エー・アイ・キャピタル株式会社

第2回:プライベートアセットの可能性を広げる。AICが描く次の成長ステージ

エー・アイ・キャピタル株式会社
大西 かおる チーフ・インベストメント・オフィサー(“CIO”)、マネージング・ディレクター、インベストメント部門長
PROFILE

1996 年に日本生命相互会社に入社。同社ニューヨーク現地法人において日本生命グループのプライベート・エクイティ投資プログラムを立ち上げた後、運用関連部署を経て、ニッセイアセットマネジメント株式会社への投資機能の移管に伴い同社へ異動。同社にて金融投資部長、執行役員グローバルプロダクト本部長を歴任。2026 年 4 月エー・アイ・キャピタル入社。インベストメント部門を統括。

目次
  1. -PE投資の黎明期から20年以上にわたり携わる
  2. -周辺実務に触れたことが専門性を高める結果に
  3. -海外投資家や年金資金を日本のPEにつなぐ
周辺実務に触れたことが専門性を高める結果に
近年はセカンダリー投資への注目も高まっています。
大西
PE市場がここまで拡大してきた背景には、セカンダリー市場の発展があります。もともとPEは流動性の低いアセットクラスですが、セカンダリー投資が既存投資家に流動性や、これに関連するソリューションを提供することで市場全体の成長を支えてきました。
例えば、ファンドの満期が近づいているものの、まだ成長余地のある資産が残っているケースがあります。その際にセカンダリー投資家が資産を買い取ることで、既存投資家にはキャッシュが提供され、新しい投資家はさらなるアップサイドを追求できるようになります。投資家の流動性ニーズやGP側のニーズに応えるソリューションとして、今後もセカンダリー市場は拡大していくと思います。
国内でプライマリー投資とセカンダリー投資の両方に本格的に取り組んでいるプレーヤーは多くありません。そうした意味でも、AICが提供できるものの価値は大きいと考えています。
PE市場の発展とともにキャリアを築いてこられましたが、ご自身ではどのようなキャリア形成だったと思われますか。
大西
最初から、機関投資家として市場に資金提供することで、経済成長に貢献できるような運用の仕事をしたいという思いは一貫してありました。その中で価値創造を通じた企業の成長や、人々の生活を豊かにする革新的な技術の発展を支えるPE/VC投資という領域に出会い、その面白さに強く惹かれました。そこから専門性を深めていく一方で、オペレーションやストラクチャー構築など運用の周辺業務も幅広く経験してきました。
振り返ってみると、その幅広い経験が非常に役立っています。オルタナティブ投資は投資判断だけでは完結しません。商品設計やオペレーション、会計・税務やストラクチャリングなど多面的な知識が必要になります。専門性はもちろん重要ですが、自分の守備範囲を広げることも同じくらい大切だと思っています。
若い人たちには、自分の庭だけをきれいにするのではなく、全体を見てほしいとよく伝えています。目の前に落ちているボールがあれば、自分の担当外でも拾いにいく。その積み重ねが経験になりますし、信頼関係にもつながります。個々の役割を超えて、全体として最適な形を考えられる人ほど、結果的に成長していくと感じています。信頼とチャレンジは、私自身が大切にしてきた価値観ですね。
現在のAICの組織体制について教えてください。
大西
投資フロント組織は約25名です。外から見ていた時よりも、実際にはかなり大きな組織になっているという印象を持ちました。ここ数年で着実に拡大してきていますし、今は次の成長フェーズに入るタイミングだと思っています。
組織が大きくなると、人材育成やキャリアパス、組織運営の仕組みなども進化させていかなければなりません。これまで少人数で対応していたことを、より効率的かつ再現性のある形へ変えていく必要があります。そうした組織づくりも今後の重要なテーマだと考えています。
オルタナティブ投資はオペレーション負荷も大きい印象があります。
大西
その通りです。AICには約20名のファンド・オペレーション部門がありますが、オルタナティブ投資はフロントだけでは成立しません。PEファンドは投資して終わりではなく、10年以上にわたってキャピタルコールや分配金の管理、モニタリングなどが続きます。ファンドごとの個別性も非常に高いため、オペレーション機能がなければフロントも機能しません。まさにフロントとオペレーションの両輪で成り立っているビジネスだと思います。
AI活用が進む中で、オペレーション業務はどのように変わっていくと思われますか。
大西
変化は起こると思いますが、伝統的資産投資の世界よりは時間がかかるのではないでしょうか。オルタナティブ投資はファンドごとの個別性が非常に強く、最後の部分はどうしても人が判断しなければならないケースが多いんです。システム化や自動化が難しい領域も少なくありません。
もちろんAIによって効率化できる部分は増えていくと思いますし、我々も積極的に取り組んでいく必要があります。ただ、すべてが自動化される世界になるというより、人が担う部分とAIが担う部分が整理され、より高度に役割分担されていくイメージを持っています。

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企業プロフィール

エー・アイ・キャピタル株式会社

プライベート・エクイティをはじめとした低流動性オルタナティブ投資に特化した、国内有数の投資運用・助言会社。2002年に三菱商事と大同生命保険の出資により設立。当初は国内外のPEファンドに投資するファンド・オブ・ファンズの運用が中心だったが、近年はLPセカンダリー投資や、ファンド運用者(GP)との共同投資など、事業内容の幅を拡大している。2020年に三井住友銀行の連結子会社化。

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