(横山)慶應義塾大学経済学部卒。大学卒業後、国際協力機構(JICA)に入社。メキシコに留学し、駐在先のニカラグアでMBAを取得。主に中南米における貧困削減プロジェクトに従事。その後、ベイン・アンド・カンパニーに転職し、大企業の経営戦略策定やビジネスデューデリジェンスを多数手がける一方、ソーシャルインパクトチームの一員としてプロボノ活動の運営・実行にも携わる。2022年にプロボノで協働したSIPに参画。2024年に妻の米国留学に伴いSIP退職。
(今村)東京大学教養学部卒。大学卒業後、丸紅に入社。海外発電所の事業投資に従事し、入札・買収、資産管理、売却・撤退等を経験。その後、アクセンチュアに転職。新規事業戦略、組織改革、業務改革やDX、脱炭素等のプロジェクトに従事。2024年よりSIPに参画。
- -社会貢献にはビジネススキルが必須と考えコンサルへ
- -より良い社会を繋いだと子供たちに胸を張れるように
- -自分にとって本当に大事なものを考えてキャリアを築く
JICAでは、約9年勤務し、そのうち半分ほどを中南米諸国で過ごしました。3年半駐在したニカラグアは、中南米の中でも特に貧しい国で平均月収が2万円程度。ニカラグア革命の戦士でもあったオルテガ大統領は「21世紀の社会主義」を掲げ、左派色の強い政策を実行していました。他方で、外資誘致にも積極的であり、外資のスーパーマーケットやショッピングモールが街の風景に変化をもたらし、企業単体として最大規模の雇用を生んでいたのは日系企業の自動車部品メーカーである矢崎総業でした。日々カウンターパートである政府職員と話す中で、民間セクターをどう開発するか、企業の力をどう使って国を成長させていくかというニーズを強く感じました。その経験から「貧困削減×ビジネス」というテーマに興味を持ち、MBAも取得し、帰国後はJICA本部で日本のソーシャルビジネスの海外展開支援を担当しました。ところが、実際に業務を進めると自分自身にビジネスの知見が圧倒的に足りていないことを痛感し、一度深くビジネスの世界に触れる必要性を感じて外資系戦略コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーに転職することを決意しました。
ファーム入社後、企業価値最大化に向けた戦略立案やビジネスデューデリジェンスに取り組む一方で、社内のソーシャルインパクトチームに所属し、プロボノ活動としてNPOや社会的企業を対象とした無償プロジェクトにも参画していました。その中で出会ったのがSIPです。SIPの理念や活動内容を知るにつれ、これこそ、コンサルティングの知見を活かして次に自分が追求したいことだと思うようになり、ベインを卒業してSIPの常勤職員として新たなスタートを切りました。
数年経ち、商社で電力・海外という軸でキャリアを深めるか、MBAや転職などの別の道へ進むか、将来の選択肢を検討していました。その中で、大学時代の友人と話をする機会があり、社会的事業に携わりたいという思いが強くなりました。というのも大学では、ラクロス部に所属しつつ、多様な社会問題の現場に伺うフィールドワークを行うゼミに所属しており、当時の友人が社会貢献団体の代表や弁護士等になっていました。そんな彼らと話すうちに、昔から漠然と思っていた「次の世代のために良い形で社会を繋ぎたい」という思いが強くなり、実際に彼らといずれは関わって貢献できる仕事ができると良い、と考えるようになりました。当時、子供を授かったことも、こうした考えに影響を与えていたと思います。
その際、ビジネスキャリアに一歩目を選んだ自分だからこそ貢献できる道はないかと考えていました。商社で弁護士・公認会計士・業界専門家等のプロフェッショナルなアウトプットに支えていただきながら仕事をした経験から、自分自身もそうしたアウトプットを出せる知見・スキルを身に着けることが貢献につながるのではと考え、コンサルティング業界への転職を決めました。
