デロイトトーマツコンサルティング　インタビュー特集第1回：インダストリーのコンバージェンスにこそ新しい力が宿る

デロイトトーマツコンサルティング

パートナー／トーマツ製造業グループリーダー　久保島悠

PROFILE

一橋大学商学部卒業後、学部卒で当時のトーマツコンサルティング株式会社（現デロイトトーマツコンサルティング株式会社）に入社。2005年にDTC初のインダストリーラインである自動車グループを立ち上げ軌道に乗せる。その後も自動車（自動車部品）業界を軸としながらも、現在は日系の製造業界全般の海外事業企画、海外組織再編等について戦略策定から実行支援までを幅広く支援している。

★以下の特集ページにて、デロイトトーマツコンサルティングの中途採用選考フロー／面接のポイント、求められるスキルセット、弊社キャリアコンサルタントからのアドバイスなどを掲載しています。デロイトトーマツコンサルティングへの転職をお考えの方は、ぜひご参照ください。
デロイトトーマツコンサルティングへの転職情報

-社内サークルから始まった“自動車グループ”
-3.11は製造業にとってもPoint of No Returnだった
-「業界が好きな人」に来てもらいたい

3.11は製造業にとってもPoint of No Returnだった

なるほど。では、製造業グループの中での久保島さんの役割を教えていただけますか？

久保島

自動車グループでのサクセスを横展開していこうということで、製造業グループは自動車、プロセス加工業、電機・機械、それと宇宙航空防衛産業という４つのセクターを持っており、それらを私が統括しています。また、最近は製造業のお客様の経営課題がすごく複合化、複雑化してきているので、例えば税理士など他の専門家との連携が必ず必要になってきます。それをうまく連携させようということで、トーマツグループ全体の製造業グループのリードも私が担当しています。

ひとつのユニットで完結するのではなく、コンサルタントがさらに他の専門家を巻き込んでいくんですね。

久保島

そうです。例えば税理士法人と言ってもその中では個人所得税、法人所得税、移転価格…と全部専門家が分かれていますし、経営課題の解決には何人ものプロフェッショナルをパズルのように組み合わせていかなければなりません。どんな組み合わせが最適かということを企業経営者に近い立場で解決しようとした時に、デロイトにはワンストップでフルに活用できるリソースが、日本のみならず海外185カ国に同じように並んでいますから、どの国に行っても同じようにコンサルの窓口一本で事が済みます。グループ内の専門家をうまく結び付けて付加価値を最大化できることと、グローバル・ネットワークの強み、この両者を提供するために、経営の近くにいられるインダストリーでの動きを非常に重視している状況です。

製造業グループでは最近どんなプロジェクトが多いのでしょうか。

久保島

最初の需要の転換期は2008年のリーマンショックで、そこから急激に海外案件が多くなりました。その後、円高の進行に合わせて製造業を中心にそれが如実になってきていたんですが、2011年の3.11で明らかにお客様のトーンが変わってしまいました。Point of No Returnが3.11だったんじゃないかな、という雰囲気を今すごく感じています。製造業ではアジアを含めた新興国に活路を見出す、という企業が増えました。しかもマーケットだけではなく、生産拠点やR&D、人材の補填という部分も含め、真のグローバル化を日本ではなくアジアをホームにしていこうと考えている企業が急激に増えています。
一方で、領域として動いてきたと思うのは、サービス軸で言うとガバナンスやM&Aです。日本の製造業では一時期、ERPやサプライチェーンシステムさえ入れれば最適化出来るというような改革が多かったんですが、最近は経営の本質的な課題に対してコンサルティングを求められるようになってきたと思います。
だからこそ、案件は複雑で１つの解決策に集約できるはずがない、というものに変わってきています。昔のコンサルタントには野武士的な一匹狼がたくさんいましたが、今は課題に対して複数の視点、チームプレーでアプローチしないと本当の解決、改革はできません。その意味でも、サービスラインの豊富さで規模が大きくなっているDTCは有利だと思っています。

「業界が好きな人」に来てもらいたい

企業プロフィール