A.T. カーニー

第1回:私がA.T. カーニーを選んだ3つの理由

A.T. カーニー
日本法人会長 梅澤 高明
PROFILE

A.T. カーニー株式会社会長 兼 A.T. カーニー 消費財・小売プラクティスのグローバルリーダー。 東京大学法学部卒業、マサチューセッツ工科大学経営学修士課程修了。日産自動車株式会社を経て、A.T. カーニー(ニューヨークオフィス)に入社。1999年より日本オフィス勤務。2007年に日本代表就任。2014年より日本法人会長 兼 消費財・小売プラクティスのグローバルリーダーに就任。

目次
  1. -米国の産業を裏側から見てみたかった
  2. -世界50以上のオフィスが、お互いに刺激し合う
  3. -日系の大企業を相手にした仕事が9割
  4. -やりたいことがある、だから拡大する
日系の大企業を相手にした仕事が9割
先般の日経新聞のコラム(2011年9月19日付「交遊抄」)でも語ってらっしゃいましたね。
梅澤
そうですね。食、ファッション、アニメやマンガ等のメディアコンテンツ、インバウンドの観光。こういうクリエイティビティや美意識を幹にした日本の“ソフトパワー”を、いかにして世界に発信し、どう日本にとってのビジネスにしていくか。こういうことを、国も支援していく形で、官民連携で盛り上げていこう、という戦略です。この「クール・ジャパン」戦略に関しては、2010年春に初期バージョンの立案のお手伝いをし、その後2010年11月から「クール・ジャパン官民有識者会議」という公的な議論の場を作りました。そこでは経産省に加えて、関連するさまざまな省庁、民間からも20人ほどに集まっていただきました。座長にお願いした資生堂名誉会長の福原(義春)さんのもとで、第一線のクリエーターや関連産業の経営者の方々が議論をし、2011年春に委員会としての提言を出しています。その活動は今も続いていて、アジア、北米、欧州などさまざまなターゲット国でパイロット事業を仕込んでいるというフェーズになります。
それからもう1つ。今年、大震災の後で始めた作業があります。これも日本全体の再成長、あるいは大震災からの復興という部分で我々のスキルとアスピレーションを生かせる場があるんじゃないか、と考えて、具体的な復興プロジェクトの提案をしました。現在は、福島県の西郷村と下郷町という2つの自治体がタッグを組むプロジェクトの裏方を務めさせていただいています。ここではまず、持続的な雇用を生む産業集積作りに取り組んでいます。さらにこの産業集積を、先端的な事業開発の場、世界市場を見据えた発信基地にしよう、という発想です。
この構想には2つの大きな幹があって、1つ目が「植物工場システムを使った農作困難地における次世代型農業」です。その2自治体があるところは福島第1原発から80キロ圏外で、現在でも放射線量は低いのですが、露地栽培の農作物を県外、ましてや海外に輸出することに障壁があるのは否めません。そこで、完全閉鎖型の植物工場を作って野菜をクリーンルームで栽培し、併設した物流拠点で加工して放射能フリーでパッキングした野菜を首都圏に出荷していく、ということを考えています。将来的にはそれを中国に出荷していく、ということもあるかもしれません。こんな植物工場を幹にした農業の集積というのがひとつ。
もう一方は、介護・福祉を中心にした集積です。西郷村にはすでに「太陽の国」という福島最大の福祉施設の集積があります。その周辺に、自立支援ロボット――いわゆる介護ロボットですね、この研究開発センターや介護士の養成学校を作ります。この養成学校には県内外の日本人に加えて、中国人あるいはそれ以外の東アジアの介護士を目指す方々にも来ていただいて、教育プラス研究開発の拠点にしようとしています。加えて、日本式介護をマスターした中国人を雇用する形で日本の福祉事業者が中国展開していく、という流れも起こそうとしています。このように、雇用を作るということと、その産業自体を高度化する事業開発を行うための産業集積を作るプロジェクトです。
お話を伺っていますと、A.T. カーニーというファームは日本に対する思い入れと言うんでしょうか、そういった意識が非常に強いように感じるのですが、これは梅澤さんが代表になってからの傾向なんでしょうか。
A.T. カーニー梅澤高明氏インタビューカット3
梅澤
それはここで働いているコンサルタント達が以前から共有していることだと思います。ただ「失われた10年」と言われていたのが「失われた20年」になり――これはもっと抜本的に日本の経済を仕立て直す必要がある、と考えるようにはなりました。我々は「グローバル超競争」という言い方をしていますが、ポテンシャルがある会社には本気で世界と戦ってもらって、グローバル超競争の勝ち組に残る企業を何社か作る、ということをしていかないと本当にこの国の経済は立ち行かないぞ、と。それから、今まで世界への発信が上手じゃなかった文化力の問題。ここの部分も増強していき、かつそのソフトパワーをエコノミックパワーに変えていきたい、というのが先程の「クール・ジャパン」戦略です。今は、ハードな意味でのエコノミックパワーと経済力にも転化しうるソフトパワー、この二本柱で日本の立ち位置をもう一度押し上げていくことが、本当に必要なタイミングです。我々が政府に対して働きかけたり、復興支援プロジェクトに関わったりしているのは、確かに比較的最近の話ではあります。でもこれは大きな時代の流れが求めているものかな、と考えています。

この企業で現在募集中のポジション情報

企業プロフィール

A.T. カーニー

1926年設立、米国シカゴに本拠を置くグローバルコンサルティングファームの草分け的存在。世界40カ国に59オフィスを擁し、従業員数は約3000人にのぼる。公式HPに掲載されているだけでも、30年代のUSスチール、創業前のフェデックス、統一後の旧東ドイツや東欧国営企業、2003年のFIFA日韓W杯など、業界や課題を問わず非常にスケールの大きなプロジェクトへコミットしてきた歴史があり、そのすべてのケースにおいてクライアントの成功と成長に寄与している。

当サイト内のA.T. カーニー 企業情報も、ぜひご覧ください。

関連記事

求人検索

絞り込み検索

業務内容

年収

こだわり条件

キャリアレベル

雇用形態

  • 金融機関/金融プロフェッショナル
    選択中
  • コンサルティングファーム
    選択中
  • スタートアップ/ベンチャー企業
    選択中
  • 事業会社(マネジメント/M&A関連)
    選択中
フリーワードから求人を探す