転職先のアクセンチュアでは、最初はDX、その後、新規事業戦略策定や組織・業務改革、脱炭素関連等、幅広い経験を積ませていただきました。加えて、直属のマネジング・ディレクターが参加していた学者や経営者が集う勉強会にも事務局として参加させていただき、月次の勉強会や年一度の公開シンポジウムの企画・運営の中で、高い視座と広い視野を持ちつつも、極めて具体的な議論を尽くす経験を積ませていただきました。
そうした中で本当にひょんなタイミングで、転職エージェントの方と話をする機会がありました。転職を積極的に考えていた訳ではないのですが、上記の様なお話をする中でSIPと代表理事の鈴木を紹介いただきました。その際に社会に対する考え方や関わり方の方向性が似ていたこともあり、まずは個人的にプロボノとしてSIPと関わるようになり、しばらく経った2024年4月に職員としてSIPに参画するに至りました。
Ridiloverの抱える課題の一つは、組織の成長に伴い、既存の組織文化を維持しつつ深化させるための人事制度や人材育成の仕組みの構築でした。プロボノパートナーであるコンサルティングファームのEY Japan様のサポートを受け、「何」を実現するための人事制度なのかという目的設定の議論を丁寧に行いつつ支援しました。
一方、キズキは、事業が順調に拡大していく中で、3年後、5年後に自分たちがどうなっていたいのか、そこに向けてどのようなステップを踏むべきか、資金調達はどのように行うのかを描く支援を行いました。米系投資ファンドのカーライル様にもプロボノとして参画いただき、中期経営計画とそれに必要な資金調達などの資本政策について検討、策定しました。
プロボノパートナーとのプロジェクトは数カ月単位の短期集中で行うことが多いですが、SIPとしては経営支援を行うため、少なくとも週1回以上のペースで協働団体とコンタクトを取り、継続的に支援を行います。
協働中の1団体は意志ある若者が溢れる社会を目指す「地域・教育魅力化プラットフォーム」です。協働では、高校3年間を地域の特色ある高校へ越境進学する「地域みらい留学」の、留学生数増加のためのマーケティングと、高校数増加の営業に力点を置いています。前者では、プロボノパートナーであるベイン・アンド・カンパニー様との2カ月間の集中プロジェクトでの戦略立案や、広告・LP・ウェブサイト等の週次でのデータ解析と改善策の立案・実行といったPDCAの推進、役職者との1on1、団体内のSlackでの日々の議論を行っています。
もう1つの協働先団体は、未就学児を抱えるご家庭へ、研修を受けた地域の子育て経験者のボランティアが、計4~8回程度伺い、不安や悩みを傾聴する受容・共感の中で、親が自ら乗り越え前向きに子育てができるための支援を行う「ホームスタート・ジャパン」です。ここでも上記同様に、注力領域を定め、利用家庭数の増加と財務基盤の強化を行っています。前者では、全国120地域の拠点のうち、まずは数拠点と具体的に現状・課題を討議し、アプローチ先の整理、資料作成や営業のロールプレイング、その後のPDCAを月次サイクルで回すことから開始しました。現在はその活動を十数拠点に広げると共に、各拠点のデータ分析や好事例の整理を踏まえた実行施策の検討など、ホームスタートを必要とするご家庭に届けていくための仕掛けづくりを協議・推進しています。
この企業で現在募集中のポジション情報
企業プロフィール
一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ
2012年11月に日本初の本格的なベンチャー・フィランソロピー組織として設立。社会課題の解決を目指す「社会性」、革新的な解決策を生み出す「革新性」、持続可能な事業モデルとしての「事業性」を兼ね備えた社会的事業を厳選し、中長期的な資金提供と経営支援を行っている。社会的事業の成功によって社会的インパクトが最大化され、民間の資金や経営支援が循環する社会を実現することをミッションとして掲げている。
当サイト内の一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ 企業情報も、ぜひご覧ください。