エー・アイ・キャピタル株式会社

第3回:日本のPEセカンダリー投資市場を切り開く最前線の仕事

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安藤 寛章 マネージング・ディレクター、セカンダリー部門長、セカンダリー投資責任者
PROFILE

2009年に新卒で野村證券に入社。支店営業の後、投資銀行部門にて商社・ファイナンシャルスポンサー(PEファンド)セクターのカバレッジ業務に従事。その後、オルタナティブ投資の成長性に魅力を感じ三井物産オルタナティブインベストメンツ(現大和かんぽオルタナティブインベストメンツ)に転職。経験を積む中で、2021年エー・アイ・キャピタルに入社。現在はセカンダリー部門長兼投資責任者として部門及びチームをリードしている。

目次
  1. -営業経験を武器にセカンダリー投資の中枢へ
  2. -黎明期だからこそマーケットを自ら作る醍醐味がある
  3. -未成熟な環境を苦しみと捉えるか、楽しみと捉えるか
黎明期だからこそマーケットを自ら作る醍醐味がある
セカンダリー投資では、具体的にどのように案件を発掘しているのでしょうか。
安藤
日本では金融機関が主なLP投資家です。なので、メインのソーシング対象先は金融機関となります。全国の金融機関に足繫く通います。金融機関はリスク管理の観点からリスクアセットの保有額に一定の制限があります。また最近では金利上昇によって通常の融資業務へ資金を振り向けたいという金融機関が増え始めています。金融機関の潜在的なLP持分売却ニーズが高まっていると考えられます。その様なニーズを顕在化させるためにも、まずは我々の存在を知っていただき「ファンドに出資した持分を流動化できる」という選択肢があることをご理解いただく必要があります。そのため、全国の金融機関などへ直接足を運び、対面でお話しすることを大切にしています。
金利上昇といった市場環境も追い風になっているのですね。
安藤
そう思います。日本のセカンダリー市場について、金利上昇といった環境変化は追い風になると思います。セカンダリー市場は投資家へ流動性を提供する重要な役割を担っています。セカンダリー市場が発展するということは、LP投資家の流動性が高まるということですから、ひいては日本のPEのプライマリー市場の更なる発展に繋がると思います。日本のPEファンド業界のエコシステムの担い手としてセカンダリー市場は今後さらに存在感が高まっていくのではないかと考えています。
安藤さんが考えるセカンダリー投資に携わる魅力についてお聞かせください。
安藤
一番は、まだ日本に根差して本格的にセカンダリー投資へ取り組んでいるプレーヤーが非常に少ないことです。海外では成熟したマーケットですが、日本ではまだ黎明期です。業界プラクティスがありません。その分、自分たちでマーケットをつくっていける面白さがあります。
その中でAICならではの強みは、やはり長年ゲートキーパーとして培ってきたLP投資家及びGPとのネットワークです。AICはプライマリー投資を通じて、国内外のGPと長期のリレーションがあります。セカンダリー投資ではLP投資家が入れ替わることになりますので、GPとしても新しい投資家がどの様な投資家なのか、これは非常に重要です。その点、これまで築いてきた信頼関係があることで、GPの方より安心して受け入れていただけます。
また近年ではLP投資家からLP持分を取得する伝統的なセカンダリー投資、これをLP主導型のセカンダリー、LP-ledセカンダリーと呼びますが、それに加えて、GP主導によるいわゆるGP-ledセカンダリーについても、日本での潜在的なニーズが高まっていることを肌で感じています。
日本のセカンダリー市場は大きなポテンシャルを秘めているので非常に魅力的なマーケットだと思います。
案件ソーシングでは、人とのつながりも重要になりそうですね。
安藤
それは非常に重要です。私は業界の交流会にも積極的に参加しています。また逆に個人的に会社の同僚の有志と協力してGPとLP投資家を集めた交流会も開催しています。最初は40名程度の小規模な会でしたが、回を重ねるごとに参加者が増え、直近では200名近く集まるようになりました。こうした機会を通じて、お互いを知り、信頼関係を築くことが何より大切だと思っています。同様に金融機関への訪問も、できる限り対面でお会いするようにしています。オンラインでも情報交換はできますが、実際に会って話をすることで得られる情報や構築できる信頼関係は大きいと感じています
海外との接点も多いと伺っています。
安藤
はい。年に3~4回ほど海外へ出張しています。海外ではセカンダリー市場が非常に発達していて、ファンド持分の売買を仲介する仲介会社やファイナンシャルアドバイザー(FA)も数多く存在します。そうしたプレーヤーや海外のセカンダリーファンドマネージャーと定期的に情報交換をしています。現地で話を聞くことで、セカンダリー案件のソーシングや日本ではまだ取り組まれていない新しい手法等の投資アイデアを知ることができます。
海外での事例を日本へ持ち込むこともあるのでしょうか。
安藤
はい。海外での取引事例を参考に投資アイデアやソーシングのヒントになることが数多くあります。このように、海外で当たり前に行われていることを日本でも実現できないかと、日々考えながら新しい取り組みに挑戦するのは、この仕事の面白さの一つです。現在も海外のFAや同業他社と情報交換をしながら、日本市場で新しいスキームを実現できないかチャレンジしています。
まさに先ほど申し上げました、GP-ledセカンダリーは海外の事例やFAの話を参考にして、日本のGPへの提案活動を続けています。
英語を使う場面も多いのでしょうか。
安藤
割と機会はあると思います。やはり海外のセカンダリー市場は先行しているので、海外のセカンダリー関連の多様なプレーヤーから直接情報を取ることは非常に有意義です。海外出張時には積極的に現地の業界関係者とランチやディナーを取るようにしています。私の英語はとても流暢とはいえないのですが、相手と積極的にコミュニケーションを取ろうという姿勢が大切だと思います。
また、海外へ行く前には日本のPEマーケットについて整理した資料を準備しています。海外のプレーヤーは日本市場への関心が非常に高いです。日本の最新動向を伝えると非常に喜ばれます。そうした双方向の情報交換を積み重ねることで、新たなビジネスにつながることも少なくありません。

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企業プロフィール

エー・アイ・キャピタル株式会社

プライベート・エクイティをはじめとした低流動性オルタナティブ投資に特化した、国内有数の投資運用・助言会社。2002年に三菱商事と大同生命保険の出資により設立。当初は国内外のPEファンドに投資するファンド・オブ・ファンズの運用が中心だったが、近年はLPセカンダリー投資や、ファンド運用者(GP)との共同投資など、事業内容の幅を拡大している。2020年に三井住友銀行の連結子会社化。

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