フロンティア・マネジメント

第1回:ユーザー至上主義を掲げる新たな知的サービスの開拓者

フロンティア・マネジメント
(写真左から)代表取締役 松岡 真宏、代表取締役 大西 正一郎
PROFILE

(松岡)東京大学経済学部卒。野村総研、バークレイズ証券、UBS証券にて10年以上にわたり証券アナリストとして活動。1999年にUBS証券の株式調査部長兼マネージングディレクターに就任。2003年に産業再生機構に入社、マネージングディレクターに就任。津松菱、うすい百貨店といった地方百貨店やカネボウ、ダイエーなどの事業再生に携わった後、2007年にフロンティア・マネジメントを設立し代表取締役に就任。2012年に中国現地法人であるFrontier Management (Shanghai) Inc.の董事長に就任。

(大西)早稲田大学法学部卒。1992年に東京弁護士会弁護士登録後、奥野総合法律事務所に勤務し、1997年にパートナー弁護士に就任。2003年に産業再生機構に入社、マネージングディレクターに就任。三井鉱山、カネボウ、ダイエーなどの事業再生に携わった後、2007年にフロンティア・マネジメントを設立し、代表取締役に就任。2012年に100%子会社であるフロンティア・ターンアラウンド設立、代表取締役社長に就任。

目次
  1. -知的サービスをユーザー視点に立って捉えなおす
  2. -難易度の高いM&Aに絶対的な自信がある
  3. -さまざまなロールモデルがあるのがFMIの面白さ
難易度の高いM&Aに絶対的な自信がある
そういった思いから設立されたFMIも8年目にはいりました。サービス内容や部門のあり方等、変化はありましたでしょうか。
松岡
我々はいつも4つの方向性という話をしています。1つは産業、インダストリーの軸で深みを作りたい。再生機構でカネボウの案件などを担当していたこともあり、設立当初は消費財インダストリーがメインでした。ただ今は、案件の半分以上は金融やメーカーになってきており、産業の広がりという意味ではほぼフルラインになってきた、というのがこの7年での大きな違いです。
2つ目はソリューションの軸で深みを作りたい。現在は再生コンサルだけではなく、企業の成長コンサルにも対応していますし、M&Aでは日本のTOP10に入ってきていますので、クライアント企業をサポートさせていただく上でのソリューションの幅も非常に広がってきています。
3つ目はエリアを広げたい。当初我々は日本という軸でやっていましたが、この数年で中国、東南アジア方面へ広がりが出てきていますし、実は欧米やインドでの提携も始まっています。エリアも広がってきている。
4つ目はクライアントのサイズです。最近は大型案件ももちろんあるのですが、一方で事業承継問題を中心に中小型、地方の案件のニーズが高まってきており、サイズの幅という点で上にも下にも範囲を広げています。

こう言ってしまうと、結局全部じゃないかという話なのですが(笑)、我々としてはこの4つの整理でビジネスを立体的に拡大していこうと考えています。どうしても再生機構出身者が設立した会社ということで再生コンサルのイメージを持たれがちなのですが、実はこれらの軸によって約150名が動いていますので、かなりさまざまなサービスを提供出来ています。現在FMIには10の部署がありますが、再生を単独で扱っている部署は1つだけです。売上で考えても、出だしの1年目は6割くらいが再生案件でしたが、現在はM&Aと一般的な成長コンサルと再生コンサルとが大体3分の1ずつくらいになっています。

大西
再生機構出身ではあるものの、そもそも再生を長らくやっていたのは恐らく私くらいで、他のメンバーは、そもそも成長企業のコンサルティングやリサーチやアドバイザリーを実際に行ってきた多様なスキルを持った人材でしたから、経営戦略コンサルティングへの広がり、また成長戦略としてのM&Aアドバイザリーへの業務の広がりというのは比較的容易な動きでした。M&Aについては、ほとんどの年で年間30件以上の案件をやってきて、ブティックファームとして一定の地位を確立し、国内の年間ランキングにも毎年ほぼTOP10以内に入ってきています。ここ1、2年は、アジア進出サポートやクロスボーダーM&Aに力を入れていますが、これも何が起点かというと、我々がやりたいか否かというよりは、お客様の関心が海外進出等に向いてきたため、そのニーズに迅速に応えなければ、ということがきっかけになっています。
世の中には数多くのM&Aファームがありますが、御社が事業再生や成長コンサルティングも出来るうえでM&Aアドバイザリーの機能を持っている意味、強みを教えていただけますでしょうか。
フロンティア・マネジメント松岡真宏氏インタビューカット1
松岡
恐らく、狭義のM&Aだけをやりたい方はFMIには合わないと思います。FMIではまず、お客様の企業価値を引き上げるためにどういう戦略がありうるのかということを、コンサルチームとM&Aチームが一緒に考えていきます。M&Aは大変重要ではあるものの、神がかった万能の手法ではなくて、企業の価値を改善するためのいろいろある手法のひとつに過ぎません。ですから、それだけをシングルアウトして議論することにはあまり意味がないと思っています。企業の成長のためには、事前の調査もコンサルティングもM&AもPMIも必要です。こうした広義のM&Aをさまざまなバックグラウンドを持った人間と一緒にやりたいというプレイヤーは、FMIはすごく合うでしょうね。

