大きく2つで、1つは実際その仕事に従事している人の目からはどう見えているのか、感じているのかを知り、他人の視点から自分が仕事をすることになった場合にどう感じるのか類推するためです。
もう1つは、関係構築です。面接の短い時間の中でも、事実情報の交換だけでなく考えや気持ちについて相手と意見を交わすと、関係がぐっと深まります。
リンク:面接の質疑応答で何を聞けば良い?
聞いておくべき質問事例
上記2点を踏まえて、聞いておくべき質問を例にまとめました。
質問事例1
Q 現職の経験を踏まえ、〇〇業界のクライアントに対し、△△のようなコンサルティングに携わりたいと考えていますが、プロジェクトメンバーのアサインに関しては、個人の希望などは反映されるのでしょうか?
自分自身の意気込みと、プロジェクトに割り当てられるメンバーがどのように選出されるかという非公開の踏み込んだ内容を質問し、明確に「私は御社でこのようなことをしていきたい」というアピールが可能です。
質問事例2
Q 御社の■■のプロジェクトについてのインタビュー記事を拝見させていただきました。もし私が携わっていた場合、△△が一番のポイントと捉えて、そこに対し▼▼のように進めていこうと考えますが、このプロジェクトに対してどのような意見をお持ちか聞かせていただけますか?
報道などでそのファームの実際のプロジェクトについて事前に知ることができるのであれば、その案件を引き合いに「自分であればどう考えるか」を具体的に述べ、面接を担当する方にもどのように考えているのかを聞き出すことができます。自身の情報収集力と意気込みを伝えるために、有効な質問です。
聞かないでおくべき質問事例
聞かないでおくべき質問としては、主に「ホームページなどを見ればわかるような情報」、「質問の意図がわからないもの」、「転職・就職に関しての意欲が低く感じる質問」などがあげられます。
もちろん「特にありません」なども意欲が感じられないため、避けるべき回答例といえます。
質問事例1
Q 御社には現在何名のコンサルタントがいらっしゃいますか?
Q 他のコンサルティングファームと御社との違いは何ですか?
このような質問は一般的にホームページなどを調べればすぐに出てくる質問です。
事前リサーチが不十分と判断され、本当にこの会社で働きたいのか? という疑問を抱かせるため避けるべきです。
質問事例2
Q 土日祝日は、きちんと休みたいと考えていますが、休日出勤はありますか?
近年はワークライフバランスを重視するファームが増えており、現実には就労環境は大きく改善されてきていますが、とはいえ貴重な逆質問の機会をこうした情報の取得にあてるという姿勢自体がコンサルタントになりたいという意欲を感じさせないため、あえて質問するメリットは少ないと言えます。
コンサルタントになるための面接は対策が重要
このようにコンサルタントになるための面接は、注意すべき点も多く対策を練る必要性があります。
特に未経験から戦略コンサルティングファームなどに転職を希望される場合は、事前にケース面接対策をしておくことが非常に重要です。
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監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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