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第1回:国内製造業の購買調達をSaaSの力で変えていく

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松原 脩平 代表取締役
PROFILE

2013年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、キーエンスに入社。静岡・浜松エリアにて自動車業界向け営業に従事する。2016年にコロプラネクストに転職、ベンチャーキャピタリストとしてシード~アーリー期のスタートアップを対象とした投資業務を手掛ける。2018年にA1Aを創業し、現職。

目次
  1. -キーエンス営業時代に感じた違和感が起業のきっかけに
  2. -B2Bの取引をワンランク上に引き上げたい
  3. -小さくまとまらず大きな世界を一緒に見て欲しい
キーエンス営業時代に感じた違和感が起業のきっかけに
「同じ商品なのに、なぜ会社によって違う値段で売れるのか」――キーエンスの営業時代に抱いていた違和感をきっかけに、購買・調達業務を透明化する製造業向けSaaSの開発にチャレンジしたのが、今回登場いただくA1Aの創業者・松原様です。起業に至るまでのキャリアパスやサービスに込められた思い、今後のビジョンなど、多角的にお話いただきました。
まずは松原さんのご経歴からお伺いできますでしょうか。
松原
もともと子供のころの将来の夢が、サッカー選手になることと会社を作ることだったのですが、サッカー選手になる夢は中学校卒業時に諦めました。もう一つの夢である会社設立をどうやって実現しようかと考えた時に、まず自分は作り手ではなく売り手だろうと分析しました。そこで新卒では営業が強そうな商社や証券会社などを受け、最終的にキーエンスに入社しました。キーエンスでは自動車産業が盛んな静岡県の浜松エリアを中心に担当し、様々な工場に画像処理センサを販売する営業をしていました。数年間その仕事をして、ある時知人にどうしたら起業できるか相談したところ、リクルートかベンチャーキャピタルに転職してはどうかとアドバイスされ、それをきっかけに立ち上げ期だったコロプラネクストに入社しました。約2年間ベンチャー投資を経験し、2018年に当社を創業したという流れになります。
キーエンスは営業が強い会社として有名ですが、どんな経験を得られましたか。
松原
キーエンスがすごいのは、PDCAのD(Do)の部分が圧倒的に強いことと、そのDを担う強い営業マンを育てる体制、仕組みがあることだと思っています。一例ですが、私は入社2年目まで必ず1日2~3回、先輩と営業のロールプレイングを行っていました。また、営業に行く前日には、次の日のアポイント5件なら5件分のお客様それぞれに合わせたロープレを上司と必ず行い、帰社したらその日の内容を振り返って上司からアドバイスを受けていました。当時はそれが当たり前だと思っていましたが、普通はそこまでしないですよね。でもそのキーエンスの文化のおかげで営業の型をしっかり学ばせていただきましたし、売ろうと思えば何でも売れるという自信もつきました。今の私の営業スタイルの源になっていると思います。
顧客とのリレーションの作り方、その維持の仕方については何か特徴はありましたか?
松原
一番大切なのは、何かあった時に即時対応することです。FA(ファクトリー・オートメーション)センサーという商品はなかなか差別化要素がなくて、どの会社から買っても同じとも言えるのですが、そこでキーエンスが売りにしたのが即日出荷という付加価値でした。一般的には10日後20日後の納期のところを、翌日には必ず納品する。そうすると、お客様は在庫を持たなくていいので喜ばれるわけですね。この即日対応がキーエンスの圧倒的な競合優位性になっていたと思いますし、今の自分たちの会社でも対応の速さは非常に重視しています。我々とご契約いただいたお客様のケースですが、6社競合した中で実績もない弊社を選んでいただいた理由として「こんなに対応が早い会社はなかった」とおっしゃっていただきました。この姿勢は、今後もA1Aのカルチャーにしていきたいと思っています。
そうした様々なことをキーエンスで学ばれた後に、起業を視野に入れつつベンチャーキャピタルにジョインされたということですね。
松原
はい。キャピタリストとして働いたコロプラネクストでは、B2Bの世界でスタートアップが非常に存在感を発揮していることを感じていました。数年前から日本でもデジタルトランスフォーメーションの流れが顕著になっていて、その中でまさに私の投資先であるベンチャーが企業向けサービスで大きな価値を提供していることに感銘を受けました。一方、起業のアイデア自体はキーエンス時代に抱いていた違和感がきっかけです。営業としていくつもの工場に行くのですが、同じ製品を売っているはずなのに売価はバラバラでした。売り手にとってメリットはあるものの、そこに大きな情報の非対称性があることが心にひっかかっていました。製造業はそもそも利益率が高くない業界なのに、購買において原価を下げるための手段がまだまだアナログだった。そこに改善の余地があると気付いたことが、創業につながります。
2018年に会社を設立され、今度はスタートアップ側の立場になったわけですが、VCとはどんな関係を築いていますか。
松原
私自身もキャピタリストだったので分かるのですが、正直、スタートアップ側の人間とキャピタリストでは、事業理解の度合いに差が出るのは仕方ないと思っています。キャピタリストの知識がどちらかといえば「広さ」に寄るのに対し、スタートアップ側はそれだけにフォーカスして必死でやっているので、事業については信頼して任せてくれるVCがいいなと思っていました。その裏返しになりますが、スタートアップ側には業界や時代の流れを俯瞰的に見る視点が足りないことがほとんどです。現在の日本の製造業がどうなっていて、5年後10年後にはどうなりそうなのか。B2B向けSaaSの市場規模はどの程度見込めるのか。そういった視座を上げてくれるようなアドバイスはキャピタリストにしか出来ないことなので、そうした部分を期待していました。現在A1Aのリード投資家はBEENEXTですが、まさにそういった理想の投資家像を体現していただいているなと日々感じております。国内、海外の事例から今後起こりうる組織的な課題、事業的な課題を先回りして伝えていただき、ベンチマークとなるSaaS事業者の事例から目線を上げていただける。加えて、困ったときにはすぐに対応していただけて、多数の事例の中から適切な解決策を提案していただけるのは非常に助かっています。

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企業プロフィール

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製造業の購買・調達部門向けSaaS「RFQクラウド」を開発提供するスタートアップ。「見積査定」プロセスをクラウド化し、購買担当者の見積もり査定工数を劇的に削減。また調達価格を透明化することで、製造業企業の利益拡大を支援する。これまでBEENEXTが運営するBEENEXT2 Pte. Ltd.、PKSHA Technology Capitalなどが出資しており、近日中にも大型調達を予定している。

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