大西
今、松岡はどちらかというとFMI側の視点からご説明をしました。私は、それをM&Aをやりたい人から見て、FMIにはどういう魅力があるかという角度で説明します。まずは、成長戦略や産業分析に詳しい専門家が同じフロアにいるというのは大きいと思います。M&Aだけの会社が外部のコンサルティングファームと一緒にM&Aを仕掛けようとしてもなかなかスムーズにはいかないですが、FMIでは社内の2つのチームが組んで戦略とM&Aの話を同時に提案できる、こういうファームは恐らく他にないと思います。M&Aファームでも、コンサルティングの機能を多少持っている会社はあると思いますが、我々のようにM&Aとコンサルをそれぞれ本業、等価値のサービスとしてやっていて、かつどちらもそれぞれ十分な実績があるという会社は他には見当たらないように思います。
次は、再生がからむような難易度の高いM&A案件が得意であるということ。例えば負債過多だったり株主の問題があったりという、普通のM&Aではデッドロックに乗り上げてしまうような案件も、FMIは非常に得意としています。我々が出来なければ他では出来ないんじゃないでしょうかというくらい自信を持ったうえで、そのような難易度の高いM&Aをこなしています。今では、そういった案件があると、我々を指名して話が来るようになっています。
最後はグローバル。我々は自前で上海とシンガポールに海外拠点を持っています。大手グローバルファームの場合、グローバルといっても各国で独立した組織がやっているので別法人と組むのとそれほど変わりません。その点、我々は少なくともアジアについてはオーガニックで展開していますから、日本の企業がアジアに進出して成長していく過程を、日本からのコントロールでフルサポートすることが出来ます。

松岡
日本にベースを置いた会社のシンガポール支店というのと、グローバルファームの日本法人とシンガポール法人というのは、まったく似て非なるものなんですね、指揮命令系統が違うから。どちらがいい悪いという話ではなく、それが我々の特徴だということです。

大西
まだ設立から8年目ですし、階段を上っている途中だとは思いますが、そういった他社にはない強みは確立できたと思います。別の視点でいうと、M&Aだけのファームにとって、お客様とのリレーションはある瞬間にディールがあるかないか、つまり点でしかありませんが、我々はコンサルティングの形でお客様を中長期的にサポートし、その線上のどこかでお客様がM&Aを選択すればそれも支援していく。これも特徴のひとつですね。

松岡
特に若い方がM&Aファームに入ると、9割くらいの時間をピッチブック作りに費やして、残り1割でやっとエグゼキューションに携わって満足感を得る、という状態になりがちです。ですが、FMIはコンサルチームや再生チームからのつながりでくる案件が非常に多いので、ピッチブック作りで疲れきってしまう、ということはありません。現在走っている案件の約半分は、コンサルチームとM&Aチーム、M&Aチームと再生チームといったような部署間をまたいだ案件で、かつお客様の6割がリピートです。ですから、ピッチブックを大量に作って千に三つの確率のM&Aを追いかけ、いつか日経新聞の1面を飾りたい、という志向の方は合わないと思いますね。

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企業プロフィール

フロンティア・マネジメント

産業再生機構出身の大西正一郎氏、松岡真宏氏が中心となり2007年に設立された独立系プロフェッショナルファーム。弁護士、会計士、バンカー、経営コンサルなど多様な分野の専門家がチームを組んでクライアントの企業価値向上を追及する独自のスタイルで、創業以来成長を続ける。現在、上海とシンガポール、ニューヨーク、パリに拠点を持ち、2023年8月にはフランスのM&Aアドバイザリーファーム“Athema”にも出資を実施。今後は国内だけではなく、グローバル展開も図っていく方針。

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