GenerativeX

第1回:最先端の生成AIを極めた先にある「人間らしさ」

GenerativeX
桑原 茂雄 執行役員
PROFILE

京都大学経済学部を卒業後、1989年に東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)に入社。2015年からはビジネスプロセス改革部長として、業務改革を主導し、組織の効率化とデジタル化を推進。2017年には理事に就任し、グループ全体の戦略的な改革を担った。2018年からはイーデザイン損害保険の取締役社長に就任し、グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速。2025年よりGenerativeXに参画。

目次
  1. -35年間の変革人生から見えた「真の企業変革」への道筋
  2. -業界初の「1人3役」体制――分業の壁を破る革新的アプローチ
  3. -モノづくりを通じて実業により深く関わる新しいコンサルティング
35年間の変革人生から見えた「真の企業変革」への道筋
ChatGPTをはじめとする生成AIの進化が毎日のようにメディアを賑わせる一方、それを実際の業務に活用できている日本企業はまだまだ少ないのが実情です。その両者の架け橋となり、企業の生成AI活用を強力にサポートしているのが今回ご紹介するGenerativeXです。日本を代表する大手損保会社で数々のDX改革を実現した後に同社に参画された、執行役員の桑原様にお話を伺いました。
ご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。
桑原
大学を卒業して、平成元年に東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険株式会社、以下、東京海上)に入りました。それから約35年間、東京海上にずっと籍を置いていて、最後の7年間はグループ会社のイーデザイン損害保険株式会社(以下、イーデザイン損保)で社長を務めましたが、私が行ってきたのは一貫して変革や改革でした。
当時の東京海上は、商品がどんどん増えていくにつれて事務作業も煩雑になっていき、社内で「疲弊感」という嫌な言葉が蔓延するような状況でした。個々の問題をパッチワーク的に改善していっても埒が明かない、それなら根こそぎ作り替えようということで、商品・事務・システムの抜本改革を断行しました。
このときの体験が私にとって非常に大きな意味を持っています。トップも現場の担当者も、みんなが一丸となって「変革するぞ」という気持ちで取り組んだ結果、それが会社の真のパワーとなり、変革を実現する原動力になったんです。
その後、米・ニューヨーク支店のシステム再構築プロジェクトでも、現地のメンバーと一緒になって「変わってやろう」という姿勢で臨み、帰国後にもビジネスプロセス改革部長として業務改革に携わりました。イーデザイン損保でも商品を作り変え、システムを作り変え、あらゆるものを刷新して革新的な自動車保険「&e(アンディー)」を立ち上げました。
もう社内の変革は「やり尽くした」と思えるころに60歳を迎えて、次のキャリアを考えるようになりました。このまま保険業界に残るという選択肢もありましたが、私はそうではなく業界を超えて日本の大企業ひとつひとつに変革を起こし、もっと元気になってほしい。日本の大企業が元気にならない限り、日本の経済は良くならない。そういう仕事がしたいと考えていました。
次のフィールドにGenerativeXを選ばれた理由について教えてください。
桑原
すぐに思いつくのはコンサルティングファームに入って企業の変革を支援するというアプローチでした。私のキャリアからすると、それが一番確実なパターンだと考えたんです。ただ、それでは面白くないなと思ってしまいまして。コンサルティングはコンサルティングまでなので、企業の中に入り込めない。もっと中に入り込みたいと考えているときに、転職エージェントの方から「キャリアにぴったりの会社がある」と紹介されたのがGenerativeXでした。
実を言うと、GenerativeXが保険を作りたいという話があったので、最初は「また保険か」と思ってしまって、一度お断りしたんです。ところが、保険以外の本業の方でというお話をいただき、代表の荒木さんと面談することになりました。
