HRガバナンス・リーダーズ　インタビュー特集第2回：大企業CEOの“かかりつけ医”を目指して

HRガバナンス・リーダーズ

西本優太　シニアコンサルタント

PROFILE

大学卒業後、新卒で三菱UFJ信託銀行に入社。法人融資や役員報酬コンサルティング業務を経験し、HRガバナンス・リーダーズの設立後に転籍。現在は指名・報酬ガバナンス部シニアコンサルタントとして、大企業を中心に役員報酬設計、指名・報酬委員会運営支援などを手掛けている。執筆論文に「2019年役員向け株式報酬制度の事例分析（取締役・監査役対象）」（資料版商事法務2020年1月号、共著）、「2020年経営者報酬制度の設計・開示状況の傾向と分析」（旬刊商事法務2249号、共著）、「国内外の最新潮流を踏まえた報酬ガバナンスの進むべき方向性」（旬刊商事法務2316号、共著）がある。

-顧客との信頼関係は銀行員時代よりも密に
-戦略策定から事務構築まで一貫した支援が可能
-最適な報酬制度に正解もゴールもない

戦略策定から事務構築まで一貫した支援が可能

基本的なプロジェクトの進め方について教えてください。

西本

マネージャーと担当者の2名1組体制が中心ですが、プロジェクトの大きさや工数によってアサインされる人数が増えることもあります。期間は短くて数カ月～半年、私が担当した中で長いものだと2年間以上ご支援した案件もあります。役員報酬であれば、事務局案の構築から始まり、役員あてのご報告や報酬委員会での審議、取締役会の決議や株主総会を経て、改定後の制度の導入…と実装までには何段階ものプロセスを丁寧にクリアしていく必要がありますので、すぐに出来上がるものではなく、各関係者との合意形成を図りながらプロジェクトを進めていくイメージです。
また、我々は親会社である信託銀行がプロダクトを持っていることから、事務フローまでしっかり構築が出来るところにプロジェクトの特徴があると思います。上流工程でコンセプトは作るけれど事務フローは丸投げ、ということはせず、戦略策定から事務構築まで一貫して支援させていただくことができるので、お客様にも安心感を持っていただいているのかなと思います。

これまで西本さんが手掛けた中で印象的な事例はありますか。

西本

長くお付き合いさせていただいているクライアントの中で、大手電機機器メーカーの株式報酬の改定支援を実施したプロジェクトが記憶に残っています。もともとコーポレート・ガバナンスに対して真摯に取り組んでいる優良企業なのですが、我々への期待も大きく、法・会計・税に関する事項やグローバルの動向など様々な観点からの質問対応や、先方社内関係者あての説明を私の方で担っておりました。無事に株式報酬の改定が完了し、プロジェクトが終了した後に、先方から「あなたがいたから乗り切れました」という趣旨のご丁寧なメールを頂戴し、非常にうれしかったです。
最近増えてきたプロジェクトとしては、グローバル株式報酬の導入に関するプロジェクトがあります。株式報酬を日本の役職員のみならず世界の役職員に交付することで、企業への帰属意識を高めることや、中期経営計画や長期ビジョンの達成に向けてグローバル一丸となって取り組んでいく機運を醸成することを目的に導入したい、と希望されるクライアントが最近増えてきている印象です。これまで国内では様々な制約があり、日本で上場している株式を海外の役職員に交付することが難しかったのですが、プロジェクトを通じて各種制約をクリアし、導入までに一貫してご支援するというケースが増えています。

最適な報酬制度に正解もゴールもない

企業プロフィール