日本サーチファンド

第1回:地方創生と経営者育成を実現するサーチファンドの取り組み

日本サーチファンド
相馬 千太郎 専務執行役員
PROFILE

2002年に大和証券エスエムビーシー(現大和証券)、2006年から日興シティグループ証券(現SMBC日興証券)にて、上場企業の資金調達やIPO、M&Aアドバイザリー等の投資銀行業務に従事。その後、国内大手銀行や政府系金融機関、大手証券会社のグループ企業において、一貫して日本企業へのプライベート・エクイティ投資を通じた成長支援に携わる。2025年1月から日本サーチファンドに参画。

目次
  1. -激化する投資競争のなかで見出したサーチファンドという選択肢
  2. -新しい経営者=サーチャーを育成するアクセラレーター型のモデル
  3. -現状を打破し地方企業の生産性を高めるための挑戦
現状を打破し地方企業の生産性を高めるための挑戦
すでに3地域でファンドが立ち上がっているとうかがいました。
相馬
南九州、北陸、北海道でファンドが立ち上がっており、2025年のうちに2地域を追加予定で、将来的には10地域まで広げていきたいと考えています。ファンドの数が増えればそれだけ管理が大変になるということはありますが、一方で地域ごとにカスタマイズが出来る小回りの利くファンドが作れるという利点もあります。また、キャリー制度も設計する予定ですので、うまく投資が出来た際にアップサイドが期待できるというのも、少人数で多くのファンドを運営することのひとつのメリットになるかもしれません。
先日、アメリカのサーチファンドを視察に行ったのですが、そちらでもやはり比較的少人数で運営している会社が多かったです。これがPEファンドだと、自前でバリューアップチームを抱えたりして人数が増えていく傾向があるのですが、サーチファンドではソーシングもバリューアップも基本的にはサーチャーの方が行うことになるので、GP自体がメンバーを手厚くそろえる必要はないと思っています。もちろんGPメンバーが何もしないわけではなくて、自前でソーシングも行いますしエグゼキューションの支援もするのですが、PEのように投資先に常駐で張り付いて手を動かす、というモデルではないということです。
そうお聞きすると、サーチファンドの成功のカギは何といってもサーチャーの方にかかっているんですね。
相馬
中堅・中小企業の経営では社長が右と言えば右、トップの影響力が非常に大きくなりますので、サーチャーがどういったバリューアップを出来るのかが一番のポイントになるのは間違いありません。我々もその領域の外部エキスパートをご紹介するような支援は出来ますが、最終的にはサーチャーが主役になって企業を再成長に導いていただくことになります。そのためには優秀なサーチャーに参画していただきたいわけですが、要件として必ずしもピカピカの経歴を求めるということではありません。投資銀行出身のM&Aスペシャリストというよりは、地方の中堅・中小企業の現実を受け入れてうまくコミュニケーションをとれる、それこそ社員の方と酒を酌み交わしながら気持ちをひとつに出来るようなマチュアな人間性を持った人の方がフィットするのではないかと思います。
サーチャーではなく御社のGPメンバーとしては、どんな人材を求めますか。
相馬
当社は地域特化型で立ち上げていますので、やはり地方の中堅・中小企業を元気にしたい、地方創生に関心が高い方というのが大前提としてあると思います。それと、サーチファンド自体がまだ世の中的にも新しい取り組みで型が確立されているわけではないですし、当社も設立されたばかりの若い会社なので、新しい道を切り開いていくベンチャーマインドをお持ちの方、いろいろとアイデアを出しながらトライ&エラーで走ることを厭わない方に来ていただきたいです。ファンドの立ち上げというのはそうそう経験できるものではないので、その意味ではキャリアの貴重なポートフォリオになるのではないでしょうか。
今後の展望について教えてください。
相馬
例えば100億のファンドを150億にするのは大変ですが、10億を15億にするのはそこまで難しくなくて、それが10個集まればそれなりの大きさになると考えています。案件の数自体は非常に多いので、どんどん投資を行っていって2号3号ファンドに繋げていきたいです。投資サイズやファンドサイズを大きくするというよりは、その地域内での投資実績の数を増やしていくということを目指す方が適しているマーケットだと思っています。
日本企業は生産性が低いと言われて久しいですが、確かに地方にはDXをはじめなかなか効率化に着手出来ていない会社が多いです。これまでカリスマオーナーが率いていたであろうそういう会社も、経営者が変わればいろいろなことを吸収して、例えば凝り固まっていた取引先を見直す機運が生まれるといったような変化も起こせると思いますし、そこに日本全体のビジネスチャンスがあるはずです。サーチファンドは現状を打破するひとつのソリューションになりうる、社会的意義の大きな仕事だと思っています。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。

※インタビュー内容、所属、タイトル等はすべて取材当時のものであり、現在と異なっている場合がございます。

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企業プロフィール

日本サーチファンド

経営者を目指す個人(サーチャー)が投資対象となる企業を探し出し、自ら承継先の経営に携わるというサーチファンドの枠組みを用いて、人材不足や後継者難に悩む地方の中堅・中小企業の再成長を支援する、日本M&Aセンターの100%子会社。すでに南九州、北陸、北海道でファンドが立ち上がっており、今後も対象地域を順次拡大していく。

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