PwCアドバイザリー

第3回:再生チームは多くのプロフェッショナルを束ね導く指揮者

PwCアドバイザリー
小林 元太郎 パートナー
PROFILE

新卒で事業会社に3年半ほど勤めた後、米国のビジネススクールでMBAを取得し、2006年にPwCアドバイザリー合同会社へ入社。2013年から約2年間、PwC英国に出向し日系企業の経営戦略策定や事業撤退のサポートに携わる。帰国後は再生チームに異動し、さまざまな日系企業のグローバル再生案件に数多く関与している。

目次
  1. -不確実性が高まる中で苦境に立つ企業を支えるのがミッション
  2. -海外メンバーと深く連携して高難易度の案件を完遂
  3. -ハードスキルよりも経営者の悩みを言語化し寄り添えるかが大切
海外メンバーと深く連携して高難易度の案件を完遂
戦略部門と再生部門の違いについて、どのように理解されていますか。
小林
戦略と事業再生の大きな違いは、時間軸です。クライアントの抱えている課題に対するソリューションの期限が、大きく違うと思います。戦略はM&A戦略やクライアントご自身が設定されている期限の場合もあります。また、戦略策定の対象期間も5年や、中長期戦略ですと10年、30年後と長期に及ぶ場合もあり、そのような場合は「X年後にあるべき姿」からバックキャストしながら当面の戦略を立てていく、というようなアプローチでプロジェクトを進めていくことがあります。
一方、事業再生は短期的な時間軸で方向性を示していく案件が非常に多いです。例えば、ある会社の資金があと1年もたないということが明らかになった場合、本当に1年持つのか、この1年で何ができるのかということをスピーディーに見極めていきます。経営が危機に瀕している中、限られた時間で課題点を見つけ、ソリューションを提供しなければいけません。当然、その結果によるステークホルダーへの影響も大きいので、課題の深さと幅については、案件が始まったときから日々見極めていくことが重要となってきます。
国内とクロスボーダーで、案件の進め方に違いはありますか。
小林
海外と日本マーケットの商慣行の違いによって、案件の進め方に変化はあると思います。例えば、日本の「メインバンク」というような概念は海外、特に欧米には存在しません。日本では主力取引銀行としてその会社を支えるというカルチャーが残っていますが、海外では事業価値がないと判断すればすぐに株や債権を売却するというドライな判断をとる傾向が強いと思います。
もう1点挙げるとすると、日本と海外では会社法ひとつとってもレギュレーションが異なる点がいくつもあります。海外展開している日系企業に何らかの問題が生じた時、私たちは現地のPwCメンバーファームとも連携して現地のレギュレーションを確認して、それに準拠したアクションを取る必要があります。日本の規定で当然のことが海外では必ずしも当てはまらないということは、私たちが取り扱う案件を難しくする要素の1つです。
最近は海外ファンドの新たな日本参入が目立ってきていますが、そのようなファンドとの関わりはいかがでしょうか。
PwCアドバイザリー小林氏インタビューカット2
小林
私たちはこれまでも、事業再生に関わるディールで海外のファンドとご一緒することはよくありました。最近も海外で設立されているファンドが日本への新規参入を検討するケースが見られていますが、実際にディールや案件につながっていくのはこれからのステージだと思います。私自身も直近1~2年で日本拠点を設立予定というファンドの何社かとお会いしましたが、今後このような動きは加速していくと思いますし、PwCアドバイザリー全体としてもリレーション構築を増やしていくべきだと思っています。
ご自身がこれまでに担当した案件の中で、特に記憶に残っているものがあれば教えてください。
小林
すべての案件に思い入れはありますが、極めて難しいと言われるような複雑かつ大型案件にチャレンジして、メンバーが力合わせてしっかりクロージングさせることができたという観点では2つあります。
1つは、大きなリスクを抱えた大手メーカーの案件です。まずリスクの元となった事業の方向性をどのようにするかを決め、影響のない他事業をこの問題からどのように遮断するかを検討しました。多くのステークホルダーとの協議を重ね、日本と海外の法規制を踏まえてリーガルアドバイザーとスキームを組み、リスクオフとディールを完成させることに長い期間、集中していました。クライアントの日本と海外のマネジメントの方々と議論をすることや、クライアントのお客様と私たち自身が交渉をすることも多々あり、業務量の多い案件でしたが、最終的に解決に導くことができました。PwCアドバイザリーの事業再生チームが中心となって、他のプロフェッショナルファームともうまく連携した賜物だと思います。
2つ目も製造業のお客様の案件です。COVID-19と半導体ショックの影響でマーケットが著しく縮小した状況下に耐えられる財務状態ではなかったため、PwCアドバイザリーもサポートに入り最終的に法的スキームでクローズしたというものです。事業が多岐にわたっていたため、残す事業/残さない事業を徹底的に議論して決めていきましたし、マネジメント層が海外の方だったこともあり、日本と海外での再生のオプションとして何があるかを彼らに明示したうえで、対策方法の議論を進めていきました。
いずれについても、海外拠点のメンバーと深く連携してデリバリーができるPwCアドバイザリーだからこそ完遂しえた案件だったと思いますし、とてもやりがいを感じました。

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企業プロフィール

PwCアドバイザリー

戦略、財務、M&A・再生の高い専門性をもって、クライアントのビジョン実現のために、環境・社会貢献と事業成長の両立を経営の側面から支援。PwCグローバルネットワークと連携しながら、クライアントが社会における信頼を構築し、持続的な成長を実現できるよう、最適かつ高い業務品質のサービスを提供している。

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