ロングブラックパートナーズ

第2回:LBPのファンドが最優先するのは、地域経済への貢献

ロングブラックパートナーズ
町田 一郎 パートナー
PROFILE

慶應義塾大学法学部を卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行。支店勤務を経て市場部門に所属し、債券ポートフォリオの運用業務に従事する。2000年にPwC FAS(現PwCアドバイザリー)の再生部門に転職し、金融機関の不良債権処理や個別企業の私的整理案件を多数経験。その過程でファンド関連案件に数多く関与し、再生ファンドに転職。投資先企業の代表取締役を務めるなど、ターンアラウンドステージにおける企業経営のノウハウを身に着け、2012年よりロングブラックパートナーズに参画。

目次
  1. -銀行、FA、ファンドをそれぞれ6年ずつ経験してLBPへ
  2. -地域金融機関との連携と徹底したハンズオンで、地域経済に貢献する
  3. -実は繊細だけどぱっと見は明るく図太い、そういう人が向いている
地域金融機関との連携と徹底したハンズオンで、地域経済に貢献する
ファンドの統括責任者としてご入社され、実際に働いてみてどんなことをお感じになりましたか。
町田
企業経営はヒト・モノ・カネ、と情報が重要な経営資源と思っておりますが、地方の中小企業の多くは、様々な経営資源が不足しているから苦しいのだと思われがちです。ただ実際に、ターンアラウンドを手掛けてみると、それ以前に経営のガバナンスが正常に機能していない、ということの方が窮境の大きな要因だと思うことの方が多いです。例えば、客観的に当たり前のことが正常なプロセスで意思決定されていなかったり、経営者にリーダーシップが足りなかったり、従業員とのコミュニケーションが一方通行だったりと。新規事業の立ち上げ、新商品の開発、コスト削減・人員リストラといった施策が事業再生の近道のように思われますが、それよりもガバナンスや意思決定のプロセスを正常化したうえで、従業員の暗黙知を活用するというサイクルが必要であり、これを短期間で行えば、一定程度の業績は回復するということを感じております。
地方の中小企業を対象とした再生ファンドというのはユニークなスタンスだと思うのですが、改めてLBPのファンドについてご説明いただけますでしょうか。
ロングブラックパートナーズ町田一郎様インタビューカット2
町田
まず現在運営している6本のファンドは、すべて官民ファンドとなっています。岡山で再生活性化ファンドを1号・2号、北海道で事業再生ファンドを1号・2号、九州と西日本でそれぞれ災害復興支援ファンドを1本ずつ運用しています。出資いただいている機関投資家は地方の金融機関や中小企業基盤整備機構等の公的機関を含め70社以上で、ファンドのコミットメント総額は200億円を超えており、比較的大規模なファンド運営となっています。投資先は、再生からベンチャーと幅広く、投資先数は50社超となっております。
LBPのファンドの特徴は二つあります。一つは、地域密着、地域還元を非常に重視している点です。弊社メンバーがその地域に居を構えて常駐しているというフィジカルな地域密着もありますが、それと同時に地域経済への貢献を最優先し、出来るだけその地域の企業同士が連携し存続していくことを意識した運営を心掛けています。困っている地方企業を買い叩いて、人員削減等のコストカットで再生し、東京の大企業に高く買ってもらう、という利回りだけを追求するような姿勢ではないということですね。また、二つ目の特徴としては、地域金融機関との共同運営をしており、地域金融機関のメンバーが金融機関の目線でサポートしつつ、我々LBPメンバーがアドバイザー・経営目線での支援を行うという、ハイブリットな立ち位置で企業を支えながら、積極的なエクイティ投資を行うということです。
ターンアラウンドのフェーズにおいては、モニタリングするだけ、あるいは外部から経営プロフェッショナルを連れてきてお任せするといったスタイルではなく、ファンドメンバーによる徹底したハンズオンを心掛けています。我々自身が経営者として事業運営を行うこともありますし、経営者にガバナンスを利かせる立場で関与するということもあります。いずれにしても投資先にどっぷり密着するスタイルをとっているという部分が長所だと思います。
多くの投資先に対してハンズオン支援するというのは、相当大変ではないですか?
町田
もちろん、関与のレベルに濃淡はあります。私自身が経営陣として陣頭指揮をとっている案件もあれば、他のメンバーに管理本部長的なロールで入ってもらい週1~2回ミーティングを開くといった案件もあります。投資先1社に複数名が関与する体制をとっており、平均するとメンバー1人あたり3~5社くらいを担当するイメージでしょうか。
アドバイザリーチームのメンバーとの協業はあるのでしょうか。
町田
原則として、アドバイザリー事業とファンド事業にはウォールを引いており、アドバイザリーチームのメンバーがファンド投資先のターンアラウンドに関与することはありません。ただし、人事ローテーションは積極的かつ定期的に実施しています。LBPに入社して最初の数年間はアドバイザーとして経験を積んでいただき、プロジェクトマネージャーが担えるくらいの実践経験を積んだ時に、ファンド業務に興味があって本人が希望すればファンドチームに異動することになります。
ファンドチームでは投資実行やExitといったトランザクションだけでなく、複数企業のターンアラウンドに関与することで経営の難しさ(特に、人のマネジメントや育成、重要な意思決定など)、次々に降りかかっている経営課題にプロフェッショナルとしてあきらめないで取り組む姿勢、その先にある達成感などを、身をもって経験してもらいたいと思っています。ハンズオン支援の最中は、投資先企業のために全力で働きます。例えば、自らで新規営業に駆けずり回ったり、大みそかにとても寒い倉庫の中で棚卸作業を手伝ったり、お盆で人手が足りないときは自らレジに立つメンバーもいました。これらは極端な例ですが、そこまで密着関与していくというスタンスで、腰を据えて取り組むことで、事業の実態や経営の難しさを理解してもらい、再びアドバイザリーチームに戻った時に、より具体的で実効性が高い解決先を見いだせるアドバイザーになってもらいたいと思っています。その意味では、弊社はファンド業務を通じて、実践力の高いアドバイザーを育成する場として捉えている、とも言えます。

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企業プロフィール

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一部の大企業だけでなく、特に地域の中堅中小企業へ最高水準のアドバイザリーサービスを提供したいとの思いから設立された、独立系財務アドバイザリーファーム。社名に含まれる「ブラック」は黒字を意味しており、同社のサポートによりクライアント企業に長期的な成長・繁栄(=ロングブラック)をもたらすことを目指している。現在はサービスラインが拡大しており、地域官民ファンドの運用やプリンシパル投資、グループ内の監査法人・税理士法人による会計税務サービスなども提供している。

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