A.T. カーニー

第2回:ロジック+感性でTOKYOをもっと魅力的な街に

A.T. カーニー
(写真左)向山 勇一 シニアパートナー
(写真右)上田 泰丈 アソシエイト
PROFILE

(向山)新卒で日本IBMに入社後、2004年にA.T. カーニーに転職。以来、メディア業界、不動産業界を中心にコンサルティング業務に従事。
(上田)大学在学中に都市工学を学び、2009年に新卒で野村不動産に入社。法人営業や経営企画に携わった後、2018年にA.T. カーニーに入社。不動産関連プロジェクトを中心に、幅広い案件に従事。

目次
  1. -東京の再開発への問題意識から発生したユニークなチーム
  2. -ロジックに加えてアンテナの感度やイメージが重要になる
  3. -「君は何がしたいのか?」個のあり方を大切にするファーム
ロジックに加えてアンテナの感度やイメージが重要になる
非常に興味深いですが、プロジェクト事例について教えていただけますでしょうか。
向山
まずクライアントになるのはデベロッパーと鉄道会社、一定以上の土地を保有していて街づくりに興味をお持ちになっている事業会社、この3つが中心になります。
都心部のターミナル駅、もしくは準ターミナル駅周辺での大型再開発については、最終的には賃料が相対的に高いオフィステナントをいかに集めるかということが重要になります。どういった会社に来てもらうかというイメージから、例えばアクセラレーター的な機能を施設の中に入れることで特定領域の企業が集まれば産業集積の話にもつながってきます。一方で、オフィスばかりが集まってくると街の活気は失われ、端的に言って面白くない街になってしまうということも事実としてあります。最近は、住んでも遊んでも楽しい街で働きたいというトレンドがありますので、どういった商業施設を呼び込むべきか、あるいはそのエリアでキーになるようなイベントを作れないかといった、文化集積の側面も議論のターゲットになってきます。
もうひとつの軸として、スマートシティ構想があります。これは都心から少し離れた郊外で、既存のシステムではいろいろと問題が発生しているエリアに対し、デジタルでその課題を解決し、さらにその過程で新しいソリューション、イノベーションを開発していこうというコンセプトのプロジェクトになります。
これらのプロジェクトでは、エリアの特性を定量的に分析するといった従来のコンサル的リサーチワークもありますが、各業界第一級の有識者、アーティストをお呼びしてワークショップを開催し、ファシリテーションしながらコンセプトを作り上げていくといった仕事も多くあります。ロジックだけでなく感性的な部分も非常に大事なので、右脳も左脳も駆使しなければいけないことになります。

ATカーニー上田氏インタビューカット
上田
私から少し具体的なプロジェクト事例をお話ししますと、以前ある会社が本社所在地域への貢献を念頭にスマートシティ化を推進するのをご支援しました。そのエリアの課題を把握するため実際にその町を歩いて住人の話を聞いたり、クライアントの社員様や鉄道会社の方々も巻き込んでワークショップを開いたりして、街の未来像を議論しながら少しずつコンセプトを固めていきました。加えて行政サイドともコミュニケーションをとり、分科会的なミーティングを定期的に開かせていただいて、中長期的にエリアマネジメントする組織を作ろうとか、産業が盛り上がるようにコンソーシアムを作ろうというのを目標に進めていったというプロジェクトになります。
もうひとつは、街づくりコンセプトとは少し違っていて、コロナ禍を受けてオフィスの役割、あり方はどう変わっていくか、それを踏まえてファシリティマネジメント会社はどうあるべきか、という戦略策定をご支援したプロジェクトです。コロナ禍で世の中の会社がどんなことに困っているのかというのをヒアリングし、そこから導き出されたポイントを整理していきました。現実にフリーアドレスのオフィスも増えている中、オフィスは生産活動の場というよりは、コミュニケーションを活発化させ、ゼロから1を生み出す創発の場の機能がさらに重要になってくる、そのためにオフィスに行きたいと思わせるための運営機能を考えていく、というプロジェクトでした。

いわゆるロジカルシンキング等のコンサル的な要件だけでは物足りない部分が出てくる、と考えていいでしょうか。
向山
もちろんベーシックなコンサルティング能力は必要ですが、消費者視点で見た時に「こういう街っていいよね」と言えるアンテナの感度と、ワークショップでファシリテーションをしながら議論をまとめていくようなソフトスキルは結構大事です。

上田
あえて発想を飛ばしてみるといった、ロジックというよりイメージやフィーリングで捉える部分が大事になると思います。楽しいとかワクワクするとか、そういう要素が多分にあるプラクティスだというのは実際に携わっている身としても感じますし、それが求められていると思います。

向山
我々自身がクリエイターになる必要はありませんが、そういう抜群に感度のいい人たちを巻き込んで、違った角度の意見が出てくるようにファシリテーションしながら、クライアントに気付きを与える、そのレベルのスキルが必要になります。

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企業プロフィール

A.T. カーニー

1926年設立、米国シカゴに本拠を置くグローバルコンサルティングファームの草分け的存在。世界40カ国に59オフィスを擁し、従業員数は約3000人にのぼる。公式HPに掲載されているだけでも、30年代のUSスチール、創業前のフェデックス、統一後の旧東ドイツや東欧国営企業、2003年のFIFA日韓W杯など、業界や課題を問わず非常にスケールの大きなプロジェクトへコミットしてきた歴史があり、そのすべてのケースにおいてクライアントの成功と成長に寄与している。

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