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第1回:宇宙をビジネスの視点で捉える時代が来ている

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野崎順平 Jumpei Nozaki 取締役/CFO
PROFILE

2005年に東京大学文学部を卒業後、メリルリンチ日本証券に入社。主に自動車および石油セクターを担当し、M&Aや資金調達に関するアドバイザリー業務を行う。2017年にispaceに転じ、CFOとして資金調達等を手掛ける。

目次
  1. -夢やロマンでしか語れなかった宇宙がビジネスの対象に
  2. -資金調達した100億円はミッション2回分の金額
  3. -「野崎さんちのお父さんは、月の仕事をしているらしい」
夢やロマンでしか語れなかった宇宙がビジネスの対象に
古来より人々の信仰を集めるとともに、芸術的なインスピレーションも喚起してきた月。1969年、アメリカのアポロ11号が史上初めて有人月面着陸に成功しましたが、その後は1972年のアポロ17号で3人の乗組員が無事地球に帰還したのを最後に、人類は月に到達していません。その月に民間として初めて探査機を送り込み、将来的には人類が住める街を作ろうという壮大なビジョンを掲げている宇宙スタートアップが「ispace(アイスペース)」です。今回はispaceの活動を財務面から支えているCFOの野崎様にご登場いただき、投資銀行からベンチャー企業へ転身した背景や、シリーズA国内過去最高額となった資金調達についてなど、幅広いトピックについてお話を伺いました。
野崎さんのご経歴を伺う前に、まずは「ispace」をご存じない方のために御社の概要についてご説明いただいてもよろしいでしょうか。
野崎
ispaceは、民間初の商業的月面探査ミッションにチャレンジしているスタートアップ企業です。2019年4月現在で約70名の社員がおり、そのうちの50名ほどがエンジニアになります。ただし、技術開発だけに注力しているのではなく、コーポレート部門、ビジネス・コミュニケーション部門 とのバランスも大事にしていて、それぞれ10名ずつくらい所属しています。

特徴的なのがグローバルな社員が多いということで、特にエンジニアは海外15カ国の出身者が半数ほどを占めています。やはり世界を見回してもこういうチャレンジをしている民間企業は少ないものですから、グローバルから人材が集まっているという背景があります。またもうひとつの特徴として、最近はシニアの方が増えてきています。通常、スタートアップの社員平均年齢というと20代後半くらいが多いと思うのですが、ispaceでは40歳です。社員の最高齢は70歳以上のプロフェッショナルの方で、50代の方にも多く参加いただいています。日本企業で一線を退いてもまだまだ働ける方はたくさんいらっしゃるので、そうした方々にこれまで培ってこられたプロフェッショナリズムをベンチャーに還元していただく、そういうエコシステムが出来たらと考えています。
ありがとうございます。では続いて、野崎さんのご経歴についてお話しいただけますでしょうか。
野崎
私は大学を卒業してから12年間、一貫して投資銀行に勤めていました。主に資金調達やM&A、投資家対応に関するアドバイザリー業務を日本企業に対して行っていました。
そのご経験の中では、宇宙との接点が見受けられないように思うのですが、ispaceに転職するにあたってどんなお考えがあったのでしょうか。
野崎
前職では、日本企業の経営層の方々と非常に近いところでお話する機会に恵まれていました。私の場合は自動車と石油セクターを主に担当していたのですが、いずれの業界でも経営者の方とのお話を通じて、非常に大きな時代の変化が到来していることを感じました。特に自動車業界は数年間のうちに、自動運転やライドシェアといった、業界構造を根本から覆してしまうような変革が起きていました。そのように世界がものすごい勢いで動いてる中で、その担い手としてスタートアップ企業の存在感が高まってきていることを知るようになり、アドバイザーとしてではなく、自らも世の中に変革を起こす当事者になりたいと思うようになりました。

実際に転職先を考えるにあたっては、3つの軸がありました。スタートアップであることが第一で、次に見て触れるものづくりをエンジニアが行っていること、そしてグローバルで戦えることです。そのころにたまたま知人の紹介で創業者の袴田(武史氏、代表取締役CEO)と知り合いまして、宇宙ビジネスの話を聞いて、これは面白いなと。壮大すぎてこれまでは夢とかロマンでしか語れなかった宇宙が、いまや現実のビジネスに落ちてきている、しかもそれは世の中を変えるくらいの社会的意義を持っている。これは自分のキャリアを賭けるだけの価値がある、と確信しました。

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企業プロフィール

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月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。2018年2月までにシリーズA国内過去最高額となる103.5億円の資金調達を実施した。同年9月、日本初民間開発の月着陸船による「月周回」と「月面着陸」の2つのミッションを行うプログラム「HAKUTO-R」を発表。米SpaceX社のFalcon 9ロケットで2020年と2021年に打ち上げ予定。現在日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動中。

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