Angel Bridge

第1回:VCとスタートアップ、ともに進む先にある“結晶”

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(写真右)河西 佑太郎 Angel Bridge代表パートナー (中)高野 六月 Heartseed取締役CFO (左)安井 季久央 Heartseed取締役COO
PROFILE

(河西)東京大学大学院農学系研究科修了。ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門に入社しM&Aアドバイザリー業務に携わった後、ベインキャピタルにてPE投資に従事。その後ユニゾン・キャピタルでの成長企業投資を経て、2015年にAngel Bridge設立。
(高野)早稲田大学政治学部政治学科卒業。三井物産に入社し、リスク管理、船舶営業などを手掛ける。中国駐在から帰国後に投資業務に携わるようになり、シリコンバレーの子会社にてVC業務も経験。その後欧州バイオテック等でCFOを歴任した後、2020年よりHeartseed取締役CFO。
(安井)東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。ベイン・アンド・カンパニーに入社し、戦略コンサルタントとして多数のプロジェクトに携わった後、ヤンセンファーマ、アッヴィと2社の外資系製薬会社にて事業開発やマーケティング等を手掛ける。2019年よりHeartseed取締役COO。

目次
  1. -大学医学部発のiPS細胞バイオベンチャーを立ち上げ
  2. -不安があるから動かない、それでは新しいものは生まれない
  3. -「この会社の成熟度であれば、自分はいらないのではないか」
  4. -乗り越えるべき壁が高いほど達成感がある
乗り越えるべき壁が高いほど達成感がある
高野さんご入社から約3年となりますが、これまでご苦労されたのはどんなところですか。
高野
過ぎたことを忘れてしまうタイプでもあるので、自分ではどちらかというと順調に来ていると思っています。とはいえ、苦労がなかったということではなくて、難しい局面はいくらでもあって、それでもそれを乗り越えてきたということです。ただ、日々悩みながら進めていることが結果的に非常に良いプロジェクトケースを産むことにつながっている会社なので、仕事の傍らでこまめに記録して、将来のCFO養成を見据えた研修資料も走りながら作って提供しています。経験値を共有することが組織力の強化に直結するというのは三井物産時代からの教えでもあり、3年間ずっとこだわって来ました。

安井
何だこれはと衝撃を受けることは毎日のようにありますが、それを何とかするのが仕事だと思っているので、私も楽しんでいますね。

河西
乗り越えなければいけない壁が高いほど達成感があるというのは、スタートアップの本質かなと思います。Angel Bridgeは株主なので応援団の立場ですが、壁を乗り越えることが出来れば同じようにうれしいですし、だからスタートアップは面白い、と思います。
いま応援団という言葉がありましたが、逆にスタートアップの立場としてVCに求めるサポートのあり方というのはいかがでしょうか。
高野
個人的な意見になりますが、どこまで遠くを見ているかというのは自分たちと河西さんではかなり違っていると思います。最終的なゴールはひとつでもそこまでの道筋は無数にあり、それを選ぶ時に自分が手元を見ていていいのか、もう少し先を見るべきなのかという時間軸の調整をさせてもらえる、というのが非常にありがたいです。河西さんとの会話を通じてカメラのピント調節をずっとしている、そして解像度が最大になった時にはじめて正しい判断が出来る、というような感覚ですね。

河西
高野さんからは褒めていただきましたが、株主として過去も含めて多くのスタートアップを見ているので、ベストプラクティスが積み上がりやすい仕事をしているというだけです。ただ、それをキャピタリストとして現場の執行サイドにしっかり共有することには価値があると思っていますので、今後も続けていこうと考えています。

安井
Novo Nordiskとのディールでも、実際には河西さんにかなりサポートしていただきました。ディールハンドリングの面はもちろんですが、私はずっと話していると熱くなるところがあるので、そういった点でもブレーキをかけてくださったり、作成した資料も相手の目線で分かりやすいかどうかチェックしていただいたりしましたね。
最後に、それぞれの立場からスタートアップに携わる上での面白さ、やりがいをお聞きできればと思います。
Angel Bridgeインタビューカット
高野
特にバイオテックで顕著ですが、自分自身とチームの努力が長い時間をかけて結晶のように結実していくのが面白いと思っています。短期間では結果は出ませんが、その時その時でやるべきことをやっていないと絶対に結晶にはなりません。そう考えると、自分のものとして、自分のリスクとしてビジネスに向き合うこと、手触り感をもって判断することが大切になりますし、それこそがスタートアップでのやりがいにつながるのではないでしょうか。

安井
大企業では他の部署の仕事を待つことが多いですが、スタートアップの経営では進むも進まないも自分次第。自分でハンドルを握りたかった私にとって、裁量が大きくて何があっても自己責任という今のスタイルは非常に合っていると感じます。それと、一緒に仕事をする社員の数は大企業より少なくても、お世話になる方はすごく多くて、私は最初の1年で500人以上の方々と名刺交換していました。徐々に会社の知名度も上がってきて、いろいろなところで「知っているよ」と声をかけていただく機会も増えてきましたし、非常に貴重な経験をさせていただいています。正直、給料なしでもいいと思うくらい、得ている経験が大きく日々充実しています。

河西
私は日本再興のカギはスタートアップにあると思っています。海外のようにスタートアップがもっと生まれてくればGDPはこれからも間違いなく伸ばせると思っていますし、特に大学には優れた技術がまだまだあるはずなので、それをしっかり事業化するだけでも日本は再び成長国になれるはずです。それを自らの手で執行するのも素晴らしく楽しいと思いますし、我々のようにVCとして有望なスタートアップを見つけて十分な資金と支援を組み合わせることでビジネスをバックアップしていくというのもまた楽しいと思います。これからの日本経済に大きなインパクトを出していく可能性があるという意味で、キャピタリストもまたやりがいのある仕事だと思っています。
本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

※インタビュー内容、所属、タイトル等はすべて取材当時のものであり、現在と異なっている場合がございます。

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企業プロフィール

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日本発のメガベンチャー創出をミッションに掲げる、2015年設立の独立系ハンズオン型ベンチャーキャピタル。投資対象はシード~アーリーステージのスタートアップで、特に大学発ベンチャー、ディープテック、ITサービスといったセクターに強みを持つ。ファンド総額は152億円で、すでに31社79億円の投資を実行している(2023年9月現在)。

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