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第1回:戦略で終わらせない。AIの“社会実装”という挑戦

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(写真左から)菊地 宏冶 シニアマネージャー 、和田 佑太 シニアマネージャー
PROFILE

(菊地)東京工業大学、京都大学大学院を卒業後、新卒で株式会社三菱UFJ銀行に入社し、支店での法人営業を経て市場部門で外貨BS戦略策定に従事。その後、株式会社ローランド・ベルガーに転職し、戦略立案やビジネスデューデリジェンスに携わる。2023年よりACESに参画。
(和田)慶應義塾大学理工学研究科開放環境科学専攻を修了後、新卒でアクセンチュア株式会社に入社。戦略部門において通信業界のクライアントの新規事業戦略策定などに携わる。3年ほどコンサルタントの経験を積んだ後、2021年よりACESに参画。

目次
  1. -戦略コンサルの次の舞台にAIを選択
  2. -産業を変える最先端AI案件を、上流から現場まで担う
  3. -AI時代に必要なのは、技術理解よりも課題設定力
産業を変える最先端AI案件を、上流から現場まで担う
現在担当されているプロジェクトや、業務の概要を教えてください。
和田
社内で「次世代・先進案件」と呼んでいるプロジェクトを担当しています。AIを導入する案件には、すでに業界内に成功事例がある取り組みもあれば、まだ事例が少なく業界構造そのものを変えていくような先進的な取り組みもあります。私は後者の、業界を変えていく視座で取り組むクライアント企業と一緒に、AIの導入によってと業務やビジネスモデルがどう変わるのかを描きつつ、ベンダーとしてAIを開発・実装していく支援をしています。上流から現場まで一気通貫で関わるのが特徴です。

菊地
私は金融系を中心に、戦略から実装まで幅広く担当しています。例えば、戦略だけ立てて終わるのではなく、PoCや開発を通じて業務に根付かせるところまで支援します。なかには、他社が描いた戦略がうまく回っていないケースに対して、改めて戦略を整理し、現場で動く形に落としていく支援をしたこともあります。AIは実装が難しい分、やり切ったときのインパクトは大きいと感じます。
戦略からPoC、開発、実装まで、プロジェクトはどのように進むことが多いですか。
菊地
上流の戦略案件は1〜3カ月程度が多いです。その後PoCに入る場合は3〜4カ月くらいで、「本当に使えるか」「目指す精度が出るか」「業務に組み込めるか」を検証します。そこで手応えがあれば実際のシステム開発に進み、半年から1年くらいのスパンで実装します。ただし企業によってはデータの準備に時間がかかることも少なくありません。データをもらうだけでも1カ月以上かかることもありますし、AIの環境構築自体が初めてだとそれ以上かかることもある。だからこそ、プロジェクト設計には経験が重要です。

和田
AIは一般的なシステム開発より不確実性が高いので、計画通りにいかない前提で進める必要があります。途中でモデルの精度が想定より出ないこともありますし、逆に急に新しいモデルが出て状況が変わることもある。その場合、機能要件だけではなく、業務プロセス自体を再設計しないといけなくなることもあるため、状況を見極めながらゴールを定義し直す舵取りが重要になります。
お二人自身は、その中でどのような役割を担っているのでしょうか。
和田
クライアント側の意思決定者と議論しながら「AIを導入すると何が変わるのか」「どこから取り組むのがもっともインパクトが大きいのか」を設計する部分を担っています。同時に、エンジニアとも密に議論して、技術的に実現可能な範囲や、開発の方針、優先順位を整理していきます。ビジネスと技術の間に立ち、意思決定を前に進めることが多いです。

菊地
私はプロジェクトの推進全般を担います。論点を整理し、クライアントの期待値をすり合わせ、エンジニアと協力しながら形にしていく。特にAIは途中で前提が変わることがあるので、クライアントと「どこまでを目指すのか」「何を成功とするのか」を都度握り直す必要があります。そこを丁寧にやり切ることが、自分の役割だと思っています。
AI開発ならではの難しさを感じるのは、どんな瞬間でしょうか。
和田
先ほどからも話しているとおり、精度が出るかどうかの不確実性の高さに難しさがあります。AIモデルは、データの品質や実装環境によってプロジェクト発足当初に期待されていた精度が十分に担保されないケースもあります。だからこそ、最初に描いた計画をそのまま遂行するのではなく、途中で柔軟に判断していく必要があります。ビジネス側だけで決められる話ではなくエンジニア側での技術検証の結果や改めて明らかになった不確実性などに鑑みて、どこで舵を切るかが難しくも面白い部分です。

菊地
加えて、AIは一般的には未知の分野であるからこそ、クライアントに対する期待値調整も難しい点です。AIは話題になっている分「すぐに何でもできそう」と思われることもある。でも実際にはデータがない、業務フローが整っていない、環境がないというケースも少なくありません。そのギャップを埋めながら、現実的に価値が出る形に落としていくのが難しいですね。
エンジニアと協力しながら進める働き方は、入社前後でギャップはありましたか。
菊地
最初は大変でした。用語も分からないですし、精度感や工数感も掴めませんでした。ただ、ACESのエンジニアの人たちは本当に丁寧で、分からないことは素直に聞けば教えてくれるので、早期に多くを吸収できました。逆に会社として「エンジニアもビジネスを語れるようにしよう」という大きな方針もあるので、ビジネスサイドとエンジニアサイドの両方が、それぞれの領域をキャッチアップしやすい環境だと思います。

和田
私も最初は戸惑いました。ただ、エンジニアと話していく中で、技術的な制約や可能性を理解できるようになり「クライアントの実現期待と実現性を両立可能な領域はどこか」という肌感覚が身につきました。AIプロジェクトは、ビジネスと技術の間を行き来して意思決定することが多いので、この経験自体が大きな成長につながっていると思います。

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企業プロフィール

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「アルゴリズムで社会はもっとシンプルになる」をビジョンに掲げる、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップ。AIアルゴリズムを事業価値に落とし込むデザイン力を強みに、クライアントと二人三脚でDXを推進する「DXパートナーサービス」と、自社アルゴリズムを組み込んだプロダクトを提供する「AIソフトウェアサービス」を展開している。構想策定からPoC、開発・実装まで一気通貫で支援し、幅広い業界でAIの社会実装を加速させている。

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