荒木さんと初めてお会いしたときのことをよく覚えているんですが、いきなりホワイトボードに色々書き始めるんですよ。「生成AIの進化は大変なことになっている。これを本当に真剣に追いかけている会社はうちだけだ。この進化がビジネスに本当に役立つということを知っている人は本当にいない」と。そして「我々はそれをちゃんと具体的なもので示して、企業を変革していきたいんだ」と熱く語っていて、私がやりたいことと全く同じだったんです。
キャラクターはまったく違います。彼は東大出身のエリートで、年齢も私の半分くらいです。でも考えていること、思っていることがすごく似ているなと感じました。荒木さんが選考の最後におっしゃった言葉もすごく印象的で、「やっぱり変態は変態を呼ぶんですね」と言うんですよ。「俺、変態か?」と思いましたが、恐らく類は友を呼ぶみたいなニュアンスだったんだと思います。これはとても良い化学反応ができると確信して、わくわくしました。
「生成AIで大企業を変革する」というビジョン、それに惚れ込んで「ここしかない」と心を決めました。
企業変革を導くのが生成AIだと確信された、その背景をうかがえますか。
桑原
私自身が東京海上時代に、ディープラーニング系のAIプロジェクトに参画したことがあるんですが、当時は相当苦労しました。いろんな制約があり、実用化するには違うと思っていたんですが、ChatGPTが登場してきて、一皮剥けたというか、パラダイムが変わったと感じました。
この新しいパラダイムのもとでは、従来のようなハイレベルな戦略から入るアプローチ――つまり、企業の経営企画部門が一生懸命パワーポイントで「これが我々の生成AI戦略でございます」というプレゼンテーションをバージョン70ぐらいまで作り直すようなやり方では、企業変革は絶対にワークしないと思いました。なぜなら、そういうパワーポイントの資料を作るだけで3〜4カ月、下手したら半年から1年かかってしまう。そうこうしているうちに生成AI自体が進化してしまうんです。
逆に、生成AIのメリットはすぐにモノができる、モノが作れるということです。だからクイックに具体的なモノを作って、アジャイルにお客様に見てもらう。「これ効果あるじゃん」「これいいじゃん」と思ってもらえる接点を増やしていく。1つでも実物が目の前に出てくると「これだったらこういうプロジェクトもできるじゃん」「ああいうプロジェクトもできるじゃん」というふうに、どんどん草の根的に広がっていくと思うんです。
その草の根的に広がっていく姿を見るのって、めちゃくちゃ快感なんですよ。具体的なものでベネフィットを感じていただくビジネス部門がどんどん増えてくる。そうすると、みんな生成AIに対して正しい理解をしてくる。コンセプチュアルに生成AIについて語っていると、どうしてもハルシネーション(幻覚)がどうとか、いろいろ難しいことを言うんですが、実際触ってみたら、どこがリスクでどこにメリットがあるかも具体的にわかる。実物で理解すると、生成AI戦略というのはもっと具体的で生きたものになってくるんです。
最初に経営陣が全体戦略を策定してそれを個別案件に分解していくトラディショナルなコンサルティングではなく、生成AIを使って素早く具体的なモノを提示し、そこからイメージを膨らませていくというアプローチですね。
桑原
そうです。多くの大企業の方々は、生成AIを使えばこんなに短期間でアプリが作れるということをほとんどご存じないんです。それはみんな意図的に隠しているのかというぐらい知られていない。我々はそれを作ってみせることを今はビジネスにしていますが、本来であればお客様自身で作れるんですよ、ということを必ず言っています。
言い換えれば我々は、生成AIを民主化するための触媒になっているのかもしれません。これが早く民主化されないと、絶対にアメリカなどに負けてしまう。そういう危機感も持っています。

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企業プロフィール

GenerativeX

生成AIの力を最大限に引き出し、顧客のビジネスを革新的かつ競争力のあるものにすることをミッションに掲げ、技術とビジネスの両面からDXを支援しているテクノロジーコンサルティングファーム。2023年の創業以来、多くの大企業に向けて生成AIアプリ開発、技術支援などを提供している。

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